獣人専用高校で人間だけど恋愛します
あんまり詳しいことは覚えていない。
いつも通り、空き教室でひっそりとボールを眺めていたら、ドアが開いた。
抵抗したが、4人相手には勝てない。
手を縛られ、必死でボールを守る。
これだけが俺の生き甲斐だ。
殴られ、蹴られ、罵倒された。
俺がボールを渡さないのを楽しんでいるようだった。
もう意識を手放してしまおうか。
「大和!!」
俺を呼ぶ声がして、ガタガタと扉が動いた。
数秒経って窓が割れる。
近づいてきた匠は、獣化していた。
匠が男に椅子で殴られる。
いくらなんでもやりすぎだ。しかも無関係な匠に。
俺のせいで。
ボールは渡す、だから離してくれ。
そう言うと逆上された。
生意気、か。懐かしいな。
父の言うことは本当だった。
俺はやっぱり人を不幸にさせるんだ。
カッターナイフが匠の首をかする。
狙ったのか、それともまぐれか。
怖くて怖くて仕方がなかった。
自分がされたときはそんなことなかったのに。
男たちは去っていった。
匠はゆっくり俺の話を聞いてくれた。
それから一番欲しかった言葉をくれた。
「よく頑張ったな」
泣いて、泣いて、泣いた。
頭がガンガンするけど、なんだかスッキリした。
匠は絆創膏を貼ってくれた。シワが寄っている。へたくそだ。
「...大和、無理はしないでくれ」
「うん」
「分かってないだろ!俺が助けてやるから、だから...」
分かってるよ。匠は優しいから、心配してくれる。
でもいつか離れ離れになったとき、そのとき、俺はどうやって生きていけばいい?
一度手に入れたものを手放したくない。手放せない。
それなら最初から手にしなければいいんだ。
「匠、気持ちは嬉しいけど...もう、俺、匠と一緒にはいられない」
「な...」
「ごめん」
そっちこそ、分かってない。
なんでかなんて、聞くなよ。
なぜか匠に押し倒された。
ドキドキする。
「好きになっちまえよ」
「えっ」
「俺はお前のことが好きだ」
唇に何かが触れた。
それがキスだ、と気づくまでにだいぶ時間がかかった。
聞いた話と違う。
お互い唇は乾燥しているし、触れていたのは一瞬だった。
だけど、だけど。
ものすごく嬉しい。
好きだよ、匠。
いつも通り、空き教室でひっそりとボールを眺めていたら、ドアが開いた。
抵抗したが、4人相手には勝てない。
手を縛られ、必死でボールを守る。
これだけが俺の生き甲斐だ。
殴られ、蹴られ、罵倒された。
俺がボールを渡さないのを楽しんでいるようだった。
もう意識を手放してしまおうか。
「大和!!」
俺を呼ぶ声がして、ガタガタと扉が動いた。
数秒経って窓が割れる。
近づいてきた匠は、獣化していた。
匠が男に椅子で殴られる。
いくらなんでもやりすぎだ。しかも無関係な匠に。
俺のせいで。
ボールは渡す、だから離してくれ。
そう言うと逆上された。
生意気、か。懐かしいな。
父の言うことは本当だった。
俺はやっぱり人を不幸にさせるんだ。
カッターナイフが匠の首をかする。
狙ったのか、それともまぐれか。
怖くて怖くて仕方がなかった。
自分がされたときはそんなことなかったのに。
男たちは去っていった。
匠はゆっくり俺の話を聞いてくれた。
それから一番欲しかった言葉をくれた。
「よく頑張ったな」
泣いて、泣いて、泣いた。
頭がガンガンするけど、なんだかスッキリした。
匠は絆創膏を貼ってくれた。シワが寄っている。へたくそだ。
「...大和、無理はしないでくれ」
「うん」
「分かってないだろ!俺が助けてやるから、だから...」
分かってるよ。匠は優しいから、心配してくれる。
でもいつか離れ離れになったとき、そのとき、俺はどうやって生きていけばいい?
一度手に入れたものを手放したくない。手放せない。
それなら最初から手にしなければいいんだ。
「匠、気持ちは嬉しいけど...もう、俺、匠と一緒にはいられない」
「な...」
「ごめん」
そっちこそ、分かってない。
なんでかなんて、聞くなよ。
なぜか匠に押し倒された。
ドキドキする。
「好きになっちまえよ」
「えっ」
「俺はお前のことが好きだ」
唇に何かが触れた。
それがキスだ、と気づくまでにだいぶ時間がかかった。
聞いた話と違う。
お互い唇は乾燥しているし、触れていたのは一瞬だった。
だけど、だけど。
ものすごく嬉しい。
好きだよ、匠。