「、、奏良さんね～、、、」
あの日から彼がすごく気になっている。
だから、一度看護師さんに聞いてみようかな、と思っている。
「おはようございます、侑生さん。」
ナイスタイミングなことに看護師さんが来た。
「おはようございます。、、その、聞きたいことがありまして、、。」
「はい？なんですか？」
「、、前にいた奏良さん？って方って誰なんですかね、、？」
「あ～、、、その～、、」
「あの別に無理に答えなくてもいいですよ、、！」
「、、ごめんなさい、、。」
「いえいえ！！大丈夫です。」
そんな感じで会釈をしたあと、看護師さんは帰っていた。
「ほんと、あの人何なのかなぁ、、」
窓を見ると、奏良さんと思われる方が子供たちと鬼ごっこをしていた。
「、、そうだ。話しかけてみよう。」
そういって、病室を飛び出した。

「あっつ、、」
外を出ると、直射日光が体に差す。
「いた、、人見知りだけど、、勇気出すしかない、、！」
勇気を出し、奏良さんらしき人に声をかけた。
「あの、、！！」
「はい？、、って貴方でしたか。ﾆｺ」
太陽のような温かい笑顔をこちらに向けていた。
「あの、、いろいろ話したいことがありまして、、今時間ありますか？」
「あぁ～、、、今は無理ですけど、夕方の五時ごろなら暇ですよ。」
「じゃあ、五時ごろ会いましょう、、！」
「はい。屋上で待ってます。ﾆｺ」

「、、なんか見たことあるんだよなぁ、、」
あの笑顔や、あの話し方。
全部全部、まるで交流があったみたいに懐かしく思える。
「なんでかなぁ、、ま、話してみたらわかるよね。」
そうして、夕方になるまで窓を眺めながら待ち続けた。