俺がスーを拾ってから3ヶ月が経った。
そしてこの日は、俺が人生で大切な日である。
何故なら、今日は勇者オーd…
わっ！スーが何処からか出てきた。
「ドコニイクンデスカ？」
こいつはスー。最近言葉を覚えて、カタコトながらも遂に対話が出来るようになった。
「今日は…、オーディションだ。」
「ワアスゴイ！オモシロソウ！」
俺の一番大切な日なのによくそんな呑気に…
一応僧侶の枠で応募したつもりだったが、ちょっと不安だ。
「6番の奴こーい」
個人でやってるのか、とてもめんどくさそうな声だ。
ドアを開けると。
「ああっ、ちょっと。」魔法使いが呟いたがもう遅い。
転がってきたペンを踏んづけて盛大に転んでしまった。
スーも、ここで転ぶと思わなく、俺に引っかかって転んだ。
2人に爆笑された。
そこからはあまり覚えていないが…
気づいたら採用になっていた。
「『採用理由　面白かったから』か〜…。結構自由な人達なんだな。」
そういえば後ろにあったボロボロのモニターはなんだったんだ？
手紙に書いてあった通り、酒場に行ってみた。
「よおお前ら！面白かったぜ！」
「採用理由にはなってないけどなんかみんな堅苦しい癖にほぼ一緒だったっていうかー。」
2人とも温和そうだ。
「おいマスター！コイツらに自己紹介させていいか？」
「おや、フィラルド君とマーシャちゃんじゃないか。この場でいいなら」
「はいちゅうもーく！」
フィラルド（なはず）が自己紹介しろと言わんばかりに目配せをしてくる。
「え、えーっと、ニーケです。よろしくお願いします。」
「スーデス。ヨロシクオネガイシマス。」
おえっぷ。おえっぷ。
何の音だろうか。なんかこの場が荒れそうな位良くない音がしてる。
その時。
スーが魔法を飛ばした。魔法が届いた先には、飲んだくれ…？がいた。
「お、おう。助かったぜ。」
称賛の声が上がった。
賑やか酒場である。