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獣人専用高校で人間だけど恋愛します

#64

先輩

慧と付き合い始めて1年とちょっと。
出会ったのは2年前だった。

中学二年生になった。
私にはこれといって仲のいい友達はいなかったが、ぼっちだったというわけでもない。
帰り道、一人だった私は、前方に人を見つけた。
紫の髪で、制服は私の中学校と同じものだ。
思いきって話しかけてみる。

「こ、こんにちは」
「...こんにちは」
「風谷中学校、ですよね?」
「.........そうですけど」
「何年生ですか?」
「3年です」

先輩かあ。
それにしても何を話そう。

「先輩、部活は何部なんですか?」
「バスケットボール部ですけど...聞いて何になるんです?」
「いや...あはは」

話しかけないほうがよかったかも。
私はめげずに何度か話しかけたが、いい反応は得られなかった。


それから私は、帰り道に紫の髪を見つけると走り寄るようになった。
そっけない彼の態度が、何故か私の闘争心に火をつけたからだ。

「先輩って、頭いいんですか?」
「まあ、それなりに」

嘘だぁ。その見た目で頭悪かったら笑っちゃうよ。
っていうのは冗談で、普通に勉強を教えてほしい。

「勉強教えてくれたりしません?」
「......」
「お願いですって!すっごくピンチなんです!」
「......いつですか?」
「いつでも!」

やった。
無事に約束をとりつけることができて、浮かれている自分がいる。
...何でだろ?

先輩は、やっぱり頭がよかった。
すごく説明が丁寧で分かりやすい。
テストが返された日の放課後、先輩を見つけて、私は慌てて走った。

「先輩!!!」
「あんまり走ると、転びますよ」
「それよりも!見てくださいよ、これ!」

私が差し出したのは、握りしめすぎて端がすこし折れた答案用紙。
そこには、92点と印されていた。

「よかったですね」
「はい!先輩のおかげです!」
「......そんなこと」
「お礼させてください!」
「......いや、ちょっと...」

私はがばっと、先輩の手をとった。
もう分かった。この人は、押しに弱い。

「お·れ·い、させてください」
「.........仕方ないですね」

..........................................................................................................................................

やばい、遅刻だ。
約束の場所に急いで向かう。

「ごめんなさい、遅れました」
「さっき来たところです」
「先輩でもそんなこと言えるんですね」
「.........」

「先輩は甘いもの好きですか?」
「好きな方だと思います」
「じゃあクレープ食べましょう!」
「クレープ?」
「もしかして、知りません?」
「......知りません」
「えっ!じゃあ私が教えてあげますよ、行きましょう!」

私はぐいぐいと先輩を引っ張って、キッチンカーを探した。

「ふふっ」

両手でイチゴのクレープを持っている姿は、何だか可愛い。
笑ってしまったせいで、先輩は不機嫌そうにしている。

「ごめんなさい、ほら、写真撮りましょう?」

腕を伸ばしてスマホを構える。
先輩もちゃんとピースをした。

「はい、チーズ!」

カシャリ、と小さな音がした。
一枚しか撮れなかったけれど、その一枚が輝いて見える。

「先輩、ライン交換してください」
「!...い、いいですよ」

無事に先輩のラインゲットした...!
ルンルンで家に帰って、今日の写真を待ち受けにしておいた。

作者メッセージ

香里のことは何にも考えてませんでした...あはは。
フツーに恋する中学生でいこうかな、と。

好きな人とクラスが離れてしまってショックです。

2025/04/30 19:57

まっちゃん ID:≫ 7tcdpCk/fMi.Q
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