二次創作
東方願い井戸 〜 少女と少年の繋いだ未来
博麗大結界の最深部――そこは、紫(ゆかり)色の境界の糸と神聖な魔力が交錯する、幻想郷の心臓部。
そこで今、人間の姿をした「怪物」たちと、幻想郷の最高峰たる存在たちの、苛烈なる弾幕ごっこが幕を開けようとしていた。
「面白いじゃないか、神隠しの生き残りたち! あたいがまとめて相手をしてやるよ!」
伊吹 萃香(いぶき すいか)が不敵に笑い、巨大な鬼の魔力を爆発させる。
【鬼符】『ミッシングパワー』
萃香の身体が巨大化し、一撃で山をも砕く拳が振り下ろされる。同時に、八雲 藍(やくも あい)が狐の尾を翻し、精密極まる光の弾道を空間に展開した。
【式輝】『四面楚歌の式』
だが、襲いかかる絶大なる一撃を前にしても、手を繋ぎ合う6人の生存者たちは微動だにしない。最年長のサイネリア・フォスター・上舞(かんまい)が、冷徹な瞳で桑木野 政治郎(くわきの まさじろう)の手を握り直した。
「そんな大雑把な力、私たちの前では何の意味も持たないわ」
サイネリアの周囲に、あらゆる超常の力を掻き消す「無効化」の波動が広がる。
【虚無】『スカーレット・アンチノミー』
ドォン! と凄まじい衝撃音が響くが、萃香の鬼の怪力も、藍の式神の弾幕も、サイネリアの展開した領域に触れた瞬間にただの光の塵へと還り、完全に掻き消された。
「なっ……あたいの妖気(ちから)が消された!?」
萃香が驚愕に目をみはる。その一瞬の隙を見逃さず、政治郎が叫んだ。
「理不尽に奪われた俺たちの時間を、今ここで返してもらう!」
【時符】『リバース・クロック・レクイエム』
時間が巻き戻り、無防備になった萃香と藍の背後から、サイネリアと政治郎の二人合体技が放たれる。
『エンドレス・ヴォイド・アリア』
無効化された防壁の隙間を突くように、時間を巻き戻しながら無限に追尾する苛烈な弾幕が二人を襲い、大妖怪である藍がたまらず後退した。
「藍!」
高麗野 あうん(こまの あうん)が悲鳴を上げ、神霊としての神聖な光弾を放って加勢しようとする。しかし、そこに立ちはだかったのは、勘解由小路 絵芽奈琉土(かでのこうじ えめなるど)と今給黎 洋次(いまきいれ ひろつぐ)のペアだった。
「神様の力? 丁度いい、僕がそれをそっくりそのまま再現してあげるよ」
最年少の洋次が不気味に微笑み、あうんの神力をその身に完全に写し取った。
【模倣】『ミラーズ・イレギュラー』
「そして、その物語の結末は私が書き換えます。絶対に、外さない」
絵芽奈琉土がノートに鋭くペンを走らせる。
【筆符】『アヴェンジャー・インク・バレット』
二人の合体技『ラスト・クロニクル・レプリカ』が発動し、あうん自身の神力をコピーした命中率100%の凶悪な光弾が、あうんを正確に捉えて撃ち落とした。
「くっ……! あらうん、下がりなさい!」
八雲 紫(やくも ゆかり)が自ら前に出、境界の隙間を無数に開いて空間そのものをねじ曲げようとする。だが、その目の前に、野本 章(のもと あきら)と月影 好輝(つきがけ こうき)が優雅に、そして残酷に立ち塞がった。
「無駄ですよ、八雲紫。この舞台の勝敗は、私が最初から決めているのですから」
章が不敵に微笑み、勝敗の概念を縛る。
【詐符】『デッドエンド・マスカレード』
「あなたの逃げ道も、反撃の未来も……すべて私が切り裂く」
好輝の瞳に宿る憎悪が、紫の境界の可能性そのものを断ち切った。
【断符】『ルナティック・デスサイズ』
二人の放った絶対確定結界『チェックメイト・ディストピア』が紫の空間移動を完全に封じ込め、紫の日傘を掠めてその身体を激しく吹き飛ばした。
「……ッあ……!」
膝をついた紫の額から、冷や汗が伝い落ちる。
戦う中で、紫と萃香は気づいてしまった。彼ら6人が放つ魔力は、もはや幻想郷の「人間」という枠を遥かに超え、この世界の神々すらも凌駕する絶対的な力へと至っていることに。
井戸の願いと、地獄のような数十年が生み出した、あまりにも強大すぎる神以上の力。
しかし、弾幕の嵐の向こう側で、章たちはどこか哀しい目をしていた。彼らは幻想郷を滅ぼしたいわけでも、世界の王になりたいわけでもない。ただ、外の世界で掴みかけていた「それぞれの華やかな人生」――マジシャンとしての歓声、大親友との何気ない日常、友達と笑い合える学校生活、歌手としての夢、小説家としての栄光、兄との平凡な暮らし。それを取り戻したいだけだったのだ。
彼らは決して、根っからの悪者ではない。ただ、理不尽に人生を奪われ、生き延びるために牙を剥くしかなかった、悲しき生存者たち。
その本質に紫たちが気づいたときには、すでに遅かった。彼らの復讐の執念は、もう誰にも止められないところまで膨れ上がっていたのだ。
――その時。
「待ちなさい!!!」
最深部の空間に、鋭く響き渡る声。
人間の里へ向かっていたはずの博麗 霊夢(はくれい れいむ)と霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)、そして満身創痍のはずの黒葛野 翔我(つづらの しょうが)たち6人が、胸騒ぎに突き動かされてこの戦場へと引き返してきたのだ。
「あんたたち……一体そこで何をしているのよ!?」
霊夢が御幣を構え、異様な緊迫感に包まれた戦場を見据える。翔我たちの瞳にも、自分たちと同じ「井戸の力」を持つ者たちへの、ただならぬ警戒と困惑が走っていた。
そこで今、人間の姿をした「怪物」たちと、幻想郷の最高峰たる存在たちの、苛烈なる弾幕ごっこが幕を開けようとしていた。
「面白いじゃないか、神隠しの生き残りたち! あたいがまとめて相手をしてやるよ!」
伊吹 萃香(いぶき すいか)が不敵に笑い、巨大な鬼の魔力を爆発させる。
【鬼符】『ミッシングパワー』
萃香の身体が巨大化し、一撃で山をも砕く拳が振り下ろされる。同時に、八雲 藍(やくも あい)が狐の尾を翻し、精密極まる光の弾道を空間に展開した。
【式輝】『四面楚歌の式』
だが、襲いかかる絶大なる一撃を前にしても、手を繋ぎ合う6人の生存者たちは微動だにしない。最年長のサイネリア・フォスター・上舞(かんまい)が、冷徹な瞳で桑木野 政治郎(くわきの まさじろう)の手を握り直した。
「そんな大雑把な力、私たちの前では何の意味も持たないわ」
サイネリアの周囲に、あらゆる超常の力を掻き消す「無効化」の波動が広がる。
【虚無】『スカーレット・アンチノミー』
ドォン! と凄まじい衝撃音が響くが、萃香の鬼の怪力も、藍の式神の弾幕も、サイネリアの展開した領域に触れた瞬間にただの光の塵へと還り、完全に掻き消された。
「なっ……あたいの妖気(ちから)が消された!?」
萃香が驚愕に目をみはる。その一瞬の隙を見逃さず、政治郎が叫んだ。
「理不尽に奪われた俺たちの時間を、今ここで返してもらう!」
【時符】『リバース・クロック・レクイエム』
時間が巻き戻り、無防備になった萃香と藍の背後から、サイネリアと政治郎の二人合体技が放たれる。
『エンドレス・ヴォイド・アリア』
無効化された防壁の隙間を突くように、時間を巻き戻しながら無限に追尾する苛烈な弾幕が二人を襲い、大妖怪である藍がたまらず後退した。
「藍!」
高麗野 あうん(こまの あうん)が悲鳴を上げ、神霊としての神聖な光弾を放って加勢しようとする。しかし、そこに立ちはだかったのは、勘解由小路 絵芽奈琉土(かでのこうじ えめなるど)と今給黎 洋次(いまきいれ ひろつぐ)のペアだった。
「神様の力? 丁度いい、僕がそれをそっくりそのまま再現してあげるよ」
最年少の洋次が不気味に微笑み、あうんの神力をその身に完全に写し取った。
【模倣】『ミラーズ・イレギュラー』
「そして、その物語の結末は私が書き換えます。絶対に、外さない」
絵芽奈琉土がノートに鋭くペンを走らせる。
【筆符】『アヴェンジャー・インク・バレット』
二人の合体技『ラスト・クロニクル・レプリカ』が発動し、あうん自身の神力をコピーした命中率100%の凶悪な光弾が、あうんを正確に捉えて撃ち落とした。
「くっ……! あらうん、下がりなさい!」
八雲 紫(やくも ゆかり)が自ら前に出、境界の隙間を無数に開いて空間そのものをねじ曲げようとする。だが、その目の前に、野本 章(のもと あきら)と月影 好輝(つきがけ こうき)が優雅に、そして残酷に立ち塞がった。
「無駄ですよ、八雲紫。この舞台の勝敗は、私が最初から決めているのですから」
章が不敵に微笑み、勝敗の概念を縛る。
【詐符】『デッドエンド・マスカレード』
「あなたの逃げ道も、反撃の未来も……すべて私が切り裂く」
好輝の瞳に宿る憎悪が、紫の境界の可能性そのものを断ち切った。
【断符】『ルナティック・デスサイズ』
二人の放った絶対確定結界『チェックメイト・ディストピア』が紫の空間移動を完全に封じ込め、紫の日傘を掠めてその身体を激しく吹き飛ばした。
「……ッあ……!」
膝をついた紫の額から、冷や汗が伝い落ちる。
戦う中で、紫と萃香は気づいてしまった。彼ら6人が放つ魔力は、もはや幻想郷の「人間」という枠を遥かに超え、この世界の神々すらも凌駕する絶対的な力へと至っていることに。
井戸の願いと、地獄のような数十年が生み出した、あまりにも強大すぎる神以上の力。
しかし、弾幕の嵐の向こう側で、章たちはどこか哀しい目をしていた。彼らは幻想郷を滅ぼしたいわけでも、世界の王になりたいわけでもない。ただ、外の世界で掴みかけていた「それぞれの華やかな人生」――マジシャンとしての歓声、大親友との何気ない日常、友達と笑い合える学校生活、歌手としての夢、小説家としての栄光、兄との平凡な暮らし。それを取り戻したいだけだったのだ。
彼らは決して、根っからの悪者ではない。ただ、理不尽に人生を奪われ、生き延びるために牙を剥くしかなかった、悲しき生存者たち。
その本質に紫たちが気づいたときには、すでに遅かった。彼らの復讐の執念は、もう誰にも止められないところまで膨れ上がっていたのだ。
――その時。
「待ちなさい!!!」
最深部の空間に、鋭く響き渡る声。
人間の里へ向かっていたはずの博麗 霊夢(はくれい れいむ)と霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)、そして満身創痍のはずの黒葛野 翔我(つづらの しょうが)たち6人が、胸騒ぎに突き動かされてこの戦場へと引き返してきたのだ。
「あんたたち……一体そこで何をしているのよ!?」
霊夢が御幣を構え、異様な緊迫感に包まれた戦場を見据える。翔我たちの瞳にも、自分たちと同じ「井戸の力」を持つ者たちへの、ただならぬ警戒と困惑が走っていた。