次の日、なんだか目がさえて早起きしてしまったわたしは、散歩をしていた。
校舎の影に何かがいる。猫だ。昨日飛び出してきた猫。
くそー、お前のせいで転んだんだぞ。
そう思いながら猫を撫でていると、人影が見えた。

「大和君？」

思わず名前を呼んでしまった。
大和君は私を見て、驚いたようにこっちに向かって歩いてきた。

「どうしたの、こんなところで」
「見て、この猫。昨日私とぶつかった猫ちゃん。」
「あぁ、この猫が...迷いこんだのかな」
「分からないけど...」

そう言いながら、大和君は猫ちゃんに挨拶をしている。
一緒に首をかしげる姿がとてつもなく可愛い。
マンガでヤンキーが猫を可愛がるシーンあったな...
ギャップはないかもしれないけど、これはこれでいい。
にこにこしながら見つめていると、チャイムが鳴った。
やばい、もう!?
2人で慌てて教室に向かったけど、途中で道を間違え、結局遅刻した。
入学して2週間くらい経ったはずなんだけど...おかしいな。