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普通の君が好きでした

#2

〜あたたかい君が好きでした〜

ヨルカに普通を教える為に、私はヨルカと帰ることになった

「まずは普通の定義のことだけど…」

「?普通の定義?普通に定義なんてあるんですか?」

ヨルカは首を傾げた

「うん、“普通”の定義を決めないとどこまで教えなくちゃいけないか、わからなくなるでしょ?」

ヨルカは納得したようにポン、と手を叩いた

「確かに!そうですね」

ヨルカは考え込んでから、答えた

「…雪梛さんが普通と思っていることを全部、私に教えてくれませんか?」

ヨルカの大きく丸い目には、どこか射抜くような鋭さがあった
それに少し躊躇ってしまうものの、返事は決まりきっていた

「いいよ、私の普通でいいなら」

ヨルカはその言葉に反応してか満天の笑顔を見せた
その顔は存在感があるのにとても儚くて
胸が締め付けられるような、そんな感じがした

「…まずは、私の普通、教えるね」

それから、帰る途中に私が思う普通を目一杯教えた
ヨルカはすごく楽しそうでキラキラ笑ってた
私にはその姿がとても眩しくて
心の扉をこじ開けられたような、そんな気になった

「……私こっちなんだけど…大丈夫?」

「あ、私あっち側ですね…!」

申し訳なさそうにヨルカは言った
別にまた一緒に帰ればいいのに
どこまでも律儀で優しい彼女は少し寂しそうな笑みを浮かべていた

「また、一緒に帰ろうね」

「…!はい!また明日!ですね!」

ヨルカの曇った顔は一気に晴れ、天真爛漫な無邪気な顔を浮かべた
私は、それに少し安心した

「お祖父様、ただいま戻り───ッ」

カァンッ

金属製の皿が額の端に当たった、ズキズキ痛む
ああ、今日はお祖父様の機嫌が悪いんだ

「雪梛!こんな時間まで何をしておった!」

「友達と、お話を」

土下座しながらそう言うと祖父は怒り狂い
色々なものを投げつけてきた
お湯の入ったやかん、ハサミ
どれも今まで投げつけられてきたものだ
私には両親がいない、妖怪に食い殺されたから
両親が死んだ私を引き取ってくれたのはお祖母様とお祖父様だった
お祖父様も最初は優しかった
お祖母様が死んでから、お祖父様はおかしくなってしまった
仕方がないんだろう、彼らはとても愛し合っていたから
だから私は反抗しない、お祖父様は仕方ないことだから
こうやって耐え忍べばいい
でもいつかは、優しかったあの時に戻って欲しい…なんて
言えるわけないけど

2025/08/19 12:45

明け他人(枯花) ID:≫ 11GsR4EM2gvPY
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