自動ドアなのだろうか。
グレーの人と水色の人は車のドアが開くのを待っている。
「総長様、なろ屋様、そらねこ様。お乗りください。」
執事....？っぽい人がそう声をかけた。
「○○も、ほら。乗って？」
グレーの人がそう言った。........私、名前言ってたっけ...？
ありがとうございます、と私は小さく礼をし、車へ乗らせてもらった。

「おい。なろ、そら。もう話したのか？」
勝手に人の家に入ってきた黒いオーラが溢れ出てる男の人がグレーの人と水色の人に聞く。
「えー.....。もういいんじゃない...？」
「とうの本人はもう気にしてないっぽいじゃん...？」
えぇ....。話してくれないの...？
「ダメだ。話せ。.....じゃないと、この娘の買い取りを取り消すぞ....？」
「ダメダメダメ、それだけダメ。わかった話すから！」
グレーの人が必死に男の人...いや、お父さんなのかな？その人にうったえていた。
そんなに私を帰らせたくないの...？

「じゃあ、○○。話すね....？」
ふいに声をかけられて少し驚く。
はい、と返事をして真剣な眼差しをする。
「えと.......まぁ単刀直入に言うと、僕は君に一目惚れしちゃったんだ」
は.......？グレーの人が口を開いて早々、とんでもない爆弾発言をした。
「なろ屋さんの時々爆弾発言するけど気にしないで聞いてあげて」
水色の人がこそっと私に言った。.........まぁ私が見るに水色髪の人の方が爆弾発言はしそうだけど....
「まぁ....それで、○○を僕のものにしたいなー、って思って、とりあえず○○を買った...以上！」
「え、いやいや、以上で終わられても困るんですけど...」
「........まぁ、なろ屋さんの異常な程の独占欲で○○を自分のものにしたすぎてお父さんにお願いして色んな権力で○○を買ったんだよ。」
..................私、買われたの...？
それはもういいとして...権力って....なに？怖い.....
「○○........今僕のこと怖くなった....？」
思いっきりツボを当てられてびっくりする。
「え...？い、いや全然....」
「ごめんね、急かもだけど.....僕のことを好きになってくれたら嬉しいな♡」
は........？急かもだけど、のところまでは良しとして...その後どうした...？
「なろ屋さん、いつもこんな感じだけど、応えてあげてね」
水色髪さんまで....もう何言ってるのかわからない....

「総長様、なろ屋様、そらねこ様。到着いたしました。」
すると、ふわりと運転手さんが声をかけた。
「翔様とかもめ様がお待ちでございます」
翔......かもめ...？
「あれ、かいとさんとのっきさんは？」
まだいるの....？かいと.....のっき....？
「お二人はカフェに行っております。」
「あぁ2人甘党だったね。まぁいいや。人は少ないほうがいいでしょ」

もう私の頭の中は何も整理できていなくてぐちゃぐちゃだ。
でも.....まぁとりあえずは、この人たちについて行っておこう.....