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夢双の一太刀

#4


アイラとの同居が始まりはや1週間が経った。
家の周りにある木々はなんの変化ももたらしていなかった。
4日前貰った報酬は、20戒(日本金額約300万)と、米2丙(約500g)の2つ。
2人で住んでる身としては十分すぎる報酬だった。
その時、国王からこんな事を言われた。
国王「5日後、城に来い。新たな戦争じゃ。」
明日・・・また戦場に行く。
死ぬ事は無いだろうけど、不安は胸に留まっている。
雲が少しある晴れの日に、珍しく雨が降った。
アイラ「あら、狐の嫁入りってやつですね。」
ドルバ「分かるのか?」
アイラ「太陽の光に当たっているのに、この雨の音。気づきますよ。」
ニコッと微笑む。
それはまるで幼女の様で、とっさに目を逸らした。
何を思っているんだ。アイラは同棲してる一般女性だ。
好意など持ってない・・・
アイラ「ドルバさん。頼み事をしても良いですか?」
ドルバ「あ?ああ、良いぞ。」
アイラ「牛の乳・・・牛乳を買ってきてくれますか?」
ドルバ「牛の乳?分かった。すぐ買ってこよう。」
そうして、すぐに買い物に向かった。
歩いて20分ほどだが、目が見えない彼女を家に放っておくには心配だった。
だから、走って城下町に向かった。
意外な事に、走ると5分ほどでついた。
城下町は、当たり前の様に賑わっていた。
ドルバ「ええと、牛乳・・・ん?」
城下町には珍しい、剣士がいた。
しかも、何かを買っている。
戦争に行く剣士は、日常では剣は置くものだが・・・
ドルバ「あの、あなたは剣士ですか?」
恐る恐る聞いてみる。
??「ああ、そうです。さっきまでお城に居ました。」
ドルバ「お城?だからか・・・」
??「あの、もしかしてドルバさん・・・?」
ドルバ「な!?何故知っている?」
??「え!?ドルバさん!!本物!!」
ドルバ「え、え、あなたは一体・・・」
??「ふふ、明日には分かりますよ!」
そう言い残すと、??は華麗に走り去っていった。
ドルバ(足音が無い・・・明日分かるだと?)
不穏な気持ちになりながらも、牛乳を買い、家に帰った。
家に着くと、アイラは驚いた顔で目を開けた。
アイラ「え?もう帰って来られたのですか?」
ドルバ「ああ、走ってきた。アイラは何をしてたんだ?」
アイラ「えーと、考え事ですね。」
ドルバ「考え事か・・・まあ、無駄には聞くまい。」
そう言い、牛乳を差し出した。
アイラ「あ、売っておりました?」
ドルバ「残り一本だった。危なかったよ。」
アイラ「良かった。残っていて・・・」
近くで蛙の鳴く声が聞こえる。
先ほどまで雨が降っていたからだろう。
気づけば、雨は止んでいた。
ドルバ(走っていて気づかなかったな・・・)
そうして、その日は何事もなく次の日になった。
今日は城に招待されている。
ドルバ「一応、この[漢字]小太刀[/漢字][ふりがな]こだち[/ふりがな]を置いていく。」
アイラの帯に、小太刀を挟む。
ドルバ「すまない。刀がこれしか無い・・・」
アイラ「大丈夫ですよ。こんな所に人は来ません。」
ドルバ「分かった。じゃあ、行ってくる。」
すっかり乾ききった地面を蹴り、ドルバは城へ足を運んだ。

作者メッセージ

でゅうも戸部夏実です。
あとがきのネタがもう無い。
厳しいって

2024/12/29 20:59

戸部夏実 ID:≫.psyZPMB6Zfrw
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