獣人専用高校で人間だけど恋愛します
それから、先輩と帰ることが多くなっていった。
図書館で勉強をしたり、そのお礼だと言って出かけたり。
きっかけは、ない。
いつの間にか先輩の事ばかり考えるようになった。
「先輩、代表委員会だったんですね」
「意外でしたか?」
「いえ、全然。ぴったりです」
「もうすぐ体育会でしょう?代表委員会が、応援団をするんですよ」
「そうなんですね!頑張ってください」
「......今、下級生も募集しているというか、ごにょごにょ...」
?聞こえなかった。でも聞き返すのもなあ...
私は曖昧に微笑んだ。
先輩も困ったように微笑み返した。
「...さん、有原さん!」
「うぇ!?あっ、はい!」
しまった。ぼーっとしてた。
何の話だったっけ?
「ちょっと、聞いてなかったの?うちのクラスの代表委員が他のところの手伝いに行かないといけないから、有原さんが代理をしてくれない?」
代表委員...?どこかで聞いたような。
そうだ、先輩!
もしかしたら会えるかもしれない!
「や、やります!」
「本当?よかった、よろしくね」
「はい!」
放課後、張り切って指定された教室に向かう。
20人くらいの人が、それぞれ忙しそうに歩き回っていた。
先輩、先輩...あ、いた!
先輩は何か名簿のようなものにメモをしている。
私に気付いていないようだし、無理に話しかけるのはやめよう。
そう思って、私も作業に取りかかった。
呼び出されて、時間通りに裏庭に着く。
そこには同じ学年であろう男の子が立っていた。
顔は真っ赤だ。
久しぶりだな、告白されるの。
私は丁重にお断りした。
それが礼儀だよね。
「ごめんなさい、付き合うことは...できません。好きな人がいるんです」
「そうですか、ありがとうございます......」
礼を言うのはこっちだ。
自分の気持ちを相手に伝えるのは、すごく勇気のいることだよね。
走り去っていった背中を見つめる。
ああ、きっと私もフラれるんだろうな。
先輩に異性として見られていないもの。
そう考えると何だか気持ちが暗くなってきて、うつむいて家に帰った。
代表委員会の手伝いは、週に三回ほど。
先輩は私がいることに気付いているのかいないのか、どちらにせよ、先輩から話しかけられることはなかった。
私も忙しそうな先輩に声をかけるのは気が引けて、結局諦めた。
時折視線を先輩に向ける。
先輩と、女の人が同じ紙を覗きこんでいた。
肩が触れあっている。顔も、...近い。
少しだけ胸が痛んだ。
いいな、と思ってしまう。
ダメダメ、先輩は仕事してるんだもん。
そういえば、私は先輩のこと何も知らない。
そのことに気付いて1人落ち込む。
私が知っていることといえば、三年生で、先輩で、バスケットボール部で、頭がよくて、代表委員会で、......。
............名前、知らない。
いや、ショックを受けてる場合じゃない。
今日だ。今日の放課後、聞いてみよう。
図書館で勉強をしたり、そのお礼だと言って出かけたり。
きっかけは、ない。
いつの間にか先輩の事ばかり考えるようになった。
「先輩、代表委員会だったんですね」
「意外でしたか?」
「いえ、全然。ぴったりです」
「もうすぐ体育会でしょう?代表委員会が、応援団をするんですよ」
「そうなんですね!頑張ってください」
「......今、下級生も募集しているというか、ごにょごにょ...」
?聞こえなかった。でも聞き返すのもなあ...
私は曖昧に微笑んだ。
先輩も困ったように微笑み返した。
「...さん、有原さん!」
「うぇ!?あっ、はい!」
しまった。ぼーっとしてた。
何の話だったっけ?
「ちょっと、聞いてなかったの?うちのクラスの代表委員が他のところの手伝いに行かないといけないから、有原さんが代理をしてくれない?」
代表委員...?どこかで聞いたような。
そうだ、先輩!
もしかしたら会えるかもしれない!
「や、やります!」
「本当?よかった、よろしくね」
「はい!」
放課後、張り切って指定された教室に向かう。
20人くらいの人が、それぞれ忙しそうに歩き回っていた。
先輩、先輩...あ、いた!
先輩は何か名簿のようなものにメモをしている。
私に気付いていないようだし、無理に話しかけるのはやめよう。
そう思って、私も作業に取りかかった。
呼び出されて、時間通りに裏庭に着く。
そこには同じ学年であろう男の子が立っていた。
顔は真っ赤だ。
久しぶりだな、告白されるの。
私は丁重にお断りした。
それが礼儀だよね。
「ごめんなさい、付き合うことは...できません。好きな人がいるんです」
「そうですか、ありがとうございます......」
礼を言うのはこっちだ。
自分の気持ちを相手に伝えるのは、すごく勇気のいることだよね。
走り去っていった背中を見つめる。
ああ、きっと私もフラれるんだろうな。
先輩に異性として見られていないもの。
そう考えると何だか気持ちが暗くなってきて、うつむいて家に帰った。
代表委員会の手伝いは、週に三回ほど。
先輩は私がいることに気付いているのかいないのか、どちらにせよ、先輩から話しかけられることはなかった。
私も忙しそうな先輩に声をかけるのは気が引けて、結局諦めた。
時折視線を先輩に向ける。
先輩と、女の人が同じ紙を覗きこんでいた。
肩が触れあっている。顔も、...近い。
少しだけ胸が痛んだ。
いいな、と思ってしまう。
ダメダメ、先輩は仕事してるんだもん。
そういえば、私は先輩のこと何も知らない。
そのことに気付いて1人落ち込む。
私が知っていることといえば、三年生で、先輩で、バスケットボール部で、頭がよくて、代表委員会で、......。
............名前、知らない。
いや、ショックを受けてる場合じゃない。
今日だ。今日の放課後、聞いてみよう。