二次創作
knmc推しのヴァンパイアハンター(♀)、今回の任務のタッグ相手が推しだなんて聞いてない
#1
私の名前は○○●●。
華の女子大生兼、限界金欠大学生だ。
元々実家が貧乏で、生活補助金の恩恵を受けまくって生活しているような家庭だった。
高校に奨学金を使って進学し、現在、奨学金やら生活補助金やらにお世話になりながら、なんとか大学生活を送ることができている。
日本の社会の仕組みに生かされてるようなもんなので、愛国心だけは他の誰にも負けない自信がある。
そんな私には、秘密がある。
それは、ヴァンパイアハンターとして活動していることだ。
まあ正確には、ヴァンパイアハンター協会にアルバイトで短期所属しているだけなんだけれど。
ヴァンパイアハンターという職業は現在一般的に広く知られているが、賢いヴァンパイアの中には人間に紛れているやつもいるので、迂闊に「私はヴァンパイアハンターです」と口に出してはいけない……らしい。
過去に自分がヴァンパイアハンターであることを公開して、ヴァンパイアに暗殺された例がいくつもある……らしい。
これは全て、ヴァンパイアハンター協会のアルバイト研修会で聞いたことの受け売りである。
ヴァンパイアハンター協会でアルバイトを始める時に、特別な体力テストを受けさせられるのだが、そのテストで一定以上の成績を残した人間は、アルバイトという立場でありながらヴァンパイアと直接やり合わさせられる羽目になるそうだ。
……そして、それが私だ。
だって、小さい頃から運動だけは得意なんだもん。
仕方ないよね。
なんかいきなり「体力テストやれ」って言われたら、本気出すしかないよね。
うんうん。仕方ない仕方ない。
しかも、事務作業のアルバイトより、直接やり合わさせられるアルバイトの方が2倍以上給料が良い。
これは、限界大学生の私にとって非常に美味しい話だ。
何と言ってもこの私、貧乏人の立場でありながら、最近「推し」なるものができてしまったから。
その推しの名前は、剣持刀也。最近流行りのVtuberというやつだ。
ここで彼の魅力を語り切るのは到底無理な話なので、ひとまず置いておくことにする。
近々、彼を含むVtuber十数名が出場するライブのチケット抽選会が行われる。
そう、私はそのために、お金を稼がなければいけないのだ。
ということはだよ。
今私の目の前にいるヴァンパイアには、私のライブチケット代になってもらうしかないよなあ!?
時刻は夜。私は今、一人のヴァンパイアと向かい合っていた。
「ヴ、ア゛ァァァ……!!!」
気色の悪い呻き声を上げながら、こちらに向かって走ってくる。
これ、ヴァンパイアというよりかゾンビなのでは?
まあいっか。おんなじアンデットだし……え? そういう問題じゃないって? 知らね知らね。
なんでも、同じヴァンパイアでも知能の差がかなり激しくて、コイツみたいに呻くことしかできないほぼゾンビ野郎から、人間よりIQが高い頭脳派ヴァンパイアまで様々なのだそうだ。
ヴァンパイアっておもしれー!
私は向かってくるヴァンパイアに向けて、包丁を投げた。
包丁は空中で回転しながら宙を舞い、ヴァンパイアの胸の真ん中にグサリと刺さる。
クリティカルヒットだ! やったね!
倒れたヴァンパイアの写真を撮ってメールで協会に送ると、間髪入れずに返信が返ってきた。
というか、返信早。協会の人たち、ずっとメール見てるのかな。暇人か?
『任務の完了を確認致しました。
現在、この付近でヴァンパイアが大量発生しております。
大量発生の元凶と予想される個体の位置を特定できましたので、○○さんにはこれからそちらの方に向かって頂きます。
もう一人、Aランク相当のアルバイターを派遣致しますので、そちらの方と連携をとって対象を討伐して下さい。』
Aランク相当のアルバイター?
なにそれ、珍し。
アルバイターである私のヴァンパイアハンターとしてのランクは、Bランクだ。
自分で言うのもなんだけれど、アルバイターの中ではトップクラスだと思う。
周りのBランクハンターなんて、ほぼみんな正会員の人だし。
Aランクといえば、単独で何十体ものヴァンパイアの殲滅が可能な、言っちまえば化け物レベルの方々だと噂に聞いている。
正会員の中でも、よっぽど才能がある人かよっぽどのベテランしかなれないらしい。
そんなAランクの、アルバイター?
こりゃなかなか、クレイジーな奴かもしれない。
『これから派遣するアルバイターのデータを送信します。
姓名:[漢字]剣持[/漢字][ふりがな]ケンモチ[/ふりがな] [漢字]刀也[/漢字][ふりがな]トウヤ[/ふりがな]
年齢:16歳
性別:男性
ランク:A
これはいけない。
私、なんだか幻覚が見えているようだ。
私は目を擦り擦り、もう一度スマホの画面を覗いた。
「姓名:[漢字]剣持[/漢字][ふりがな]ケンモチ[/ふりがな] [漢字]刀也[/漢字][ふりがな]トウヤ[/ふりがな]……
[太字]ヴッ。[/太字]
私は衝撃のあまり意識を失い、その場に倒れた——
[水平線]
気を取り直して。
まず考えられるのは、これが「同姓同名で年齢が同じ奴」だという可能性だ。
しかし剣持はよく配信で、自分をヴァンパイアハンターだと言っていた。
それがおふざけだと、私には思えない……
まあ、とりあえず。
これがあの剣持だろうが、剣持じゃなかろうが、私は行かくっちゃならない。
あの剣持だったとしても、私は特にファンムーブはしないでおこう。
バイト先でファンに遭遇したら、向こうも嫌だろうし。
私はそう心に決めて、歩き出した。
華の女子大生兼、限界金欠大学生だ。
元々実家が貧乏で、生活補助金の恩恵を受けまくって生活しているような家庭だった。
高校に奨学金を使って進学し、現在、奨学金やら生活補助金やらにお世話になりながら、なんとか大学生活を送ることができている。
日本の社会の仕組みに生かされてるようなもんなので、愛国心だけは他の誰にも負けない自信がある。
そんな私には、秘密がある。
それは、ヴァンパイアハンターとして活動していることだ。
まあ正確には、ヴァンパイアハンター協会にアルバイトで短期所属しているだけなんだけれど。
ヴァンパイアハンターという職業は現在一般的に広く知られているが、賢いヴァンパイアの中には人間に紛れているやつもいるので、迂闊に「私はヴァンパイアハンターです」と口に出してはいけない……らしい。
過去に自分がヴァンパイアハンターであることを公開して、ヴァンパイアに暗殺された例がいくつもある……らしい。
これは全て、ヴァンパイアハンター協会のアルバイト研修会で聞いたことの受け売りである。
ヴァンパイアハンター協会でアルバイトを始める時に、特別な体力テストを受けさせられるのだが、そのテストで一定以上の成績を残した人間は、アルバイトという立場でありながらヴァンパイアと直接やり合わさせられる羽目になるそうだ。
……そして、それが私だ。
だって、小さい頃から運動だけは得意なんだもん。
仕方ないよね。
なんかいきなり「体力テストやれ」って言われたら、本気出すしかないよね。
うんうん。仕方ない仕方ない。
しかも、事務作業のアルバイトより、直接やり合わさせられるアルバイトの方が2倍以上給料が良い。
これは、限界大学生の私にとって非常に美味しい話だ。
何と言ってもこの私、貧乏人の立場でありながら、最近「推し」なるものができてしまったから。
その推しの名前は、剣持刀也。最近流行りのVtuberというやつだ。
ここで彼の魅力を語り切るのは到底無理な話なので、ひとまず置いておくことにする。
近々、彼を含むVtuber十数名が出場するライブのチケット抽選会が行われる。
そう、私はそのために、お金を稼がなければいけないのだ。
ということはだよ。
今私の目の前にいるヴァンパイアには、私のライブチケット代になってもらうしかないよなあ!?
時刻は夜。私は今、一人のヴァンパイアと向かい合っていた。
「ヴ、ア゛ァァァ……!!!」
気色の悪い呻き声を上げながら、こちらに向かって走ってくる。
これ、ヴァンパイアというよりかゾンビなのでは?
まあいっか。おんなじアンデットだし……え? そういう問題じゃないって? 知らね知らね。
なんでも、同じヴァンパイアでも知能の差がかなり激しくて、コイツみたいに呻くことしかできないほぼゾンビ野郎から、人間よりIQが高い頭脳派ヴァンパイアまで様々なのだそうだ。
ヴァンパイアっておもしれー!
私は向かってくるヴァンパイアに向けて、包丁を投げた。
包丁は空中で回転しながら宙を舞い、ヴァンパイアの胸の真ん中にグサリと刺さる。
クリティカルヒットだ! やったね!
倒れたヴァンパイアの写真を撮ってメールで協会に送ると、間髪入れずに返信が返ってきた。
というか、返信早。協会の人たち、ずっとメール見てるのかな。暇人か?
『任務の完了を確認致しました。
現在、この付近でヴァンパイアが大量発生しております。
大量発生の元凶と予想される個体の位置を特定できましたので、○○さんにはこれからそちらの方に向かって頂きます。
もう一人、Aランク相当のアルバイターを派遣致しますので、そちらの方と連携をとって対象を討伐して下さい。』
Aランク相当のアルバイター?
なにそれ、珍し。
アルバイターである私のヴァンパイアハンターとしてのランクは、Bランクだ。
自分で言うのもなんだけれど、アルバイターの中ではトップクラスだと思う。
周りのBランクハンターなんて、ほぼみんな正会員の人だし。
Aランクといえば、単独で何十体ものヴァンパイアの殲滅が可能な、言っちまえば化け物レベルの方々だと噂に聞いている。
正会員の中でも、よっぽど才能がある人かよっぽどのベテランしかなれないらしい。
そんなAランクの、アルバイター?
こりゃなかなか、クレイジーな奴かもしれない。
『これから派遣するアルバイターのデータを送信します。
姓名:[漢字]剣持[/漢字][ふりがな]ケンモチ[/ふりがな] [漢字]刀也[/漢字][ふりがな]トウヤ[/ふりがな]
年齢:16歳
性別:男性
ランク:A
これはいけない。
私、なんだか幻覚が見えているようだ。
私は目を擦り擦り、もう一度スマホの画面を覗いた。
「姓名:[漢字]剣持[/漢字][ふりがな]ケンモチ[/ふりがな] [漢字]刀也[/漢字][ふりがな]トウヤ[/ふりがな]……
[太字]ヴッ。[/太字]
私は衝撃のあまり意識を失い、その場に倒れた——
[水平線]
気を取り直して。
まず考えられるのは、これが「同姓同名で年齢が同じ奴」だという可能性だ。
しかし剣持はよく配信で、自分をヴァンパイアハンターだと言っていた。
それがおふざけだと、私には思えない……
まあ、とりあえず。
これがあの剣持だろうが、剣持じゃなかろうが、私は行かくっちゃならない。
あの剣持だったとしても、私は特にファンムーブはしないでおこう。
バイト先でファンに遭遇したら、向こうも嫌だろうし。
私はそう心に決めて、歩き出した。
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