獣人専用高校で人間だけど恋愛します
俺はサッカーが好きだ。
それしか取り柄がない。
両親は俺に興味がなかった。
嫌われているという訳でもないが、とにかく興味を持たれなかったのだ。
父が使っていたサッカーボール。
もう使わないからと捨てるところだったのを貰った。
その時の父の言葉は「勝手にしろ」の一言だったけど、それさえもが嬉しかった。
普段は声を聞くことなんてなかったから。
ひたすら練習した。
いつか、両親に目を向けてもらえるように。
...その日はまだ来ないが。
変なことを考えてしまって、ため息をついた。
ボールが転がっていって、リフティングが途切れる。
誰かがボールを拾った。
「ありがとう」
「いや。それより少し休んだらどうなんだ?汗だくじゃないか」
「...そうだね。そうする」
それから色々話した。
ふと、男...匠と言うらしい...が言った。
「...サッカーが好きなんだな」
そうだよ、サッカーが好きだ。
サッカーしか好きになれないと思っていたのに、恋をした。
俺は失恋した。
歩美ちゃんが幸せならいいけど、やっぱり辛いものは辛い。
俺に話しかけて、ちゃんとこっちを向いて笑ってくれる歩美ちゃんが大好きだった。
いや、大好きだ。
可愛くて、明るくて、優しくて、おっちょこちょいで。
何とか匠に返事をする。
「うん」
何故か匠は言葉につまったようだった。
俺を凝視してくる。
え?俺泣いてる?
よく分からないまま、その日は終わった。
それしか取り柄がない。
両親は俺に興味がなかった。
嫌われているという訳でもないが、とにかく興味を持たれなかったのだ。
父が使っていたサッカーボール。
もう使わないからと捨てるところだったのを貰った。
その時の父の言葉は「勝手にしろ」の一言だったけど、それさえもが嬉しかった。
普段は声を聞くことなんてなかったから。
ひたすら練習した。
いつか、両親に目を向けてもらえるように。
...その日はまだ来ないが。
変なことを考えてしまって、ため息をついた。
ボールが転がっていって、リフティングが途切れる。
誰かがボールを拾った。
「ありがとう」
「いや。それより少し休んだらどうなんだ?汗だくじゃないか」
「...そうだね。そうする」
それから色々話した。
ふと、男...匠と言うらしい...が言った。
「...サッカーが好きなんだな」
そうだよ、サッカーが好きだ。
サッカーしか好きになれないと思っていたのに、恋をした。
俺は失恋した。
歩美ちゃんが幸せならいいけど、やっぱり辛いものは辛い。
俺に話しかけて、ちゃんとこっちを向いて笑ってくれる歩美ちゃんが大好きだった。
いや、大好きだ。
可愛くて、明るくて、優しくて、おっちょこちょいで。
何とか匠に返事をする。
「うん」
何故か匠は言葉につまったようだった。
俺を凝視してくる。
え?俺泣いてる?
よく分からないまま、その日は終わった。