桃色のハル
#1
こんにちは、私はももかっていうの。桃の花と書いて桃花。
学校ではそこまでお友達も作れていないし、慣れもしていない。もうそろそろ、みんな馴染んできているはずなんだけどね。まあ私はそんなの気にしないで、自分のペースで生きていくつもりだけど。
来年は進級か…2年になるとはいえ、まだまだ馴染めそうにない。
なにか1つの趣味でもあればな…と思ってはいるものの、中々挑戦できそうにない。編み物や手芸はすぐに飽きてしまったし、ゲームだってあまり面白くはない。すぐ飽きてしまう所が、良くないと評価されてるのかな。他人からの評価だなんて結局はどうでもいいけれど、やっぱりそれでも周りの目は気にしてしまう。なにかいい趣味は、やることはないかな。どんなに探していても、昨日も今日もネットの海に飲まれて行くばかり。
お、このゲームの新作出るんだ。あー、そういえばこの絵画、ネットニュースになってたな… ふーん、そうなんだ…えっ、ここまで絵って高くなるんだ… にしても、絵ってすごいなぁ。こんな筆で、こんな風に淡くて美しい絵を描けるだなんて。…へえ、この筆を洗うやつは筆洗って言うんだ。
あ、そうだ、ちょっとばかりやってみようかな?”興味があることはすぐ実践“って学校でも言われたし。やってみよう。でも、久しぶりだな、こんな風に自分でやりたい事をするの。だけど、ここまでワクワクしているのはもっと久しぶりだ。筆洗は少し重いけど、そんなんじゃこの気持ちは抑えられない。
そうだ、今日は私の名前とも言える、桃の花を描いてみようかな。それと背景を描こう!
えーっと、こんな風に花びらがなっていて、ここに川があって、それでここの木は…
ーーー
すっかり集中して、あっという間にもう夜ご飯の時間になっていた。人生で初めてと言えるぐらい集中したし、楽しかったしでとても有意義ないい時間だった。ご飯を食べ終わってからも、夢中になって風景画を描き続けた。そんな風にやり続けて、やっと完成したと思ったらもう午前1時30分。両親は多分寝ていると思っているだろうし、むしろ寝ていない方がおかしいだろう。それでも、ここまで夢中になれた。これがなんだかすごく嬉しくて、無性に誰かに話したくなった。
それを抑えきれず下の階にいる母に声を掛けに言ったら、一緒になって沢山喜んでくれた。なんでここまで絵を描くということをしなかったのだろうという後悔と、一緒に喜んでくれている母への感謝を込めて、私からこの水彩画をプレゼントしようと思う。この、初めて本気で描いた絵。もちろん才能が溢れているわけでもない。でも、すごく楽しかった。これが嬉しくて、胸がどんどん高鳴っていった。どんなことでも、私が楽しめるならと両親は昔から色々なサポートをしてくれていた。その感謝を伝えるために、これからも頑張っていこうと思えた。絵はどんなものだと聞かれたから、今は無理だけど、また今度見せるといって部屋に帰った。部屋の中にあるありったけものを探って、レターセットやリボン、包装紙などを見つけた。
だけど、今から作業するには時間帯が遅すぎて、寝不足になり絵が描けなくなってしまうかもしれない。
そんな事は絶対に嫌だ。だからこそ、今は寝る必要がある。中々プレゼントを渡さないからこそ、高鳴る心臓を抑えて深い眠りに落ちた。
ーーー
次の日、学校がとても楽しさにあふれていると思った。私が寄せつけていなかっただけで、私のことを知りたいと思ってくれている人は沢山いるんだ。たったそれだけのことなのに、少し胸が暖かくなった。
それに、今日は水彩絵の具を使った絵を描く、という授業があった。その授業ではこれから来る春の学校の風景を描くというものだった。学校には春になると桜や梅が満開になる。まだまだ冬だけれど、少しでもその明るい花を咲かせて欲しかった私は、どんどん筆が進んで行った。周りの子達ともそれがきっかけで話すようになって、どんどん全てが面白くなっていった。やはり挑戦は大事だということを学べたいい機会だったと思う。今も、これからも絵を描き続けていこう。そう思った2日間だった。
そんな絵のおかげで、私の世界は彩りを取り戻したようだった。
学校ではそこまでお友達も作れていないし、慣れもしていない。もうそろそろ、みんな馴染んできているはずなんだけどね。まあ私はそんなの気にしないで、自分のペースで生きていくつもりだけど。
来年は進級か…2年になるとはいえ、まだまだ馴染めそうにない。
なにか1つの趣味でもあればな…と思ってはいるものの、中々挑戦できそうにない。編み物や手芸はすぐに飽きてしまったし、ゲームだってあまり面白くはない。すぐ飽きてしまう所が、良くないと評価されてるのかな。他人からの評価だなんて結局はどうでもいいけれど、やっぱりそれでも周りの目は気にしてしまう。なにかいい趣味は、やることはないかな。どんなに探していても、昨日も今日もネットの海に飲まれて行くばかり。
お、このゲームの新作出るんだ。あー、そういえばこの絵画、ネットニュースになってたな… ふーん、そうなんだ…えっ、ここまで絵って高くなるんだ… にしても、絵ってすごいなぁ。こんな筆で、こんな風に淡くて美しい絵を描けるだなんて。…へえ、この筆を洗うやつは筆洗って言うんだ。
あ、そうだ、ちょっとばかりやってみようかな?”興味があることはすぐ実践“って学校でも言われたし。やってみよう。でも、久しぶりだな、こんな風に自分でやりたい事をするの。だけど、ここまでワクワクしているのはもっと久しぶりだ。筆洗は少し重いけど、そんなんじゃこの気持ちは抑えられない。
そうだ、今日は私の名前とも言える、桃の花を描いてみようかな。それと背景を描こう!
えーっと、こんな風に花びらがなっていて、ここに川があって、それでここの木は…
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すっかり集中して、あっという間にもう夜ご飯の時間になっていた。人生で初めてと言えるぐらい集中したし、楽しかったしでとても有意義ないい時間だった。ご飯を食べ終わってからも、夢中になって風景画を描き続けた。そんな風にやり続けて、やっと完成したと思ったらもう午前1時30分。両親は多分寝ていると思っているだろうし、むしろ寝ていない方がおかしいだろう。それでも、ここまで夢中になれた。これがなんだかすごく嬉しくて、無性に誰かに話したくなった。
それを抑えきれず下の階にいる母に声を掛けに言ったら、一緒になって沢山喜んでくれた。なんでここまで絵を描くということをしなかったのだろうという後悔と、一緒に喜んでくれている母への感謝を込めて、私からこの水彩画をプレゼントしようと思う。この、初めて本気で描いた絵。もちろん才能が溢れているわけでもない。でも、すごく楽しかった。これが嬉しくて、胸がどんどん高鳴っていった。どんなことでも、私が楽しめるならと両親は昔から色々なサポートをしてくれていた。その感謝を伝えるために、これからも頑張っていこうと思えた。絵はどんなものだと聞かれたから、今は無理だけど、また今度見せるといって部屋に帰った。部屋の中にあるありったけものを探って、レターセットやリボン、包装紙などを見つけた。
だけど、今から作業するには時間帯が遅すぎて、寝不足になり絵が描けなくなってしまうかもしれない。
そんな事は絶対に嫌だ。だからこそ、今は寝る必要がある。中々プレゼントを渡さないからこそ、高鳴る心臓を抑えて深い眠りに落ちた。
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次の日、学校がとても楽しさにあふれていると思った。私が寄せつけていなかっただけで、私のことを知りたいと思ってくれている人は沢山いるんだ。たったそれだけのことなのに、少し胸が暖かくなった。
それに、今日は水彩絵の具を使った絵を描く、という授業があった。その授業ではこれから来る春の学校の風景を描くというものだった。学校には春になると桜や梅が満開になる。まだまだ冬だけれど、少しでもその明るい花を咲かせて欲しかった私は、どんどん筆が進んで行った。周りの子達ともそれがきっかけで話すようになって、どんどん全てが面白くなっていった。やはり挑戦は大事だということを学べたいい機会だったと思う。今も、これからも絵を描き続けていこう。そう思った2日間だった。
そんな絵のおかげで、私の世界は彩りを取り戻したようだった。
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