生意気そうな男「は？勝手にわけわからないゲームをはじめ――
仮面の男[太字][大文字]「ルール説明〜！！」[/大文字][/太字]

一同「………。」

仮面の男「まず、俺のことは『マスター』って呼んで。」

マスターは誰にも話す隙を与えず、ルール説明をするようだ。
マスターは指をパチンッと鳴らした。
すると12人の手元に冊子が現れた。
真っ白な表紙には『ゲームのルール』と印刷文字が書かれていた。

マスター「俺が今から言うことは全部それに書いてあるから。」

シモンは冊子の中身を少しだけ見た。
冊子には印刷文字しかなく、イラストや写真などは全くなかった。

仮面の男「ざっくり説明〜。君たちはとある屋敷に閉じ込められています。屋敷のどこかに現実に帰れる門があるので探してください。」

長身の男「門…？。簡単そうだな…。」

マスター「はい次。時間について。この屋敷にいる間は現実の時間は進みません。しかし48日が経過した場合、現実に帰ることはできなくなり、君たちは[太字]死にます。[/太字]」

強そうな女「死ぬ？！！。殺されてたまるか！！。」

マスター「目的は黙秘。死んでもらいます。でもちゃんと脱出報酬はありますよ。一人だけ。」

だんだんと仮面の男の雰囲気は変わっていく。
シモンは『死』という言葉にぞっとしていた。

マスター「最初に脱出した者には俺の『時空を操る力』を一度だけ与えましょう。例えば、未来を見る、過去を見る、未来に行く、過去に戻る、そして違う世界線に行く。やる気になりましたか？。」

眼鏡の男「お前が時空を操る力を持っているのだな。現実の時間が進まないのも、この場所もお前自身の力か…。」

マスター「そうさ。その『力』を一度だけ使えるのです。脱出の価値はあるでしょう。」

シモンはその力を手に入れたら、兄に会いたいと思っていた。
過去に戻って兄に会う。
兄が存在した世界に行く。
やりたいことはたくさんだった。

マスター「とりあえずこれで説明は終了で〜す。後の詳しい説明は冊子を見てください。あと、その冊子には屋敷の地図も載ってるから。」

生意気そうな男「屋敷ぃ〜？。この一部屋しかねぇじゃねぇか。」

仮面の男「手続きが終わったら他の部屋への扉を開きます。ちなみにここは屋敷の地下室です。」



……密室には開きそうな場所がなかった。