獣人専用高校で人間だけど恋愛します
体育会の帰り道。
私と先輩は並んで歩いていた。
「ええ?ずっと好きだった?」
私は困惑している。
何と、先輩は前から私のことが好きだったらしい。
ちょっと信じられない。
だってあんなに私のこと避けてたのに。冷たかったのに。
先輩は目を伏せて言った。
「すみません。傷つくのが怖かったんです」
「......」
怖かったのは私も同じだ。
最後の一歩が踏み出せなくて、結局先輩に言わせてしまった。
だから今度は、私が言わないと。
「私、香里って言います。先輩の名前も知りたい」
先輩は目を瞬かせた。
それから可笑しそうに笑う。
「私たち、お互いの名前も知らなかったんですね。私は慧です」
「慧...」
不思議な感じだ。
先輩の隣で、先輩の名前を呼んでいるなんて。
くすぐったくて、嬉しい。
「ねえ先輩、手を繋いでもいいですか?」
「勿論。でも、せっかく名前を教えたのに......呼んでくれないんですか?」
「...慧、手を繋いでもいい?」
言い直したものの、何だか恥ずかしい。
手を繋ぐために、握っていたものをポケットに入れる。
小さな紙切れ。やけに丁寧な字で「好きな人」と書かれている。
たかが紙切れ、されど紙切れ。
この紙は、私たちの恋のキューピッドだ。
私と先輩は並んで歩いていた。
「ええ?ずっと好きだった?」
私は困惑している。
何と、先輩は前から私のことが好きだったらしい。
ちょっと信じられない。
だってあんなに私のこと避けてたのに。冷たかったのに。
先輩は目を伏せて言った。
「すみません。傷つくのが怖かったんです」
「......」
怖かったのは私も同じだ。
最後の一歩が踏み出せなくて、結局先輩に言わせてしまった。
だから今度は、私が言わないと。
「私、香里って言います。先輩の名前も知りたい」
先輩は目を瞬かせた。
それから可笑しそうに笑う。
「私たち、お互いの名前も知らなかったんですね。私は慧です」
「慧...」
不思議な感じだ。
先輩の隣で、先輩の名前を呼んでいるなんて。
くすぐったくて、嬉しい。
「ねえ先輩、手を繋いでもいいですか?」
「勿論。でも、せっかく名前を教えたのに......呼んでくれないんですか?」
「...慧、手を繋いでもいい?」
言い直したものの、何だか恥ずかしい。
手を繋ぐために、握っていたものをポケットに入れる。
小さな紙切れ。やけに丁寧な字で「好きな人」と書かれている。
たかが紙切れ、されど紙切れ。
この紙は、私たちの恋のキューピッドだ。