前回の戦いを要約すると双子座が勝った。至ってシンプル。人数差があったからだ。1対2の対決、当然2人の方が勝つに決まっている。山羊座は少し不憫だなと乙女座は思う。
しかし、すでに終わった試合を気にする程、余裕が無いのだ。私にとって。
乙女座「はあ......」
思わずため息が出てしまう。何せ相手は蠍座だ。言うならば犬猿の仲。酸性と塩素系を混ぜてはいけないように、私たちの相性は最悪である。
蠍座「ため息なんかついて。随分と余裕そうじゃないか。」
乙女座「はぁ？どうやって見たらそう見えるの。というかあなたの方が余裕そうだけど？」
わざわざ私に話しかけるぐらいだ。馬鹿にする暇があるなら道徳を学んでこい。
乙女座（余裕ぶっこいて、犬の糞にでも踏んじゃえばいいのに！！）
乙女座「[漢字]揶揄い[/漢字][ふりがな]からかい[/ふりがな]に来たならあっち行って。」
蠍座「違う違う。お前にいい話を持ってきたんだ。」
いい話。この単語だけでも怪しさ満載だ。
でも今の私は3％の警戒心と97%の興味で出来ている。勿論.....
乙女座「ぜひ聞かせて。」
蠍座「実は＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 」




ヘラ「次、戦う者は会場に集まってください。」
蠍座「！放送だ。」
隅っこの角をよく見ると拡声器がつけられていた。
乙女座「早く行かないと....」
そう言い会場の方へ足を向けると、腕に痛みを感じた。腕に目を向けると蠍座が私の腕を掴んでいた。
蠍座「さっき話したこと分かってるよな.....？」
乙女座「うん。タイミングは私が決めるんだよね？」
蠍座「ああ。」
覚悟を決めて私たちは会場へ向かう。ああ、お腹が減った。