【質問コーナー開催、コメントしてね】真実、誠実の優等生
不思議と、息ができる。
どうしてだか、やる気が出る。
泡は私の昔を見せてくる。
レイル「ああ、懐かしいな…」
身体は水の抵抗で重く、くたびれて動けない。
そのまま私は暗い暗い底まで墜ちていく。
たまらず、目を瞑った。
[水平線]
「[小文字]お姉ちゃん、お姉ちゃん![/小文字]」
「[小文字]____、タオル貸せ。…酷い、ずぶ濡れだな[/小文字]」
ん…?
聞き覚えが、ある声がする…
「レイル先輩!起きてください!」
レイル「…っ…あ、れ…?」
目が覚めると、そこには目に涙を浮かべながら心配そうにこちらを見る黄夏ちゃん、そして…
シエル「お姉ちゃん!起きたんだね、よかった!」
レイル「っ、嫌っ!!」
シエル「え…?」
さっきまで私を散々に蔑んだ、妹の姿があった。
レイル「…っ」
シエル「お姉ちゃん…どうしたの?」
レイル「あんたが、あんたが私をこんなにしたんでしょう!?ふざけないで、何よその…」
ソプラノ「まあ落ち着け。」
レイル「…っ」
ソプラノ「まずレイル君、状況を話してもらえるかな?…もしかしたら前の私やアルトのように、
面識のある人を介した精神攻撃を喰らった場合がある。落ち着いて、大丈夫だ」
ソプラノさん…
レイル「……さっき、私がひとりになったとき…
皆と合流しなきゃと思って歩いてたら広間に出て。
そこの…水場のところに…シエルが立ってたの。」
シエル「あたし?!そんなわけっ」
レイル「…その、シエルにね。『こっちに来てよ』って言われたの。
…嫌だ、って言ったら…」
____[太字]…だから来いっつってんだろ、このゴミ姉がよ!!![/太字]
レイル「…シエルが突然、すごい剣幕で罵りながら…私の腕を引っ張って、水場に落としたの。」
神威「えっ…」
シエル「えええっ、そんな酷いこと、あたしがするわけないでしょ!」
レイル「…そうね、ごめんなさい。確かに冷静になったらおかしかった。
あんなこと、シエルがするわけないものね。」
シエル「うん…あたしも、そんな酷いことになってたの知らなくて…
何も気遣えなくてごめん」
ソプラノ「…両者、納得したかな?」
レイル「うん。ありがとう、ソプラノさん」
シエル「ありがとうございます」
アルト「…[小文字]お前ほんとオレ以外の人間居る時だけいい大人になるよな[/小文字]」
ソプラノ「どういたしまして。アルト君は黙ろうか」
すごいな、やっぱり。
私より年下なのに、私より気を使えるんだもの…
妹を疑った私とは全く違うわ。
黄夏「わたしたちも、レイル先輩を探しながらここまで歩いてきたら、
この部屋のど真ん中に倒れててそりゃあもう慌てて!」
レイル「うふふ、心配してくれてほんとにありがとう。」
シエル「びっくりしたよ!…でも無事でよかった!」
シエル「クエスト・セクステット、全員集合!!」
レイル「…それ、名付け親の私のセリフでしょ?」
シエル「え?…ごめん」
神威「あはは…元気でよかった。いつも通りですね」
やっぱり私の妹は、いつも私を救ってくれる。
………自慢の妹だわ。
[水平線]
レイル「…ここ」
あれからさらに歩いて、着いた先はさっきの広間。
…そう、私がシエル…のようなものに、落とされた場所。
黄夏「キレイな噴水…」
神威「ほんとですね、水も綺麗」
レイル「この中はすっごく深いから、落ちないように気を付けてね」
シエル「あ…そっか。ここか、あたしもどきがお姉ちゃんを落としたとこ」
そして、その先の通路を進むと…
黄夏「う…」
そこら中に斧が転がっている。ガレキの山もあり、ボロボロだ。
すると。
ゴゴゴ…
神威「っ…入ってきたところが塞がった!?」
アルト「は?!」
ソプラノ「これは…」
…ガレキの山が、動きだして…
シエル「…な、なんだこれーっ!?」
両手に斧を構えたゴーレムのような、怪物になった。