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獣人専用高校で人間だけど恋愛します

#58

何故?

それから、俺は夜に裏庭に向かうのが毎日の習慣になった。
毎日30分だけ、色々話す。
内容は本当にくだらなくて、理科の先生の話が長かったとか、香里に嫌味を言われたとか。
話すのは俺だけで、大和は俺の話を聞きながらリフティングをする。
相槌は返ってこないけど、代わりにリフティングの乾いた音が返ってくる。
学校ではお互いに話すことはない。
何だか変な関係だが、俺はこの時間が好きだった。

ある夜、大和が話しかけてきた。
顔はうつむいたままで、表情が見えない。

「ねえ、匠」
「...何だ?」
「俺さ、もう、ここで練習すんの止める」

驚いた。どうして急に?
引き留めたかったけど、声が出なかった。

大和は悲しそうに笑った。
どこかで見た顔だな、と思ったが、初めて会った日か、と気づく。
でもあの日よりも悲しそうだった。無理して笑顔を作っていた。

そのまま去っていく大和を、俺は呆然と見つめていた。


それから、俺と大和が話すことはなくなった。
何も出来ずにモヤモヤが残って、それが離れなかった。
俺はこっそりサッカー部のところへ向かうことにした。
同学年の奴に聞いてみる。

「大和?ああ、やめたよ、部活」
「...いつ?」
「ちょうど昨日だけど」

自分を呪った。もうあと一日早く来ていたら。
礼を言って、俺は大和を探した。
校内を駆け回る。俺は不審者扱いをされたかもしれない。

廊下を歩いている大和を見つけた。
俺は大和の腕を掴んで、歩き出す。
隣には友達がいたようだが、俺には見えていなかった。
端のほうに引きずり込んで、単刀直入に問う。

「何で部活を...サッカーを止めた」

大和は驚きはしていたが、俺がいつかは来ると思っていたのか、冷静に答えた。

「言わない」

頭に血が上った。
何でそんなこと言うんだ。

「馬鹿!!何でだよ!!」

思っていたらよりも大きな声が出て、自分でもちょっとビビる。
ぽろぽろと涙が溢れた。
俺、泣いてんの?何故?
久しぶりに泣いたな。いつぶりだっけ。

泣いている俺に気づいた大和が戸惑っている。
カッコ悪くて、ダサくて。
恥ずかしくてしかたなくて、俺は大和の腕を離した。

「もう、夜、10時じゃないと寝れなくなった」
「え...」
「お前のせいだよ」

言いたいことだけ言って、逃げた。
最低だ。

自分が嫌になって、そのまま布団に潜り込んだ。

作者メッセージ

匠編は割とすぐ終わりそう?

2025/03/30 07:45

まっちゃん ID:≫ 7tcdpCk/fMi.Q
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