此の頃、なんだか寒気がする。
魔王軍はつい最近まで封印されていたと思うのだが…、そうだった。時間が歪んでいるのだった。
最近は毎朝の頭痛にも慣れてきた。
[水平線]「ま、アタイにとってこんなの楽勝なんだけどね〜」
とぼとぼと去っていく村人達を見て、シンヒカーはケタケタ笑っている。彼女もまた、四天王の1人なのである。
[水平線]「国から要請来たよ〜」
ブフッ
フィラルドがコーヒーを吹き出した。
「ここんとこ3日間平和だったのになんだよ。」
「ソレシッテマス。ニシノムラガカイメツテキニナッテルヤツ。」
情報屋がいなくなったというのに正確な情報だ。
「んじゃ、れっつごー！」
できれば何も無いことを願いたい。
アペプの洗脳が発生するとか…
あ、スライムだ。
3体のスライムが1体を虐めているように見えr
[大文字]ズドン！[/大文字]
フィラルドがハンマーを振り下ろした。
わざと1体の横スレスレに。
「悪いな。俺はお前みたいなやつが嫌いなんだ。」
やっぱり正義感の強い人だ。
その時。
「うぐぐ…」
フィラルドが再びハンマーを振り下ろしかけている。
「ストップ！ストップ！」
やはりあの機械だ。
真っ先に剣で刺そうとしたが、刺すことが出来ない。嫌だ。刺したくない。
無秩序な己の鼓動を感じる。
だがこのままだとスライム達が4ぬ。
スライムを動かすしかない。
もうどうにでもなっちまえ。

ズザザザー
気が付くと自分は、スライムを全員抱きかかえて地面に転がっていた。多少ヤケクソだったが、どうにか全員助かった。
「ニー君スゴイじゃん！」
「ご、ごめんな。」
「スゴイデス。」
色々言っているが、何を言っているのか分からないまま、スライム達に別れを告げてまた出発した。
「おっ丁度いいところに。」
タイミング良く町が見えてきた。
「そういえば前の難民キャンプってどの辺？」
「北。」
すぐに答えたが、なんの事だろうか。