マスター「んじゃ、まず偽名登録してください。」

マスターがそう言うと十二人の目の前にタッチパネルが現れた。
アニメ、ゲーム、SFで見るようなタッチパネルだった。
とても現実で見るものではない。
タッチパネルにはカタカナ五十音の文字があった。

マスター「本名でもいいので、カタカナの偽名を入力してください。できれば短い名前で。」


―数分後―

長くもなく、短くもない時間を過ごした。
シモン達十二人は偽名登録を済ませた。
もちろんシモンは『シモン』と入力した。

マスター「これで手続きは終わりかな。扉。開きまーす。」

何もない壁に扉が現れた。
みんなが一斉に扉に集まり、誰かが開けた。
そこには豪華でもないごく普通の階段が広がっていた。
いや、古そうな石の階段があった。

生意気そうな男「ここは豪華な屋敷じゃねぇのかよ！！」

マスター「豪華とは言っていない。だが、階段を上がったら結果は分かる。」

十二人は階段を上がった。
階段は広くはなかったので、十二人となると少々狭いようだった。
最初に上りきった者が足を止めた。

生意気そうな男「おい！邪魔だおま………………。なんだこれ……。」

長身の男「……広い。」

そこにはとても豪華な屋敷の大広間が広がっていた。
まるで現実では見ない『空想の世界の城』だった。
もう一度十二人の目の前にパネルが現れた。
タッチパネルではなく、マスターが映ったモニターパネルだった。

マスター「ふふっびっくりしたかな？。この屋敷、城かな？には君たち一人ひとりの部屋がある。後は好きにするがいい。」

一同「豪華な部屋？！！。」

マスター「あとこのパネルいつでも出せるから。リモート、マップ…色んな機能がありますので。じゃあね〜。」

全員のパネルは消えた。
大広間の十二人の姿も消えた。


すでに十二人は自分の部屋を探しに走り出していたのである。