【オリキャラ短編集】
[中央寄せ]高校パロ / スフェラヴ[/中央寄せ]
[中央寄せ]シャー芯とカバー[/中央寄せ]
スフェ「ん。」
無愛想で自分から行くようなタイプでもないこいつ。
それなのに急に話しかけてくるときは、どんな対応を取るべきか不安になる。
「…えっと…」
スフェ「忘れ物。…ラヴ、馬鹿じゃないの?」
思いやりの欠片もない毒舌が走る。
…まったく、と思いながら受け取った。
「…これ、俺のノート…か」
スフェ「そ。それにしてもよく書くもんだね」
見たのかよ…とツッコみたいとこだが、いつの間にかスタスタと風のように向こうへ歩いている。
「お、おいちょっと待て〜…ッ」
スフェ「…俺早く帰りたいんだけど。」
「ご、ごめんって…あのさ」
最初は一人称が俺だから男かと思ったが。
…全然、女らしい可愛いヤツなんだ。
「いつもありがとうな、これやるよ」
不器用でダメダメな俺みたいなやつでも付き合ってくれるのがいつもお前だったりして。
そんな風な気持ちがこもったシャーペンで。
スフェ「…え、なんでシャーペン…」
きょとん、と漫画であったら出てるだろうなってほど困惑している。
…無理ないよな。
「…昨日、お前芯切れたって言ってた気がして」
スフェ「……確かに言ったけど…欲しいとは言ってない…」
「…やるよ、ほんとは俺の新しいシャーペンだったんだけどな。」
スフェ「お前が買ったんでしょ?だったらお前が使ったほうが…」
「シャー芯みたいに簡素で割れやすいお前の心を被せてやりたくて。」
スフェ「……なにそれ。」
「別にまた買ゃいいし!」
スフェ「…じゃ、ありがたく貰うね。」
パッと微笑んだ。
…本当は嬉しいんじゃねぇか。
「壊したら許さねーからな!!!」
スフェ「はいはーい。多分ねー。」
「信頼性ゼロだなぁ!!((」
スフェ「あ〜、お前のせいで時間潰れたしー。」
「最初に声かけたのはお前だしー。((」
スフェ「……ね、放課後空いてる?」
「…え、まぁ。」
スフェ「このまま遊ぼーよ」
「…え。」
スフェ「借りを返させてもらうよー?」
「んんん…なんでそうなるんだ…!?((」
スフェ「あはっ、自業自得ってやつ〜」
「この野郎が!!……どこ行く?」
スフェ「行く気満々だね?((」
―――この日見た夕焼けは、今までで一番輝いていた。