不思議な森
#1
○○は不安だった。
なぜなら彼女は親の仕事の都合でビルだらけの都会から、名前も知らない田舎に引っ越してきたばかりだからだ。父に小学校は明日に始まると聞かされ、どうしてそういう大事なことを先に言わないのか、少しイラついたが、ぐっとこらえて、母に頼まれた愛犬の●●の散歩をしていた。そうして考え事をしながら歩いていると、いつの間にか知らない道を歩いていた。
「あれ、ここどこだ」
現在地を確認しようとスマホを取り出す前に、●●がリードごと走っていってしまった。
「ああ、●●!」
スマホをしまい急いで●●の後を追う。夢中で追うと、森の中へ入って行ってしまった。田舎はそこらへんに森があるのか?と驚きつつ、自分も森の中へ入る。
「●●、待って、お願い、、、」
犬に言葉が通じるはずもなく、●●はどんどん奥へ進んでゆく。毎日元気に走り回る●●と、家に引きこもり本を読んでばっかの○○、どっちが足が速いでしょう?考える前に●●は私の視界から消えていた。体力は限界だし、帰り道もわからない。とりあえず歩いていると、
「ねえ、あなたはだあれ?」
「え?」
振り返ると、かわいい女の子が立っていた。くたびれている麦を抱えて。
「●●?!」
「あら、この子●●っていうの?」
「え、ええ。」
その子は愛おしそうに麦を見つめた。よく見ると、不思議な格好をしている。こう、まるで、絵本の挿絵に出てくる、、、
「ねえ、あなたの名前は?」
「え?あたし?」
「あ!人間はまず聞いた方が名乗るんでしょ?あたしはルナリア」
「え?あ、○○。」
「○○ちゃん、ふふ、初めての人間のお友達だわ」
「ねえ、さっきから人間人間って、まるであなたが人間じゃないみたいよ。」
「友達なんだからねえ、って呼ばないでよ」
「(勝手に友達になっている)」
「まあ、あたしが人間じゃないのは確かよ。だって妖精だもの。」
「え?」
「なにも驚くほどじゃなくない?妖精って言ったのは人間よ?」
「そ、そうね、」
いや何に納得してんの?ようせい、妖精だよ?引っ越して、●●を追っかけたら妖精にあったんだよ?え、ようせい?妖精なの?本当?
混乱する私をよそに、ルナリアは友達ができたことを喜んでいた。
「新しい友達は何年ぶりかしら。ねえ○○一緒に遊びましょう!」
そこからは夢のような体験だった。彼女の歌で葉が舞い、花が咲く。走るたび、蝶が羽ばたく。●●もわんわん楽しそうに遊んだ。ただでさえ走った後なのに、こんなに走れば、
「疲れた、、、」
ぽつりとつぶやいた
「あら、休憩する?」
ルナリアはすぐそこの倒木に腰を下ろした。自分も横に座ると、リラックスしてきた。リラックスすると、口が緩むものだ。
「あたしね、ここに引っ越してきたばっかなの。しかも明日から学校に行かなきゃ。前の学校ではあんま友達がいなかった。好かれたくていっぱい努力したのに。今度は友達が欲しいな。」
「あたしが友達じゃない」
「うん。うれしかったよ。でも、やっぱ人間の友達も欲しいな」
「よくばりねえ。でも、嫌いじゃないわ。生きるものは欲に正直であるべきだもの」
「ありがと。なんかうまくやれそう。」
そうして、ゆっくり目を閉じた
気が付くとそこは家の前だった。座っていたのは家の玄関前の階段。●●を抱えるようにして座っていた。今までのは夢かと思い立ち上がるとひらひらと1枚の花弁が落ちた。
「あ、、、」
ルナリアの花びら。花言葉は神秘と、そして正直。
なぜなら彼女は親の仕事の都合でビルだらけの都会から、名前も知らない田舎に引っ越してきたばかりだからだ。父に小学校は明日に始まると聞かされ、どうしてそういう大事なことを先に言わないのか、少しイラついたが、ぐっとこらえて、母に頼まれた愛犬の●●の散歩をしていた。そうして考え事をしながら歩いていると、いつの間にか知らない道を歩いていた。
「あれ、ここどこだ」
現在地を確認しようとスマホを取り出す前に、●●がリードごと走っていってしまった。
「ああ、●●!」
スマホをしまい急いで●●の後を追う。夢中で追うと、森の中へ入って行ってしまった。田舎はそこらへんに森があるのか?と驚きつつ、自分も森の中へ入る。
「●●、待って、お願い、、、」
犬に言葉が通じるはずもなく、●●はどんどん奥へ進んでゆく。毎日元気に走り回る●●と、家に引きこもり本を読んでばっかの○○、どっちが足が速いでしょう?考える前に●●は私の視界から消えていた。体力は限界だし、帰り道もわからない。とりあえず歩いていると、
「ねえ、あなたはだあれ?」
「え?」
振り返ると、かわいい女の子が立っていた。くたびれている麦を抱えて。
「●●?!」
「あら、この子●●っていうの?」
「え、ええ。」
その子は愛おしそうに麦を見つめた。よく見ると、不思議な格好をしている。こう、まるで、絵本の挿絵に出てくる、、、
「ねえ、あなたの名前は?」
「え?あたし?」
「あ!人間はまず聞いた方が名乗るんでしょ?あたしはルナリア」
「え?あ、○○。」
「○○ちゃん、ふふ、初めての人間のお友達だわ」
「ねえ、さっきから人間人間って、まるであなたが人間じゃないみたいよ。」
「友達なんだからねえ、って呼ばないでよ」
「(勝手に友達になっている)」
「まあ、あたしが人間じゃないのは確かよ。だって妖精だもの。」
「え?」
「なにも驚くほどじゃなくない?妖精って言ったのは人間よ?」
「そ、そうね、」
いや何に納得してんの?ようせい、妖精だよ?引っ越して、●●を追っかけたら妖精にあったんだよ?え、ようせい?妖精なの?本当?
混乱する私をよそに、ルナリアは友達ができたことを喜んでいた。
「新しい友達は何年ぶりかしら。ねえ○○一緒に遊びましょう!」
そこからは夢のような体験だった。彼女の歌で葉が舞い、花が咲く。走るたび、蝶が羽ばたく。●●もわんわん楽しそうに遊んだ。ただでさえ走った後なのに、こんなに走れば、
「疲れた、、、」
ぽつりとつぶやいた
「あら、休憩する?」
ルナリアはすぐそこの倒木に腰を下ろした。自分も横に座ると、リラックスしてきた。リラックスすると、口が緩むものだ。
「あたしね、ここに引っ越してきたばっかなの。しかも明日から学校に行かなきゃ。前の学校ではあんま友達がいなかった。好かれたくていっぱい努力したのに。今度は友達が欲しいな。」
「あたしが友達じゃない」
「うん。うれしかったよ。でも、やっぱ人間の友達も欲しいな」
「よくばりねえ。でも、嫌いじゃないわ。生きるものは欲に正直であるべきだもの」
「ありがと。なんかうまくやれそう。」
そうして、ゆっくり目を閉じた
気が付くとそこは家の前だった。座っていたのは家の玄関前の階段。●●を抱えるようにして座っていた。今までのは夢かと思い立ち上がるとひらひらと1枚の花弁が落ちた。
「あ、、、」
ルナリアの花びら。花言葉は神秘と、そして正直。
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