侑「ん...？」
起きると空は暗く、重かった。
侑「...ｯあ。」
ふと、奏良さんのことを思い出した。
侑「..謝らないと。」
なんで自分で逃げ出したのかわからない。
俺は記憶を失う前の記憶を思い出すために、奏良さんに話しかけた。
なのに、なんで自分から逃げているのだろう。
侑「....。」
少し重だるい体を起こし、ベッドから動いた。

エントランスの受付に向かうと、そこには奏良さんがいた。
俺の担当医と話しているみたいだ。
奏「彼の記憶を思い出させたくないんです。あの頃の思い出は...もう二度と思い出さないように封印させたいんです。...彼自身がそう願っていたから...。」
≪ですが...今の彼は記憶をなくす前の自分への疑問が多すぎる状態です。
奏「だから...そのままにしておきたいんです。」
≪じゃあ、彼は記憶をなくす前の自分を知らずに生きていくんですか..！？
奏「じゃないと..！！！」
≪わかってます、貴方が彼を想っているのは。大切な友人であり、大切な恋人だったんですよね...。
奏「わかるわけないじゃないか...あんたら医者ごときで俺の..僕の気持ちなんて....。」
≪....一度落ち着いてください。...一度侑生さんに会ってきては..？
奏「....そうします。...すいませんでした。」
≪大丈夫ですよ。...仕方ないんですから。

ずっと、驚きばかりだった。
俺が記憶を思い出さないように願っていた？
友人？それも恋人でもある？
侑「....。」
疑問ばかりが頭を巡る。
侑「...俺は。」
[下線]何者なんだ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿[/下線]