【参加〆】彼らの冬休み最終日より
吹き付けていた風が少し弱まった。少し大きい声なら問題なく会話出来る程度だ。
伊川「っ…なんか生臭くない?この風」
十朱「祟のにおいじゃねーか?」
大崎「生ゴミみてーだな…」
ニト「────[漢字]祓へ給へ、清め給へ[/漢字][ふりがな]はらえたまえ、きよめたまえ[/ふりがな]」
ニトさんが何かを唱え始める。
十朱「………!」
ニトさんの刀が青く光りはじめた。青い光の束が、刀に手をかけたニトさんごと包んでいる。束がニトさんの足元まで伸びていく。
伊川「……綺麗…」
ニト「[漢字]神ながら守り給へ、幸へ給へ[/漢字][ふりがな]かんながらまもりたまえ、さきわえたまえ[/ふりがな]────」
強風などものともしない様子で、唄のようなものを唱え続ける。ニトさんが青い光をまとった刀を抜いた瞬間に、風がぴたりと止んだ。さっきから吹いてなかったみたいに、前触れもなく。
刀身はボロボロだった。刃こぼれと言うやつだろうか。同時に、青の束が祟の胸元からふき出し、祟を覆い始める。
そのとき、
グオオォォォォオオオオオオッッッ!!!!
という、腰が抜けるほどの祟の猛烈な咆哮が空気を震わせた。反射的に耳を塞ぐも、激しい耳鳴りの奥で、たくさんの[漢字]声[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]がうごめきはじめた。
十朱「ぅわッッ…!」
頭の中で反響している咆哮の中、たくさんの[漢字]声[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]がなんと言っているのかを知りたくて、咆哮をかき分けるようにその[漢字]声[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]だけを追っていく。
十朱「ッ…!」
「[斜体]アイツが仕事で失敗しますように[/斜体]」
「[斜体]アイツらを別れさせてください[/斜体]」
「[斜体]あの子を[/斜体]」
「[斜体]俺たちだけを成功させて[/斜体]」
「[斜体]あの人たちを[/斜体]」
「[斜体]あんなやつら[/斜体]」
「[斜体]私だけ[/斜体]」
[中央寄せ]「[斜体]神様、[/斜体]」[/中央寄せ]
咆哮が遠ざかり、地を這うような声や、引っ掻くような甲高い声が混ざりあった不協和音が頭の中を覆っていく。
[中央寄せ]「[斜体]お願いします[/斜体]──────」[/中央寄せ]
十朱「う"ぁ……」
吐き気がする。
大崎「うるせえ…!」
伊川「ニトさんっ!!!」
澪が自分の耳を塞ぎながら、悲鳴にも近い声で叫ぶ。まるでお守りのように、刀を握り締める。
ニト「おい!!落ち着け!念に呑まれるな!戻れなくなるぞ!!」
ニトさんの鋭い声が不協和音を切り裂いた。
十朱「っ…(危ねえ…意識トぶとこだった)」
ニトさんは一瞬で祟と距離を詰め、青い束がふき出している祟の胸元に深く刀を突き刺す。
ニト「祓い、奉る──────」
瞬刻、辺りが静まり返った──かと思えば、束の光量がグワッと増して、思いきり鈴を振ったような、シャンッという音と共に祟が弾け散った。重い雨雲が一斉に吹き飛ばされたかのように、気圧が一気に軽くなる。
その数瞬後、ひんやりとした風が足元をさあっと吹き抜けていった。さっきの生ぬるい風とは違い、どこか神聖さを感じた。
3人「「「どはぁっっっ…」」」
3人で床にへたり込んだまま、目の前で起きた出来事をなんとか処理しようとする。
ニト「はっ、貴様らは何もしていないだろうが」
大崎「………でも、すごかった」
ニト「……」
伊川「…怖かったけど、カッコよかった」
十朱「…そうだな」
ニト「……おい、十朱。"声"が聞こえたんだろう?」
十朱「え?まあ…」
十朱「つーか!!名前やっと呼んでくれたじゃん!!!」
伊川「あー!!ホントだ!!」
大崎「やれば出来んだなニトさん!!」
ニト「今それはどうでもいいだろうが!!」
伊川「てか、"声"って?」
大崎「俺は聞こえなかったぜ?」
ニト「最初から聞こえる方がおかしいから気にするな((」
十朱「ん???」
ニト「その"声"は、祟を生み出したモノだ。祟は、人間の貪欲な願いや、呪詛から創り出される」
ニト「言わば、"堕ちた神"だ」
伊川「堕ちた…」
十朱「神…」
十&伊「「([大文字][明朝体][太字]ナニソレかっけぇじゃん…………!!![/太字][/明朝体][/大文字]」)」
大崎「(アホどもが)…とりあえず外に出よう、月姫にバレねえうちに帰ろーぜ」
ニト「刀を忘れるなよ、失くしても知らんぞ」
十朱「バレたらじゅーとーほー違反で捕まるぜw」
大崎「シャレになんねえからやめろw」
伊川「神社にも監視カメラがあるなんて…」
十朱「あ、祟って監視カメラには映んねえの?」
ニト「さあな。まあ、映ったとしても普通の人間には見えん」
十朱「じゃあいいか」
大崎「良くはねえ((」
伊川「っ…なんか生臭くない?この風」
十朱「祟のにおいじゃねーか?」
大崎「生ゴミみてーだな…」
ニト「────[漢字]祓へ給へ、清め給へ[/漢字][ふりがな]はらえたまえ、きよめたまえ[/ふりがな]」
ニトさんが何かを唱え始める。
十朱「………!」
ニトさんの刀が青く光りはじめた。青い光の束が、刀に手をかけたニトさんごと包んでいる。束がニトさんの足元まで伸びていく。
伊川「……綺麗…」
ニト「[漢字]神ながら守り給へ、幸へ給へ[/漢字][ふりがな]かんながらまもりたまえ、さきわえたまえ[/ふりがな]────」
強風などものともしない様子で、唄のようなものを唱え続ける。ニトさんが青い光をまとった刀を抜いた瞬間に、風がぴたりと止んだ。さっきから吹いてなかったみたいに、前触れもなく。
刀身はボロボロだった。刃こぼれと言うやつだろうか。同時に、青の束が祟の胸元からふき出し、祟を覆い始める。
そのとき、
グオオォォォォオオオオオオッッッ!!!!
という、腰が抜けるほどの祟の猛烈な咆哮が空気を震わせた。反射的に耳を塞ぐも、激しい耳鳴りの奥で、たくさんの[漢字]声[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]がうごめきはじめた。
十朱「ぅわッッ…!」
頭の中で反響している咆哮の中、たくさんの[漢字]声[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]がなんと言っているのかを知りたくて、咆哮をかき分けるようにその[漢字]声[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]だけを追っていく。
十朱「ッ…!」
「[斜体]アイツが仕事で失敗しますように[/斜体]」
「[斜体]アイツらを別れさせてください[/斜体]」
「[斜体]あの子を[/斜体]」
「[斜体]俺たちだけを成功させて[/斜体]」
「[斜体]あの人たちを[/斜体]」
「[斜体]あんなやつら[/斜体]」
「[斜体]私だけ[/斜体]」
[中央寄せ]「[斜体]神様、[/斜体]」[/中央寄せ]
咆哮が遠ざかり、地を這うような声や、引っ掻くような甲高い声が混ざりあった不協和音が頭の中を覆っていく。
[中央寄せ]「[斜体]お願いします[/斜体]──────」[/中央寄せ]
十朱「う"ぁ……」
吐き気がする。
大崎「うるせえ…!」
伊川「ニトさんっ!!!」
澪が自分の耳を塞ぎながら、悲鳴にも近い声で叫ぶ。まるでお守りのように、刀を握り締める。
ニト「おい!!落ち着け!念に呑まれるな!戻れなくなるぞ!!」
ニトさんの鋭い声が不協和音を切り裂いた。
十朱「っ…(危ねえ…意識トぶとこだった)」
ニトさんは一瞬で祟と距離を詰め、青い束がふき出している祟の胸元に深く刀を突き刺す。
ニト「祓い、奉る──────」
瞬刻、辺りが静まり返った──かと思えば、束の光量がグワッと増して、思いきり鈴を振ったような、シャンッという音と共に祟が弾け散った。重い雨雲が一斉に吹き飛ばされたかのように、気圧が一気に軽くなる。
その数瞬後、ひんやりとした風が足元をさあっと吹き抜けていった。さっきの生ぬるい風とは違い、どこか神聖さを感じた。
3人「「「どはぁっっっ…」」」
3人で床にへたり込んだまま、目の前で起きた出来事をなんとか処理しようとする。
ニト「はっ、貴様らは何もしていないだろうが」
大崎「………でも、すごかった」
ニト「……」
伊川「…怖かったけど、カッコよかった」
十朱「…そうだな」
ニト「……おい、十朱。"声"が聞こえたんだろう?」
十朱「え?まあ…」
十朱「つーか!!名前やっと呼んでくれたじゃん!!!」
伊川「あー!!ホントだ!!」
大崎「やれば出来んだなニトさん!!」
ニト「今それはどうでもいいだろうが!!」
伊川「てか、"声"って?」
大崎「俺は聞こえなかったぜ?」
ニト「最初から聞こえる方がおかしいから気にするな((」
十朱「ん???」
ニト「その"声"は、祟を生み出したモノだ。祟は、人間の貪欲な願いや、呪詛から創り出される」
ニト「言わば、"堕ちた神"だ」
伊川「堕ちた…」
十朱「神…」
十&伊「「([大文字][明朝体][太字]ナニソレかっけぇじゃん…………!!![/太字][/明朝体][/大文字]」)」
大崎「(アホどもが)…とりあえず外に出よう、月姫にバレねえうちに帰ろーぜ」
ニト「刀を忘れるなよ、失くしても知らんぞ」
十朱「バレたらじゅーとーほー違反で捕まるぜw」
大崎「シャレになんねえからやめろw」
伊川「神社にも監視カメラがあるなんて…」
十朱「あ、祟って監視カメラには映んねえの?」
ニト「さあな。まあ、映ったとしても普通の人間には見えん」
十朱「じゃあいいか」
大崎「良くはねえ((」