二次創作
呪、再び
「…作戦Aを実行する」
猿山の宣言に、戌亥はお前らしいな、と呟いた。ゾムは安心したような顔をしている。
「やっぱ反発されると手ェ出るからな!」
と、清々しい笑顔で猿山は言う。五年生組は先生がそんなんでえぇんか、と言いたげな顔をした。
「んじゃ、早速奪いに行くか!」
〈エーミール宅〉
「エミさん、何してるんだ?」
「あぁ、グルッペンさんですか。ちょっと"鬼"についての資料を見ていまして…」
「ほぅ、私にも見せてくれないか?」
「あ、はい。こちらです」
エーミールはグルッペンに一枚の紙を差し出す。それは、"桃鬼伝説"に登場する"桃太郎"、"猿"、"戌"、"鳥"にあたる四家に関する資料だった。
「…なるほど、この四家にはそれぞれ"能力"があるのだな?」
「えぇ、特に私が興味を惹かれたのは…
―午前二時三十分―
「せんせ〜、こっちにはいなかったですよ」
「シャオ達のほうに"も"いなかったか…」
猿山たちは、いくつかのチームに別れて絵斗の居場所を突き止めようとしていた。
「となると、残りは…"屋上"だな」
「らぁ君…本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だって桃瀬!…多分」
桃瀬は不安そうな顔をする。戌亥はため息をついた。
「まぁ、こんなところで止まってても何も始まらないさ。先に進もう」
クロノアがそう言うと、桃瀬は少し間を置いてから頷いた。
「…行きましょう」
全員の目に、決意と覚悟が現れた――…
「…来たのか、お前ら」
絵斗が感情を殺した声で言葉を発する。大切そうに、偶像を抱えながら…
「絵斗、偶像を渡せ!」
猿山が一歩前に出る。途端に、絵斗の表情が恐怖に染まる。
「い、嫌だ!渡すもんか!!」
更に奥に逃げようとする絵斗。頭には、一つの言葉しか回っていなかった。
"奪われたら、[漢字]呂戊太が殺される[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・[/ふりがな]…!"
「あぁ…いやだ…ろぼた、ろぼたぁ…!!」
絵斗の異変に気づき、猿山は一度立ち止まる。
「お前、どうしたんだ…?ちょっと一旦落ち着けよ」
「う…あ…」
絵斗が立ち止まる。ゆっくりと猿山は近づいた。…その瞬間。
「ッ…」
ゾムの胸に、嫌な予感がほとばしる。猿山、と声をかけようとして彼を追いかけようとした、その時。
「[大文字]いやだ、いやだ、いやだぁ!!オレがろぼたをまもるんだぁ!![/大文字]」
[大文字]カチャリッ[/大文字]
「?!絵t」
[大文字]ドンッ!![/大文字]
カラン、と小さな金属の塊が地面に落ちる。ピッと、ゾムの頬に"赤い液体"が張り付いた。
「…さる…やま…?」
「はぁ、はぁ…え?」
絵斗の顔がみるみるうちに青ざめていく。
「さ、猿山…?お、オレが…撃っ…」
「[大文字]らぁ君!![/大文字]」
桃瀬が半ば叫びながら彼の名を呼ぶ。…が、彼からの反応はない。
「せ、せんせ…嘘やろ…?」
シャオロンの身体が強張る。冷たい空気が彼の頬を撫でた。
「さる、やま…?死なんて、言うたやんか…」
ゾムがふらふらと歩き出す。
「ゾム、さん…」
チーノが止めようとしたが、身体は金縛りにあったかのように動かなかった。クロノアが震える手で証拠写真を撮る。しかし、ブレて何が写っているのかわからなかった。
「なんで、こんなことに…」
ショッピの呟きも、夜の闇に溶けていく。ゾムが、猿山のもとにたどり着いた。そっと彼の胸に手を置く。…何も、[漢字]動いてはいなかった[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・[/ふりがな]。
「さる、やま…あ、あぁ…[大文字]あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!![/大文字]」
エーミールは、資料を見ながらグルッペンに語る。
「…この、"鳥"にあたる[漢字]鳥居家[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]の能力。面白いではありませんか」
「どれどれ…[太字]負の感情が高ぶると鬼化する[/太字]能力か…確かに面白そうだな。実際にこの目で見たいものだ」
ゾムの目に映るのは、もう二度と笑いかけてくれない恩師だけ。
「この"鳥居家"はですね、桃太郎と鬼退治をした後すぐ"桃瀬家"と離れたそうなんですよ。ですから、鳥居家の人間は[漢字]鬼についてほとんど知らない[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・・・・[/ふりがな]そうなんです」
「[大文字]おい小僧!落ち着け!![/大文字]」
戌亥が焦ったように叫ぶ。しかし"彼"の耳には何も届かない。
「…あれ?私この名字をどこかで聞いたことあるような…」
エーミールは少し考え込むが、何も思い出せなかった。
「…気のせいですかね?」
「先生がいない世界なんて、要らんわ」
全てに絶望した彼は、かつての仲間に"刀"を振るう。
「…あの少年ではないか?緑フードの…」
グルッペンが記憶をたどりながらエーミールに問う。
「あぁ、そうでした。彼の名前は確か、[漢字]鳥居[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな] 希だったはず…」
「ゾムさん!ボクですよ!!」「ゾム、頼むからもうやめてくれ!!」
"ダレカ"の悲痛な声が聞こえる。…うるさい、なぁ…
[大文字]ザクリッ[/大文字]
また一人、また一人、オレの周りから"消えていく"。辺り一面赤く染まっていた。
「はぁ、はぁ…せんせぇ、早く来てくれや…オレを止めてくれや…じゃないと、オレ…もっと殺しちまうぜ?なぁ、早く…」
「そんなら、俺があいつのところに連れて行ってやるよ」
「…え」
[大文字]ザクリッ[/大文字]
(だれ、だ…?せんせ…)
振り返る間もなく、容赦なく彼に刀…"鬼切安綱"が振り落とされる。それは、鬼を殺せる刀だった。段々視界が白くなっていく―…
(あぁ、これで先生に会える…待っててくれや、先生…)
[中央寄せ][斜体]今、そっちに行くぜ…[/斜体][/中央寄せ]
「ったく…お前を信じた俺が馬鹿だったよ、猿山」
一人残された彼―…戌亥は、ふっとタバコの煙を吐いた。ぽとりと、タバコの燃え殻が落ちる。黄泉の国の住民である彼は、"鬼"に殺されることはなかった。
「…クソ、桃瀬…すまなかった」
悔しげに歯を食いしばる。どんなに悔やんでも…
[中央寄せ][斜体]もう、彼らに朝はやってこない。[/斜体][/中央寄せ]
〈作戦A:無理やり偶像を奪う〉 失敗。全員死亡
※鳥居家の能力:負の感情が高ぶると鬼化する。
[右寄せ]―BAD END―[/右寄せ]
猿山の宣言に、戌亥はお前らしいな、と呟いた。ゾムは安心したような顔をしている。
「やっぱ反発されると手ェ出るからな!」
と、清々しい笑顔で猿山は言う。五年生組は先生がそんなんでえぇんか、と言いたげな顔をした。
「んじゃ、早速奪いに行くか!」
〈エーミール宅〉
「エミさん、何してるんだ?」
「あぁ、グルッペンさんですか。ちょっと"鬼"についての資料を見ていまして…」
「ほぅ、私にも見せてくれないか?」
「あ、はい。こちらです」
エーミールはグルッペンに一枚の紙を差し出す。それは、"桃鬼伝説"に登場する"桃太郎"、"猿"、"戌"、"鳥"にあたる四家に関する資料だった。
「…なるほど、この四家にはそれぞれ"能力"があるのだな?」
「えぇ、特に私が興味を惹かれたのは…
―午前二時三十分―
「せんせ〜、こっちにはいなかったですよ」
「シャオ達のほうに"も"いなかったか…」
猿山たちは、いくつかのチームに別れて絵斗の居場所を突き止めようとしていた。
「となると、残りは…"屋上"だな」
「らぁ君…本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だって桃瀬!…多分」
桃瀬は不安そうな顔をする。戌亥はため息をついた。
「まぁ、こんなところで止まってても何も始まらないさ。先に進もう」
クロノアがそう言うと、桃瀬は少し間を置いてから頷いた。
「…行きましょう」
全員の目に、決意と覚悟が現れた――…
「…来たのか、お前ら」
絵斗が感情を殺した声で言葉を発する。大切そうに、偶像を抱えながら…
「絵斗、偶像を渡せ!」
猿山が一歩前に出る。途端に、絵斗の表情が恐怖に染まる。
「い、嫌だ!渡すもんか!!」
更に奥に逃げようとする絵斗。頭には、一つの言葉しか回っていなかった。
"奪われたら、[漢字]呂戊太が殺される[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・[/ふりがな]…!"
「あぁ…いやだ…ろぼた、ろぼたぁ…!!」
絵斗の異変に気づき、猿山は一度立ち止まる。
「お前、どうしたんだ…?ちょっと一旦落ち着けよ」
「う…あ…」
絵斗が立ち止まる。ゆっくりと猿山は近づいた。…その瞬間。
「ッ…」
ゾムの胸に、嫌な予感がほとばしる。猿山、と声をかけようとして彼を追いかけようとした、その時。
「[大文字]いやだ、いやだ、いやだぁ!!オレがろぼたをまもるんだぁ!![/大文字]」
[大文字]カチャリッ[/大文字]
「?!絵t」
[大文字]ドンッ!![/大文字]
カラン、と小さな金属の塊が地面に落ちる。ピッと、ゾムの頬に"赤い液体"が張り付いた。
「…さる…やま…?」
「はぁ、はぁ…え?」
絵斗の顔がみるみるうちに青ざめていく。
「さ、猿山…?お、オレが…撃っ…」
「[大文字]らぁ君!![/大文字]」
桃瀬が半ば叫びながら彼の名を呼ぶ。…が、彼からの反応はない。
「せ、せんせ…嘘やろ…?」
シャオロンの身体が強張る。冷たい空気が彼の頬を撫でた。
「さる、やま…?死なんて、言うたやんか…」
ゾムがふらふらと歩き出す。
「ゾム、さん…」
チーノが止めようとしたが、身体は金縛りにあったかのように動かなかった。クロノアが震える手で証拠写真を撮る。しかし、ブレて何が写っているのかわからなかった。
「なんで、こんなことに…」
ショッピの呟きも、夜の闇に溶けていく。ゾムが、猿山のもとにたどり着いた。そっと彼の胸に手を置く。…何も、[漢字]動いてはいなかった[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・[/ふりがな]。
「さる、やま…あ、あぁ…[大文字]あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!![/大文字]」
エーミールは、資料を見ながらグルッペンに語る。
「…この、"鳥"にあたる[漢字]鳥居家[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]の能力。面白いではありませんか」
「どれどれ…[太字]負の感情が高ぶると鬼化する[/太字]能力か…確かに面白そうだな。実際にこの目で見たいものだ」
ゾムの目に映るのは、もう二度と笑いかけてくれない恩師だけ。
「この"鳥居家"はですね、桃太郎と鬼退治をした後すぐ"桃瀬家"と離れたそうなんですよ。ですから、鳥居家の人間は[漢字]鬼についてほとんど知らない[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・・・・[/ふりがな]そうなんです」
「[大文字]おい小僧!落ち着け!![/大文字]」
戌亥が焦ったように叫ぶ。しかし"彼"の耳には何も届かない。
「…あれ?私この名字をどこかで聞いたことあるような…」
エーミールは少し考え込むが、何も思い出せなかった。
「…気のせいですかね?」
「先生がいない世界なんて、要らんわ」
全てに絶望した彼は、かつての仲間に"刀"を振るう。
「…あの少年ではないか?緑フードの…」
グルッペンが記憶をたどりながらエーミールに問う。
「あぁ、そうでした。彼の名前は確か、[漢字]鳥居[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな] 希だったはず…」
「ゾムさん!ボクですよ!!」「ゾム、頼むからもうやめてくれ!!」
"ダレカ"の悲痛な声が聞こえる。…うるさい、なぁ…
[大文字]ザクリッ[/大文字]
また一人、また一人、オレの周りから"消えていく"。辺り一面赤く染まっていた。
「はぁ、はぁ…せんせぇ、早く来てくれや…オレを止めてくれや…じゃないと、オレ…もっと殺しちまうぜ?なぁ、早く…」
「そんなら、俺があいつのところに連れて行ってやるよ」
「…え」
[大文字]ザクリッ[/大文字]
(だれ、だ…?せんせ…)
振り返る間もなく、容赦なく彼に刀…"鬼切安綱"が振り落とされる。それは、鬼を殺せる刀だった。段々視界が白くなっていく―…
(あぁ、これで先生に会える…待っててくれや、先生…)
[中央寄せ][斜体]今、そっちに行くぜ…[/斜体][/中央寄せ]
「ったく…お前を信じた俺が馬鹿だったよ、猿山」
一人残された彼―…戌亥は、ふっとタバコの煙を吐いた。ぽとりと、タバコの燃え殻が落ちる。黄泉の国の住民である彼は、"鬼"に殺されることはなかった。
「…クソ、桃瀬…すまなかった」
悔しげに歯を食いしばる。どんなに悔やんでも…
[中央寄せ][斜体]もう、彼らに朝はやってこない。[/斜体][/中央寄せ]
〈作戦A:無理やり偶像を奪う〉 失敗。全員死亡
※鳥居家の能力:負の感情が高ぶると鬼化する。
[右寄せ]―BAD END―[/右寄せ]