雷夏side
『君のことは養えるよ』

この子を誘った。

うちの店に来ないかって。

「？？？」

理解できていないな。

「生活できるってことだよ」
「いいん、ですか…？」
『もちろん、ボクらが誘ってるでしょ？』

この子は特別な何かを感じる。

手放したくない。

なんか汚いし、絶対素材はいいからさ。

「でも…ただは…」

無料、と言うのが気になるらしい。

過去に騙された経験があるんだろう。

ああ、こんな子供なのに…。

いや、ボクらもこんな子供を騙す側だったな。

『じゃあさ、キミがここで働けばいい』
「…？」

中学2年生だろうが、まあ無法地帯だから平気でしょ。

「お願い、します…？」
「さ、お風呂入っといで」

まずは綺麗してからだよね！