時空の狭間の狂宴/共演
此処は、いつもの星月夜の会談場。
この数週間で幾分か席数の増えた水晶のテーブルは相も変わらずの威容を放っている。
そこに現れた人影の内の一人、千里眼を持つ黒髪の少年…影廼界人は、例によって貴方に向けて手を振っているようだ。
「どうもっす!今回は楽屋ネタ、座談会っすね!」
「大分人も増えてきたもんねー!」
それに応えて、太陽を思わせる少女…火威陽も、楽しそうにけらけらと笑っている。
ところで界人、早速そーゆー事言うのはやめてくれ?楽屋ネタ、なんか知らんがグレーらしいからな?
「五月蝿い。本当いい加減にしなよ、あんたら…俺の安眠を邪魔するなって、何度言ったら分かるんだ?」
その愉快な雰囲気に水を刺すような所も相変わらずに、無気力に言い放つのは六波羅単。
マトモなコトを言っているように見えて、自分のコトしか考えていないような言い方…それこそが、彼が彼たる所以なんだろう。
「そういうアンタはココで寝んなと、何度言ったら分かるんすか!?」
呆れたような界人のいつものツッコミを遮るような形で遠慮がちに手を挙げるのは、夜空色の髪の少年。星見留歌だ。
「あのー…ここに呼ばれたって事はなんか用事がある、とかじゃないんすか?」
「つかそうじゃなきゃ、俺達は帰るぜ。なー、ボースー?」
それに続いた鳶色の髪の青年…ルーカスは、退屈そうに椅子をゆらゆらと揺らしている。
だが、彼のボスである金髪の女性…エルマ・アンサルディの「私は帰らないわよ」との返答にショックを受けたのか、今まさに後ろにひっくり返った所だ。
「あー、まぁそれもそっすね。えー、というわけで早速お呼びするっすよ![漢字]日暮[/漢字][ふりがな]ひぐらし[/ふりがな] [漢字]硯[/漢字][ふりがな]すずり[/ふりがな]さんっす!俺たちの学校の先輩っすね!」
そう界人が声をかけると、何処からともなく人影が現れた。
燻んだ薄い黄色の目に、同じく色素の薄い銀の髪、その片側を軽くシュシュで結えている。
ぴょこぴょことあちらこちらに跳ねる癖っ毛も相まって、警戒心の強い猫を連想させる雰囲気だ。
「…下らない。帰る。」
…最も、早速帰ろうとしているが。
そこを制止にかかるのは、逆立った髪の背の低い青年。火威月姫だ。
「ちょ、オイ待てよー!まだ他のヤツ来んだぜー?ココで帰っちゃつまんねーだろー?」
しかしそれ対する返答も、「うるさい、気持ち悪い、話しかけないで。」といった非常に端的かつ冷たい言葉。
月姫が絶対零度の視線を浴びている。最も、全く効いてないみたいだけど。
「あ、相変わらず人付き合い嫌いなんすね…」
「それが何?なんか悪いの?」
どうにかこうにか帰るのは止めたものの、やはりマトモな会話をする気はないようだ。
界人に促されて椅子に着くと、そのままくるりと回転させてテーブルに背中を向ける。そしてそのまま、空間魔法で本とヘッドホンを取り出して読書を始めた。
「えーっと…?」
このままでいいのか、と問いたげなのは名無し。いかにも平凡な日本人顔の彼に答えて、界人は口を開く。
「まぁ、良くはないっすね。仲間外れみたいで、正直ケッコー嫌っす。けど…」
「あの状態の時に、声かけちゃだめなんだよねー……」
そう答える界人と陽。珍しく同意する単と月姫の様子にもただならないモノを感じたのか、名無しの表情が固まる。
「でも話す気になってる時はちゃんと話してくれるし、毒舌だけどいい人だよー!」
「そうだな、ソコは事実だぜー!」
火威兄妹のからからとした笑い声が響く。それで一応は飲み込む事にしたのか、名無しは軽く頷いた。
「じゃあ、今度は私から紹介するよー!私の刀に宿ってる吸血鬼の女王様、ローズさんでーす!」
元気よく言った陽が、その背中に下げていた刀をひらりと抜いて一言二言、呪文を唱える。
直後、パッと現れる半透明の背の高い女性。白色の髪に真っ赤な瞳、一度も太陽に当たった事が無いと言われても納得できる、抜けるような白い肌。
「じゃ、自己紹介お願いします!」
「まぁ良かろう。我が名はローズ・スタヴァイト。ワタシの姿を見る栄誉をやる故、感涙に咽ぶが良いぞ?」
高飛車な態度ではあるが不思議と嫌悪感がない、生まれ持ってのカリスマ性と風格。
普通の人なら3秒とたたず自ら頭を下げるような、まさしく女王とでも言うべき空気感だ。
…最も、ここにいる彼らの大半は平然としているが。
「なんじゃ、つまらぬのう。飽きた。陽よ、キサマが先日読んでおったマンガとやらを疾く用意せよ。このワタシが退屈しておるのじゃぞ?」
「はーい!どーぞ!」
いや自由かよ。
でもそこはさすが女王様、マンガ読んでても気品がある。
マンガ読んでるけど。
思いっきり少年マンガだけど。
どこからどう見ても海賊のアレだけど。
一繋ぎの大秘宝だけど。
「そんな自由ならあたしらも呼びましょうよ、名無しの会から。」
「いいな、それ。とりあえず幽霊くん呼ぶか?」
その背後でそう話しているのは、留歌の姉と名無し。「いやなんでこの場所に干渉できるんすか!?」という界人のツッコミもガン無視し、空中に穴を開け、その穴から誰かを引っ張り出した。
「呼ばれて飛び出てばばば、ば〜ん!次元の狭間からこんにちは〜!!やっほ〜、幽霊くんだよ〜!!!」
ピンクブロンドの髪に金色の目、およそ人間とは思えない血色の存在しない肌。
極め付けに足元がほんのりと透けている彼は、誰が見てもまさしく幽霊だ、と言うような見た目だ。
…いや、ホントに幽霊かコレ。
配信者のアバターでしか見たことないようなパーカー着てるんだけど。
なんか鎖とかチャラチャラ着いてるズボン穿いてるんだけど。
てか、名乗り文句もほぼ配信者なんだけど。
「ま、改めてあたしの方からも紹介してあげる。こいつは幽霊、文字通り幽霊よ。死んでるわ。」
「イェ〜ス、I'm ghost!きみたちはsoul mate!あ、コレ幽霊ジョークね〜!ソウルだけに!」
ノリが 分から ない。
おそらくこの場の全員が全員、考えているコトは一致しただろう。
未だかつてこれほどまでにインパクトの強い自己紹介…いやむしろ事故紹介か…が、あっただろうか。
書いててこんな不思議な気分になったのは初めてっすよ僕も。
「あー…えっと…幽霊、さん?」
そう言って、遠慮がちに手をあげたのは留歌だ。先ほどまで姉に菓子やら紅茶やらをたかられていたが、それは界人がどうにかしたらしい。
具体的に言うと姉はふんぞり返って座っているし、界人は席を外して菓子を取りに行ったらしい。
「はいはいな〜に?なんでも聞いちゃってよ!答えられるかは分からないけど〜!」
「えっと、その…どっから出て来たんすか……?」
「…分からないや!てへ!!」
ダメだ、こいつアホの子だ!?
いやほんと何なんだよ。幽霊になると脳みそまで死ぬのか?
「まぁまぁそんなのどぉでもいいっしょ〜?おれは今紛れもなくここにいて、名無しの幽霊さんとして楽しくやってるんだし〜!」
「あー、まァそんなもんかー!」
月姫は月姫で雑すぎるだろ、それは流しちゃダメだろおい!!
しかもそいつが出て来た孔、まだ塞がってないし!なんか次元の狭間の中に、さらに別次元できてるし!!
界人気づけマジ気づけ!戻ってこい!!
あーもう喋りかけるしかないか!!
「ちょ、誰か留歌の後ろ見ろ!その穴塞げ!!」
「え…って、うわぁ!?ちょ、界人さんドコ行ったんすか!?!?ってかコレ絶対放置しといちゃダメなヤツっすよ…死ぬ未来が……」
「え…どうしよう、わたし、死んじゃうの……?」
あー、ダメだアレ絶対悪手だった!アリシアがパニックで過呼吸起こした!!収集つかねぇ!!!
「…五月蝿い。」
途端、ゆらりと立ち上がった単が懐から何かを出す。
「…竹の、筒?」
思わず口を開いたエルマを容赦のないツッコミが襲う。
具体的には、「もしそれ以外の何かに見えるって言うなら、あんたを表現する言葉が馬鹿以外に無くなるけど。」という刃物のような言葉。
尤も、本人は一切気にせず優雅にケーキ食べてますが。けど、ルーカスがキレそうだ。
…いや、既にキレてるわコレ。銃抜きそうだわ。あ、抜いた。
「はぁ……良い加減になさい!この駄犬!!」
「あでででで、ちょ、ボースー!やめ、やめて、やめ……お、オイそろそろマジでやめろ!!死ぬ!!!」
そしてエルマさん、見事なアナコンダバイスを極める。暴れるルーカス。けらけらと笑う月姫と名無し。
うーん、やっぱいつもの流れだなぁ!いつもの流れやってる場合じゃないんだけどな!?!?
界人、はよ戻ってこい!単はなんか考えてるっぽいけど、それならそれでさっさとやれ!!
[中央寄せ][大文字]つづく?[/大文字][/中央寄せ]
この数週間で幾分か席数の増えた水晶のテーブルは相も変わらずの威容を放っている。
そこに現れた人影の内の一人、千里眼を持つ黒髪の少年…影廼界人は、例によって貴方に向けて手を振っているようだ。
「どうもっす!今回は楽屋ネタ、座談会っすね!」
「大分人も増えてきたもんねー!」
それに応えて、太陽を思わせる少女…火威陽も、楽しそうにけらけらと笑っている。
ところで界人、早速そーゆー事言うのはやめてくれ?楽屋ネタ、なんか知らんがグレーらしいからな?
「五月蝿い。本当いい加減にしなよ、あんたら…俺の安眠を邪魔するなって、何度言ったら分かるんだ?」
その愉快な雰囲気に水を刺すような所も相変わらずに、無気力に言い放つのは六波羅単。
マトモなコトを言っているように見えて、自分のコトしか考えていないような言い方…それこそが、彼が彼たる所以なんだろう。
「そういうアンタはココで寝んなと、何度言ったら分かるんすか!?」
呆れたような界人のいつものツッコミを遮るような形で遠慮がちに手を挙げるのは、夜空色の髪の少年。星見留歌だ。
「あのー…ここに呼ばれたって事はなんか用事がある、とかじゃないんすか?」
「つかそうじゃなきゃ、俺達は帰るぜ。なー、ボースー?」
それに続いた鳶色の髪の青年…ルーカスは、退屈そうに椅子をゆらゆらと揺らしている。
だが、彼のボスである金髪の女性…エルマ・アンサルディの「私は帰らないわよ」との返答にショックを受けたのか、今まさに後ろにひっくり返った所だ。
「あー、まぁそれもそっすね。えー、というわけで早速お呼びするっすよ![漢字]日暮[/漢字][ふりがな]ひぐらし[/ふりがな] [漢字]硯[/漢字][ふりがな]すずり[/ふりがな]さんっす!俺たちの学校の先輩っすね!」
そう界人が声をかけると、何処からともなく人影が現れた。
燻んだ薄い黄色の目に、同じく色素の薄い銀の髪、その片側を軽くシュシュで結えている。
ぴょこぴょことあちらこちらに跳ねる癖っ毛も相まって、警戒心の強い猫を連想させる雰囲気だ。
「…下らない。帰る。」
…最も、早速帰ろうとしているが。
そこを制止にかかるのは、逆立った髪の背の低い青年。火威月姫だ。
「ちょ、オイ待てよー!まだ他のヤツ来んだぜー?ココで帰っちゃつまんねーだろー?」
しかしそれ対する返答も、「うるさい、気持ち悪い、話しかけないで。」といった非常に端的かつ冷たい言葉。
月姫が絶対零度の視線を浴びている。最も、全く効いてないみたいだけど。
「あ、相変わらず人付き合い嫌いなんすね…」
「それが何?なんか悪いの?」
どうにかこうにか帰るのは止めたものの、やはりマトモな会話をする気はないようだ。
界人に促されて椅子に着くと、そのままくるりと回転させてテーブルに背中を向ける。そしてそのまま、空間魔法で本とヘッドホンを取り出して読書を始めた。
「えーっと…?」
このままでいいのか、と問いたげなのは名無し。いかにも平凡な日本人顔の彼に答えて、界人は口を開く。
「まぁ、良くはないっすね。仲間外れみたいで、正直ケッコー嫌っす。けど…」
「あの状態の時に、声かけちゃだめなんだよねー……」
そう答える界人と陽。珍しく同意する単と月姫の様子にもただならないモノを感じたのか、名無しの表情が固まる。
「でも話す気になってる時はちゃんと話してくれるし、毒舌だけどいい人だよー!」
「そうだな、ソコは事実だぜー!」
火威兄妹のからからとした笑い声が響く。それで一応は飲み込む事にしたのか、名無しは軽く頷いた。
「じゃあ、今度は私から紹介するよー!私の刀に宿ってる吸血鬼の女王様、ローズさんでーす!」
元気よく言った陽が、その背中に下げていた刀をひらりと抜いて一言二言、呪文を唱える。
直後、パッと現れる半透明の背の高い女性。白色の髪に真っ赤な瞳、一度も太陽に当たった事が無いと言われても納得できる、抜けるような白い肌。
「じゃ、自己紹介お願いします!」
「まぁ良かろう。我が名はローズ・スタヴァイト。ワタシの姿を見る栄誉をやる故、感涙に咽ぶが良いぞ?」
高飛車な態度ではあるが不思議と嫌悪感がない、生まれ持ってのカリスマ性と風格。
普通の人なら3秒とたたず自ら頭を下げるような、まさしく女王とでも言うべき空気感だ。
…最も、ここにいる彼らの大半は平然としているが。
「なんじゃ、つまらぬのう。飽きた。陽よ、キサマが先日読んでおったマンガとやらを疾く用意せよ。このワタシが退屈しておるのじゃぞ?」
「はーい!どーぞ!」
いや自由かよ。
でもそこはさすが女王様、マンガ読んでても気品がある。
マンガ読んでるけど。
思いっきり少年マンガだけど。
どこからどう見ても海賊のアレだけど。
一繋ぎの大秘宝だけど。
「そんな自由ならあたしらも呼びましょうよ、名無しの会から。」
「いいな、それ。とりあえず幽霊くん呼ぶか?」
その背後でそう話しているのは、留歌の姉と名無し。「いやなんでこの場所に干渉できるんすか!?」という界人のツッコミもガン無視し、空中に穴を開け、その穴から誰かを引っ張り出した。
「呼ばれて飛び出てばばば、ば〜ん!次元の狭間からこんにちは〜!!やっほ〜、幽霊くんだよ〜!!!」
ピンクブロンドの髪に金色の目、およそ人間とは思えない血色の存在しない肌。
極め付けに足元がほんのりと透けている彼は、誰が見てもまさしく幽霊だ、と言うような見た目だ。
…いや、ホントに幽霊かコレ。
配信者のアバターでしか見たことないようなパーカー着てるんだけど。
なんか鎖とかチャラチャラ着いてるズボン穿いてるんだけど。
てか、名乗り文句もほぼ配信者なんだけど。
「ま、改めてあたしの方からも紹介してあげる。こいつは幽霊、文字通り幽霊よ。死んでるわ。」
「イェ〜ス、I'm ghost!きみたちはsoul mate!あ、コレ幽霊ジョークね〜!ソウルだけに!」
ノリが 分から ない。
おそらくこの場の全員が全員、考えているコトは一致しただろう。
未だかつてこれほどまでにインパクトの強い自己紹介…いやむしろ事故紹介か…が、あっただろうか。
書いててこんな不思議な気分になったのは初めてっすよ僕も。
「あー…えっと…幽霊、さん?」
そう言って、遠慮がちに手をあげたのは留歌だ。先ほどまで姉に菓子やら紅茶やらをたかられていたが、それは界人がどうにかしたらしい。
具体的に言うと姉はふんぞり返って座っているし、界人は席を外して菓子を取りに行ったらしい。
「はいはいな〜に?なんでも聞いちゃってよ!答えられるかは分からないけど〜!」
「えっと、その…どっから出て来たんすか……?」
「…分からないや!てへ!!」
ダメだ、こいつアホの子だ!?
いやほんと何なんだよ。幽霊になると脳みそまで死ぬのか?
「まぁまぁそんなのどぉでもいいっしょ〜?おれは今紛れもなくここにいて、名無しの幽霊さんとして楽しくやってるんだし〜!」
「あー、まァそんなもんかー!」
月姫は月姫で雑すぎるだろ、それは流しちゃダメだろおい!!
しかもそいつが出て来た孔、まだ塞がってないし!なんか次元の狭間の中に、さらに別次元できてるし!!
界人気づけマジ気づけ!戻ってこい!!
あーもう喋りかけるしかないか!!
「ちょ、誰か留歌の後ろ見ろ!その穴塞げ!!」
「え…って、うわぁ!?ちょ、界人さんドコ行ったんすか!?!?ってかコレ絶対放置しといちゃダメなヤツっすよ…死ぬ未来が……」
「え…どうしよう、わたし、死んじゃうの……?」
あー、ダメだアレ絶対悪手だった!アリシアがパニックで過呼吸起こした!!収集つかねぇ!!!
「…五月蝿い。」
途端、ゆらりと立ち上がった単が懐から何かを出す。
「…竹の、筒?」
思わず口を開いたエルマを容赦のないツッコミが襲う。
具体的には、「もしそれ以外の何かに見えるって言うなら、あんたを表現する言葉が馬鹿以外に無くなるけど。」という刃物のような言葉。
尤も、本人は一切気にせず優雅にケーキ食べてますが。けど、ルーカスがキレそうだ。
…いや、既にキレてるわコレ。銃抜きそうだわ。あ、抜いた。
「はぁ……良い加減になさい!この駄犬!!」
「あでででで、ちょ、ボースー!やめ、やめて、やめ……お、オイそろそろマジでやめろ!!死ぬ!!!」
そしてエルマさん、見事なアナコンダバイスを極める。暴れるルーカス。けらけらと笑う月姫と名無し。
うーん、やっぱいつもの流れだなぁ!いつもの流れやってる場合じゃないんだけどな!?!?
界人、はよ戻ってこい!単はなんか考えてるっぽいけど、それならそれでさっさとやれ!!
[中央寄せ][大文字]つづく?[/大文字][/中央寄せ]