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獣人専用高校で人間だけど恋愛します

#54

君の気持ち

歩美が重そうに段ボール箱を運んでいるのが見えた。
手伝ってやろう。

「何してるんだ」

いつもなら振り向いてにこにこ笑うくせに、今日は俺の方を見向きもせずに去ろうとする。
何だ?何かあったか?

「歩美?おい、歩美」

なんとなく逃げられている気がして、ちょっとムカつく。
なるべく大股で数歩歩くと、すぐに追い付いた。

「調子が悪いのか?」

ここまで話しかけても返事がない。
まさか本当に体調が悪いのか。
そう思って歩美を抱き上げ、保健室に向かおうとしたときだった。
歩美の綺麗な目から大きな涙の粒が流れた。
一瞬心臓が止まった。
意識が戻ったと思えば、歩美に突き飛ばされる。
普段はそんなことされたって何ともないが、今日はふらついて、その上尻もちまでついてしまった。
呆然として歩美が去った廊下を見つめる。
拒絶された。泣くほど嫌だったのか?
胸が締め付けられて、苦しくてしょうがない。
逃げ場のないどうしようもない感情を吐き出すように、俺は床を殴った。

「くそ...くそっ」



時間がたつと気まずくなるのは分かっていたから、次の日に一生懸命歩美に話しかけた。
歩美は俺と目線を合わせようとしない。
何故なんだ。せめて理由だけでも教えてくれ。
昨日まで...いや、一昨日まで普通だったじゃないか。

お昼休みになって、歩美が俺から逃げようとするだろうなとは思っていた。
だからチャイムが鳴る少し前から歩美に視線を向けておく。
歩美は教室を出て、屋上に向かったようだった。
意外と歩くのが速くて見失うところだった。

少し時間を開けて、俺は深呼吸をしてから扉を開けた。
歩美と目が合う。

怖い。また拒絶されるのが。
俺には歩美しかいないから。

「お、俺、歩美に何かしたのか?」

自分でも驚くくらい情けない声が出た。
少し震えている。
歩美は泣きそうな顔になった。

「私、何かおかしいっていうか、隼人のことを見たらドキドキするし、他の人と仲良さそうに腕組んでるのを見たりしたらショックだった」

それって...
鳥肌が身体中を駆け巡った。
うつむいた歩美の耳は真っ赤だ。
まさか。

「だから、私、隼人の事が...!」

思わず歩美の赤い唇をふさいだ。
柔らかい。
歩美の頬を両手で包み込んだ。
小さいからすっぽり収まる。

「嬉しい。俺も好きだ」
「...まだ何も言ってない」
「今から言ってくれるのか?」

夢でも見ているようだ。
いや、これは現実なんだ。
歩美の目が俺を見据えた。

「好きだよ、隼人」

作者メッセージ

隼人ぉ...よかったなあ。しみじみ。
歩美編より少ない話数で終わりそう。

2025/03/21 00:00

まっちゃん ID:≫ 7tcdpCk/fMi.Q
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