早いもので、もう季節は5月に入ろうとしている。
今日は体育祭の競技練習の日。
私はリレーに出る。無難な4走目。
走るのはあんまり得意じゃない。
メンバーは私、香里、鈴ちゃん、匠、隼人、大和君の6人。
大丈夫かな...

1走目は匠で、香里→大和君→私→鈴ちゃん→隼人。
でも思ってたより悪くなくて、ちょっと期待している。
もしかしたら優勝狙えるんじゃない？

うちの学校の体育祭ではご飯の後にフォークダンスがある。
踊れないから焦ってたけど、そんなにきっちりしたのじゃないらしい。
よかったー
香里に踊ろうって誘ったら、慧さんと踊るからごめんって言われた。
どうしよう...まさかぼっち？

って言う話を大和君にしたら、一緒に踊ろうって言ってくれた。
ぼっち回避。セーフ。
でも何か言わせたみたいになっちゃったかも..
でも1年生からフォークダンス一人で踊る勇気は私にはないから...ごめんね。

数日後に、珍しく向こうから匠が話しかけてきた。

「お前、フォークダンスの相手決まったのか？
　まさか決まってないとか？ぼっちじゃないといいなぁ?」

まさかそんなことを言うためだけに話しかけてきたの？
ムッとして言い返してやった。

「残念でした、私とは大和君が踊ってくれるって！
　そっちこそ寂しくて泣いちゃわないように頑張れば？」

匠がびっくりしたような顔でこちらを見つめてくる。
何、私がぼっちじゃないって知ってびっくりしたの？
心外なんですけど。
それかちょっと言い過ぎた？
そう思っていると、匠は慌てて走り去っていった。
何だったんだ...