獣人専用高校で人間だけど恋愛します
俺たちはそれから後、話すことも目を合わせることもなかった。
でも俺は見てしまった。
離れた校舎の空き教室で、大和がボールを磨いているのを。
俺にはそれ以上踏み込む勇気がなくて、しばらく突っ立ったままだった。
もどかしい。
大和はまだサッカーが好きだ。
どうにかしてやりたい。
何故サッカーを辞めたのか、それが知りたい。
俺は藁にもすがる思いで、暇さえあればその教室を覗いた。
と言っても、大和がいることはほとんどないが。
ある日、教室へ向かうと、ガタガタという音が聞こえた。
嫌な予感がして、急いで窓を除きこむ。
「大和!!」
大和が座り込んで、4人の生徒に囲まれていた。
慌てて窓を開けようとするが、鍵がかかっていて開かない。
ドアの前にも物が置かれていて、気持ちが焦る。
なりふり構っていられない。
俺は精一杯の力で窓を蹴る。
駄目だ。
体が熱い。ああ、獣化したな。
もう一度窓を蹴った。
身体能力が上がったからか、簡単に割れた。
大和と周りの奴らがこっちを見た。
大和は傷と痣だらけで、あろうことか机の足に腕が縛られていた。
いつも磨いていたボールは大和の膝の下に抱えられていた。
リーダーっぽい男が不機嫌そうに言った。
「何だぁ?コイツも年上か?」
俺はそれを無視して大和の元に駆け寄る。
「大和?大丈夫か、今助けてやるから」
「匠...逃げてくれ、俺は慣れてるから」
「馬鹿!何で俺に言わなかった...」
と、そこで、背中に激痛が走る。
振り向くと、子分①が椅子を手にニヤついていた。
まさか椅子で殴られた?どおりで痛いわけだ。
大和が悲痛な叫び声を上げた。
「や...やめてくれ!匠に手を出すな!」
「大和...」
リーダーの顔が歪む。
「はん、俺はそういう友情ごっこが一番嫌いなんだよ!」
子分②が小馬鹿にしたように言った。
「じゃあそのボールを渡す気になったのか?」
「ああ、渡す。だから匠に関わらないでくれ」
大和は躊躇うことなく言う。
リーダーは顔を真っ赤にしてキレた。
「うるせぇ!生意気なんだよ!」
何かを取り出したかと思えば、カッターナイフ。
これほどまでとは思わなかった。
ゾッとするが、あれこれしている暇はない。
俺が避ければ縛られている大和が傷つく。
俺は大和を庇うように前に出た。
カッターナイフは途中で角度が変わり、俺の首をかすった。
大和は無事だったようだが、顔色が悪い。
早く縄を解いてやらないと。
後ろにまわると大和が傷つけられるから、俺は大和の前から背中に手を回して縄を解こうとする。
意外と固いな...
背中を何度も蹴られるが、気にしない。
「匠!やめてくれ、逃げてくれ...」
大和の悲痛な声が辛い。
やっと縄が解けると、俺は奴らを睨み付けた。
本当は殴ってやりたいが、手を出したら負けだ。
「おい...後で覚悟しとけよ」
奴らは慌てて逃げて行った。
ふん。
後ろを見ると、大和が呆然としていた。
俺は苦笑した。
「遅くなってごめんな」
でも俺は見てしまった。
離れた校舎の空き教室で、大和がボールを磨いているのを。
俺にはそれ以上踏み込む勇気がなくて、しばらく突っ立ったままだった。
もどかしい。
大和はまだサッカーが好きだ。
どうにかしてやりたい。
何故サッカーを辞めたのか、それが知りたい。
俺は藁にもすがる思いで、暇さえあればその教室を覗いた。
と言っても、大和がいることはほとんどないが。
ある日、教室へ向かうと、ガタガタという音が聞こえた。
嫌な予感がして、急いで窓を除きこむ。
「大和!!」
大和が座り込んで、4人の生徒に囲まれていた。
慌てて窓を開けようとするが、鍵がかかっていて開かない。
ドアの前にも物が置かれていて、気持ちが焦る。
なりふり構っていられない。
俺は精一杯の力で窓を蹴る。
駄目だ。
体が熱い。ああ、獣化したな。
もう一度窓を蹴った。
身体能力が上がったからか、簡単に割れた。
大和と周りの奴らがこっちを見た。
大和は傷と痣だらけで、あろうことか机の足に腕が縛られていた。
いつも磨いていたボールは大和の膝の下に抱えられていた。
リーダーっぽい男が不機嫌そうに言った。
「何だぁ?コイツも年上か?」
俺はそれを無視して大和の元に駆け寄る。
「大和?大丈夫か、今助けてやるから」
「匠...逃げてくれ、俺は慣れてるから」
「馬鹿!何で俺に言わなかった...」
と、そこで、背中に激痛が走る。
振り向くと、子分①が椅子を手にニヤついていた。
まさか椅子で殴られた?どおりで痛いわけだ。
大和が悲痛な叫び声を上げた。
「や...やめてくれ!匠に手を出すな!」
「大和...」
リーダーの顔が歪む。
「はん、俺はそういう友情ごっこが一番嫌いなんだよ!」
子分②が小馬鹿にしたように言った。
「じゃあそのボールを渡す気になったのか?」
「ああ、渡す。だから匠に関わらないでくれ」
大和は躊躇うことなく言う。
リーダーは顔を真っ赤にしてキレた。
「うるせぇ!生意気なんだよ!」
何かを取り出したかと思えば、カッターナイフ。
これほどまでとは思わなかった。
ゾッとするが、あれこれしている暇はない。
俺が避ければ縛られている大和が傷つく。
俺は大和を庇うように前に出た。
カッターナイフは途中で角度が変わり、俺の首をかすった。
大和は無事だったようだが、顔色が悪い。
早く縄を解いてやらないと。
後ろにまわると大和が傷つけられるから、俺は大和の前から背中に手を回して縄を解こうとする。
意外と固いな...
背中を何度も蹴られるが、気にしない。
「匠!やめてくれ、逃げてくれ...」
大和の悲痛な声が辛い。
やっと縄が解けると、俺は奴らを睨み付けた。
本当は殴ってやりたいが、手を出したら負けだ。
「おい...後で覚悟しとけよ」
奴らは慌てて逃げて行った。
ふん。
後ろを見ると、大和が呆然としていた。
俺は苦笑した。
「遅くなってごめんな」