数日後──
私は早めに来た。
自分の椅子に座り、「大丈夫かな……」と頬杖をつきながら言う。
すると、ドアが勢いよく開き、「こんにちはっ！」と元気よく岩口さんが言った。
「こんにちは！」と私もつられて元気よく言った。

しーんと部室が静まりかえった時、「結果は……？」と笑みも浮かべない、真剣な表情で言った。
「あ、あの……」
ふぅ、と吐き、
「家に帰ってから思ったんです。先輩の意見が正しいと。」
「そっか。」
「先輩、あの時強く言ってごめんなさい。」
岩口さんは深く頭を下げて言った。
「大丈夫。」と私はにこりと笑った。

あれ？何か忘れている感じが……？

「あっ！」
思い出した。
「何ですか？」
「あのね！2次元研究部、ついに顧問が決まったよ！」
「えっ⁈」
丁度よく、ドアが開き、先生が登場する。
「福島みやび先生でーす！」
「福島みやびです。よろしくお願いします。」
「みやび先生は仕事が忙しくてたまにしか来れないけど……」
「そうなの。仕事が落ち着けばいいけど……」
「先生、大丈夫ですか？」と岩口さんが静かに言う。
「え？」先生はぽかーんとした。
「活動内容。」
活動内容がハードすぎるため、色々な先生が顧問を辞めた。
「大丈夫。この部活の活動内容は2次元に行く方法を調べ、実際にやってみることでしょ？」
「驚かないんですか……？」
「ええ。だって私もやったことあるから！」
「行けたんですか？」
「行けたけど……」
「え、行けたんですか⁈」
「夢トリだけど」
夢トリとは、夢トリップの略だ。
「すごっ！」
先生がいるから体験談も聞ける。
「行けた方法、教えて下さい！」
「あ、ごめん、仕事の続きやらないと。あとで教える！必ず！」そう先生は、言い、急いで職員室に向かっていった。

時計を見ると短い針が5を指していた。
「あ！もうこんな時間！今日はこれで終わり！」

「先生、活動終わりにします。」
「分かりました。さようなら。」
「さようなら！」



「先輩、一緒に帰りたいです。」
「うん、いいよ。」
私たちは夕日に照らされながら歩いていった。