【参加型締め切り】旅路の先にあるものは
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サナ国の北部、エリント。
普段は人気の全くない雪原地帯に数人の人影がぽつんと落ちている。
時折鳥の陰のようなものが過ぎ去る以外は景色が一つも動かない。
数人の中で先頭を歩いているのは黒いコートを着た男。
コルク「わぁ…壮観ですね…。」
一番後ろで歩いていた身長の高い女が前髪をかきあげながら言う。
オブシディアン・スフェ「雪に足取られてめんどくさいだけでしょ」
ここはサナ国の最北端なだけあって見渡す限りの雪原。
時たま見えるのは黒っぽい岩だけという殺風景な景色だ。
アナ・シュテル「はぁっ…寒いですわ…魔法で何とかなりませんの?」
他の人に比べ、金髪が美しい少女が息を吐く。
それに対して紺色のパーカーを目深に被った男が答える。
闇月冷「めんどくさいし僕は火の魔法が苦手だよ~?」
アナ・シュテル「それとこれとでは話が別ですわ!」
コルク「それにこんな広範囲は無茶がありまs…」
ドンッ!
アナ・シュテル「あっ…」
突然大きな音が響いたと思うとアナの体が崩れ落ちる。
塙鷺ソルト「みなさん離れて!」
ソルトが手をかざすと光がアナの体を包み込み、目を開ける。
アナ・シュテル「私…[太字]また[/太字]かかったのね?」
ラシャノ・キルハ「…そうだね。」
漣のれん「と、とりあえず!体にいいお茶を出しておきますね!」
数人が駆け寄り、起き上がらせる。
一見のどかに見える旅路なのに急に危険が襲ってくる___。
この不思議な旅の始まりは1カ月前に遡る。
1カ月前、サナ国の王都・スファエル
いつもは荘厳としている雰囲気のスファエル。しかし、今日は違った。
色とりどりのフラッグや花飾り、道に無造作に置かれた机には溢れんばかりのお菓子や食べ物が並べてある。
その中をゆっくりと歩いていく黒いコートを着た男女。
オブシディアン・スフェ「人間っていうのはお祭り好きだねぇ~コルク」
コルク「俺に言われても困りますよ。それに、俺達には関係ないことです」
オブシディアン・スフェ「まぁ、否定派できないけどね~」
そのまま2人はお祭り騒ぎの中を抜け、静かな場所に出る。
『ソリトール宮殿』
コルク「俺、喋れないですから。スフェさんよろしく。」
オブシディアン・スフェ「え″?それも俺なの?」
ソリトール宮殿、東の間
宮殿に住まわれている令嬢、アナ・シュテルの世話係兼宮殿お抱えの薬草師、漣のれんは忙しく働いていた。
アナ・シュテル「のれん?クッキーを食べたいですわ!」
漣のれん「シュテル様、少々お待ちになってくださいね…」
精神安定に繋がる薬草であるドクダミとヨモギを擂りながら丁寧に答えていると扉がさっと開いた。
塙鷺ソルト「のれんさん、急に申し訳ないです。王が呼んでおられます。」
ぱっと立ち上がり、急いで問う。
漣のれん「まさか、前お出ししたお薬がよくなかったのですか…?」
塙鷺ソルト「いや、そうではないようです。その…[小文字]アナ様についてで。[/小文字]」
声のトーンを落として囁く。
少し表情を曇らせ、ゆっくりと頷く。
漣のれん「わかりました…行きます。シュテル様、少し出させていただきます。」
早く帰ってきてね、というアナを横目に扉を開けた。
オブシディアン・スフェとコルクが宮殿の南の間に繋がる扉に来た時、
ちょうど漣のれんと塙鷺ソルトが角を曲がってきた。
コルク「ぁ…ぁ、」
オブシディアン・スフェ「何か用?」
塙鷺ソルト「私たちも王に呼ばれたのです」
漣のれん「私もなぜ呼ばれたのかはよくわからないのですが…」
スフェが口を開きかけると、扉が軋みながら左右に開いた。
コルク「あれは…」
目の前を見ると玉座に座った王と……
金の首飾りを付けた若い男が立っていた。
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サナ国の北部、エリント。
普段は人気の全くない雪原地帯に数人の人影がぽつんと落ちている。
時折鳥の陰のようなものが過ぎ去る以外は景色が一つも動かない。
数人の中で先頭を歩いているのは黒いコートを着た男。
コルク「わぁ…壮観ですね…。」
一番後ろで歩いていた身長の高い女が前髪をかきあげながら言う。
オブシディアン・スフェ「雪に足取られてめんどくさいだけでしょ」
ここはサナ国の最北端なだけあって見渡す限りの雪原。
時たま見えるのは黒っぽい岩だけという殺風景な景色だ。
アナ・シュテル「はぁっ…寒いですわ…魔法で何とかなりませんの?」
他の人に比べ、金髪が美しい少女が息を吐く。
それに対して紺色のパーカーを目深に被った男が答える。
闇月冷「めんどくさいし僕は火の魔法が苦手だよ~?」
アナ・シュテル「それとこれとでは話が別ですわ!」
コルク「それにこんな広範囲は無茶がありまs…」
ドンッ!
アナ・シュテル「あっ…」
突然大きな音が響いたと思うとアナの体が崩れ落ちる。
塙鷺ソルト「みなさん離れて!」
ソルトが手をかざすと光がアナの体を包み込み、目を開ける。
アナ・シュテル「私…[太字]また[/太字]かかったのね?」
ラシャノ・キルハ「…そうだね。」
漣のれん「と、とりあえず!体にいいお茶を出しておきますね!」
数人が駆け寄り、起き上がらせる。
一見のどかに見える旅路なのに急に危険が襲ってくる___。
この不思議な旅の始まりは1カ月前に遡る。
1カ月前、サナ国の王都・スファエル
いつもは荘厳としている雰囲気のスファエル。しかし、今日は違った。
色とりどりのフラッグや花飾り、道に無造作に置かれた机には溢れんばかりのお菓子や食べ物が並べてある。
その中をゆっくりと歩いていく黒いコートを着た男女。
オブシディアン・スフェ「人間っていうのはお祭り好きだねぇ~コルク」
コルク「俺に言われても困りますよ。それに、俺達には関係ないことです」
オブシディアン・スフェ「まぁ、否定派できないけどね~」
そのまま2人はお祭り騒ぎの中を抜け、静かな場所に出る。
『ソリトール宮殿』
コルク「俺、喋れないですから。スフェさんよろしく。」
オブシディアン・スフェ「え″?それも俺なの?」
ソリトール宮殿、東の間
宮殿に住まわれている令嬢、アナ・シュテルの世話係兼宮殿お抱えの薬草師、漣のれんは忙しく働いていた。
アナ・シュテル「のれん?クッキーを食べたいですわ!」
漣のれん「シュテル様、少々お待ちになってくださいね…」
精神安定に繋がる薬草であるドクダミとヨモギを擂りながら丁寧に答えていると扉がさっと開いた。
塙鷺ソルト「のれんさん、急に申し訳ないです。王が呼んでおられます。」
ぱっと立ち上がり、急いで問う。
漣のれん「まさか、前お出ししたお薬がよくなかったのですか…?」
塙鷺ソルト「いや、そうではないようです。その…[小文字]アナ様についてで。[/小文字]」
声のトーンを落として囁く。
少し表情を曇らせ、ゆっくりと頷く。
漣のれん「わかりました…行きます。シュテル様、少し出させていただきます。」
早く帰ってきてね、というアナを横目に扉を開けた。
オブシディアン・スフェとコルクが宮殿の南の間に繋がる扉に来た時、
ちょうど漣のれんと塙鷺ソルトが角を曲がってきた。
コルク「ぁ…ぁ、」
オブシディアン・スフェ「何か用?」
塙鷺ソルト「私たちも王に呼ばれたのです」
漣のれん「私もなぜ呼ばれたのかはよくわからないのですが…」
スフェが口を開きかけると、扉が軋みながら左右に開いた。
コルク「あれは…」
目の前を見ると玉座に座った王と……
金の首飾りを付けた若い男が立っていた。
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