俺はここ､夜の街で捨てられた

親が遊びで作った子供､もちろん､準備などしていなかった

気づいた頃には中絶出来る期間を過ぎていて､仕方なく産むことになったのだろう

...産んだとしても捨てる気満々だったんだろうな

「拾ってください」と汚い字で書かれたダンボールの中に赤ん坊1人

去り行く人々はみな軽蔑の目で見ていた

そこに1人､とある男がダンボールの前に立った

「可哀想に､俺が育ててあげよう」

...と､一言言い放ち､小汚いダンボールを持ち上げて店の中に入って行った_____

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これが[漢字]俺[/漢字][ふりがな]晴翔[/ふりがな]の過去｡

そして､その男の人が今俺が働いてる店の店長

晴翔「.....店長､俺っていつになったらこの仕事辞めれますか？」

「ダメだよ､君はこの店の...いや､夜の街に輝く“蝶”なんだから」

晴翔(蝶...ね､...)

店長は俺のことをいつも“蝶”と言う

晴翔(俺が飛べなくなったら...誰か俺のことを飛ばせるようにしてくれるのかな)

...なんて､思っても無駄なことばかり思う

「...晴翔､仕事入ったから行ってきな」

晴翔「...はい､」

今日もまた､蝶のように羽ばたく