二次創作
いろいろ短編集
⚠︎妖夏
招き猫を依代としている妖、斑ことニャンコ先生は森へ向かっていた。
「なんのようだ、呼び出しおって」
話しかけた相手は夏目レイコの孫、友人帳の夏目貴志を慕っている妖の集まり、夏目組犬の会だった。
「夏目なら学校とやらでいないぞ」
「知っております!斑様にお話がありまして」
「お話、おはなし〜!」
このお調子者は中級妖、一つ目と牛顔の2人だ。
ニャンコ先生だけへの話、なんの要件か見当もつかなかった。
「なんだ」
「夏目に関係する話だよ」
「っ…!」
青(紫)髪の煙管を蒸した妖、ヒノエの一言にニャンコ先生は目を光らせた。
「私は我が主人が愛おしい」
「はぁ?」
ニャンコ先生は困惑する。
この妖、三篠は人と、ましては人を好くなど全く関係のないようなやつだったからだ。
まあ、理由はそれだけではないのだが。
「もちろん私も好きだよ、男は嫌いだが夏目は嫌いじゃない」
「私共もです!」
「すき、すき〜!!」
「っ…」
次々と明かされる夏目への好意にニャンコ先生は押し黙ってしまう。
妖のくせに、人なんか、男なんか好かないと言っていたくせに。
「斑も好きなのだろう?」
「なっ…」
「図星だね」
「ぬ〜、うるさいわっ!!」
図星を突かれたニャンコ先生は怒る。
この気持ちには気づかないようにしてたのに。
「そんなことを言うために呼んだのか?」
「いんや?違うね」
違うならなんだと言うんだ?とニャンコ先生は問う。
しかし返事によってまたもや固まることになる。
「夏目を私たちのものにしようと思ってね」
「は…?」
訳がわからないのだ。
私たちのものにする?
ニャンコ先生は理解に遅れる。
「夏目様はご友人の多い…妖にしてしまえば夏目様は我らとしか会話をできなくなるでしょう?」
隣で牛顔が頷いている。
夏目を妖に?
そんなことできるわけがない、とニャンコ先生は鼻を鳴らす。
「できるのだ、あいつにかかれば」
「あいつ?」
話を聞いたニャンコ先生はその案に乗ることにした。
・・・
「先生!」
「なんだ?夏目」
「な、何か変なんだ…」
「なんかとは?」
「わからないけど、いつもと何かが根本的に違う」
「それは…」
「なっつめっさま〜!」
夏目の訴えに返事をしようとしたとき、良くも悪くも犬の会が来る。
そして夏目の気配を感じ取った瞬間、妖どもの顔に笑みが浮かぶ。
夏目はもう妖だ、これで我らのものだ、と。
招き猫を依代としている妖、斑ことニャンコ先生は森へ向かっていた。
「なんのようだ、呼び出しおって」
話しかけた相手は夏目レイコの孫、友人帳の夏目貴志を慕っている妖の集まり、夏目組犬の会だった。
「夏目なら学校とやらでいないぞ」
「知っております!斑様にお話がありまして」
「お話、おはなし〜!」
このお調子者は中級妖、一つ目と牛顔の2人だ。
ニャンコ先生だけへの話、なんの要件か見当もつかなかった。
「なんだ」
「夏目に関係する話だよ」
「っ…!」
青(紫)髪の煙管を蒸した妖、ヒノエの一言にニャンコ先生は目を光らせた。
「私は我が主人が愛おしい」
「はぁ?」
ニャンコ先生は困惑する。
この妖、三篠は人と、ましては人を好くなど全く関係のないようなやつだったからだ。
まあ、理由はそれだけではないのだが。
「もちろん私も好きだよ、男は嫌いだが夏目は嫌いじゃない」
「私共もです!」
「すき、すき〜!!」
「っ…」
次々と明かされる夏目への好意にニャンコ先生は押し黙ってしまう。
妖のくせに、人なんか、男なんか好かないと言っていたくせに。
「斑も好きなのだろう?」
「なっ…」
「図星だね」
「ぬ〜、うるさいわっ!!」
図星を突かれたニャンコ先生は怒る。
この気持ちには気づかないようにしてたのに。
「そんなことを言うために呼んだのか?」
「いんや?違うね」
違うならなんだと言うんだ?とニャンコ先生は問う。
しかし返事によってまたもや固まることになる。
「夏目を私たちのものにしようと思ってね」
「は…?」
訳がわからないのだ。
私たちのものにする?
ニャンコ先生は理解に遅れる。
「夏目様はご友人の多い…妖にしてしまえば夏目様は我らとしか会話をできなくなるでしょう?」
隣で牛顔が頷いている。
夏目を妖に?
そんなことできるわけがない、とニャンコ先生は鼻を鳴らす。
「できるのだ、あいつにかかれば」
「あいつ?」
話を聞いたニャンコ先生はその案に乗ることにした。
・・・
「先生!」
「なんだ?夏目」
「な、何か変なんだ…」
「なんかとは?」
「わからないけど、いつもと何かが根本的に違う」
「それは…」
「なっつめっさま〜!」
夏目の訴えに返事をしようとしたとき、良くも悪くも犬の会が来る。
そして夏目の気配を感じ取った瞬間、妖どもの顔に笑みが浮かぶ。
夏目はもう妖だ、これで我らのものだ、と。