鳥居と夕焼け雲
#1
主人公:汐音(シオン)
かたかた…
ただただパソコンのキーボードを打つ音が広がっているこの部屋に、突然爆音が鳴り響いた。
[大文字]「汐音ちゃん!!初詣行こ!!!」[/大文字]
ドアを盛大に開けるなり、お母さんがそう言った。
「…え、ごめん私今日はあけおめ配信するんだよね…だから今準備してるんだけど…」
そう、私・汐音はVtuber。
前に、「あけおめ配信してください!」とコメントで沢山頼まれたから絶対にしたいんだよねえ…
「Vtuberはどうだって良いじゃない。ネットの方が大事だとでも言いたいの?」
お母さんはネットが嫌いだった。
顔が見えないし、確かに信憑性ない事言ってる人だっている。
お母さんは、「くだらない」と言う目だった。
それは今も。
「_いいよ別にお母さんにVtuberわかってもらえなくても…!!」
お母さんにそろそろ耐え切れなかった。
そのまま私はあてもなく走って、走って、走った。
「はあ…はああ‥ここどこだろ?」
気付くと鳥居の前に立っていた。
今日も人が沢山居る。
より一層、鳥居の綺麗な朱色が輝かしく見えた。
「…お金持ってきてないしなぁ…小銭もないし無理かぁ」
私はそう呟いた。
どうする事も出来なかったから、もう帰ろう。
リスナーさんもきっと配信時間とか早くお知らせしてほしいだろうし。
「…わ、すご」
近くで誰かが呟いた。
その声の方へ顔を向けると、1人の少年が目を輝かせて上を見ていた。
う、上‥?
上を向くと、そこには少しくすんだ雲があった。
夕焼け空、って言うんだっけ?
空が鳥居と同じように朱色に染まっている。
「雲が空を泳いでるみたいだね!‥あ、でもそれだと血の海を泳いでることになるか」
さっきの少年が、そう言って笑った。
なんだか私もつられて笑ってしまった。
もう帰ろう、この夕焼け空と共に。
空が見方をしてくれている様だった。
ただただパソコンのキーボードを打つ音が広がっているこの部屋に、突然爆音が鳴り響いた。
[大文字]「汐音ちゃん!!初詣行こ!!!」[/大文字]
ドアを盛大に開けるなり、お母さんがそう言った。
「…え、ごめん私今日はあけおめ配信するんだよね…だから今準備してるんだけど…」
そう、私・汐音はVtuber。
前に、「あけおめ配信してください!」とコメントで沢山頼まれたから絶対にしたいんだよねえ…
「Vtuberはどうだって良いじゃない。ネットの方が大事だとでも言いたいの?」
お母さんはネットが嫌いだった。
顔が見えないし、確かに信憑性ない事言ってる人だっている。
お母さんは、「くだらない」と言う目だった。
それは今も。
「_いいよ別にお母さんにVtuberわかってもらえなくても…!!」
お母さんにそろそろ耐え切れなかった。
そのまま私はあてもなく走って、走って、走った。
「はあ…はああ‥ここどこだろ?」
気付くと鳥居の前に立っていた。
今日も人が沢山居る。
より一層、鳥居の綺麗な朱色が輝かしく見えた。
「…お金持ってきてないしなぁ…小銭もないし無理かぁ」
私はそう呟いた。
どうする事も出来なかったから、もう帰ろう。
リスナーさんもきっと配信時間とか早くお知らせしてほしいだろうし。
「…わ、すご」
近くで誰かが呟いた。
その声の方へ顔を向けると、1人の少年が目を輝かせて上を見ていた。
う、上‥?
上を向くと、そこには少しくすんだ雲があった。
夕焼け空、って言うんだっけ?
空が鳥居と同じように朱色に染まっている。
「雲が空を泳いでるみたいだね!‥あ、でもそれだと血の海を泳いでることになるか」
さっきの少年が、そう言って笑った。
なんだか私もつられて笑ってしまった。
もう帰ろう、この夕焼け空と共に。
空が見方をしてくれている様だった。
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