君は手の届く星になった
玄関のドアを開けると、私はいつものように「ただいまー」と語尾を伸ばして言った。靴を脱いでいると、奥から母と妹の声が重なって「おかえり」という声が聞こえくる。
私はいつも通りにリビングのソファに座り、テレビを見ていた。
すると、着信音が鳴り、反射的にスマートフォンを確認する。画面に表示されていたのは、『○○』という文字だった。
「○○……?」
その文字を見た瞬間、私の世界は止まった。
内容を見ると、『鍵を忘れて家に入れない』と書いてある。思わず鼻で笑ってしまった私は、「何で私? 近所に誰かいないの?」と返信する。すぐに返ってきたメッセージは、たった一言。
『恥ずかしい』
「かわいい……」と、小声で笑いながらつぶやいた。その様子を見ていた妹が、「お姉ちゃん、またスマホ見て笑ってるよ」と母に言った。私は一瞬ビクッとしたが、母は「いつものことだよ」と微笑んで返してくれた。
私は試しに、と母に切り出した。
母は「え、彼氏できたの?」と話を遮るかと思ったが、意外にも違った。
「いいよ。困ってるんでしょ?」
私は安堵して胸を撫で下ろした。
……が、ここからが問題だ。
「お邪魔します」と○○が入る。
母は○○の顔を見てどう思うだろう。きっと「あなたの推しにそっくりじゃない!」とニヤニヤしながら私を見つめるのか、それとも「遠慮しなくていいからね」と普通に接するのか。
……いや、まず私が問題だ。
この暑い中、汗だくで来た○○を見て、私はどう思うだろうか。
「暑かったね」で済むのか、「す、透けてる!!」と言って気絶するのか。そう考えると、今にも気絶しそうだ。
そんな中、ピーンポーンとチャイムが鳴った。私の心拍数は百を超え、どんどん上がっていくような気がした。
母がドアを開けると「宅配便でーす」というお兄さんの声がした。
(なんだ、宅配便か……)
私はホッとしたが、体はドキドキは収まらない。
──あれ? 結構時間経ってない?
ふと私は思い、チャットアプリを開いた。「あ!」と私は気付く。
まだ、返信してなかった。
私は新幹線の速さで文字を打ち、送信ボタンを押した。彼の既読は速かった。私の返信は遅かった。
(よし、来たら謝ろう。勿論土下座だ)
私はいつも通りにリビングのソファに座り、テレビを見ていた。
すると、着信音が鳴り、反射的にスマートフォンを確認する。画面に表示されていたのは、『○○』という文字だった。
「○○……?」
その文字を見た瞬間、私の世界は止まった。
内容を見ると、『鍵を忘れて家に入れない』と書いてある。思わず鼻で笑ってしまった私は、「何で私? 近所に誰かいないの?」と返信する。すぐに返ってきたメッセージは、たった一言。
『恥ずかしい』
「かわいい……」と、小声で笑いながらつぶやいた。その様子を見ていた妹が、「お姉ちゃん、またスマホ見て笑ってるよ」と母に言った。私は一瞬ビクッとしたが、母は「いつものことだよ」と微笑んで返してくれた。
私は試しに、と母に切り出した。
母は「え、彼氏できたの?」と話を遮るかと思ったが、意外にも違った。
「いいよ。困ってるんでしょ?」
私は安堵して胸を撫で下ろした。
……が、ここからが問題だ。
「お邪魔します」と○○が入る。
母は○○の顔を見てどう思うだろう。きっと「あなたの推しにそっくりじゃない!」とニヤニヤしながら私を見つめるのか、それとも「遠慮しなくていいからね」と普通に接するのか。
……いや、まず私が問題だ。
この暑い中、汗だくで来た○○を見て、私はどう思うだろうか。
「暑かったね」で済むのか、「す、透けてる!!」と言って気絶するのか。そう考えると、今にも気絶しそうだ。
そんな中、ピーンポーンとチャイムが鳴った。私の心拍数は百を超え、どんどん上がっていくような気がした。
母がドアを開けると「宅配便でーす」というお兄さんの声がした。
(なんだ、宅配便か……)
私はホッとしたが、体はドキドキは収まらない。
──あれ? 結構時間経ってない?
ふと私は思い、チャットアプリを開いた。「あ!」と私は気付く。
まだ、返信してなかった。
私は新幹線の速さで文字を打ち、送信ボタンを押した。彼の既読は速かった。私の返信は遅かった。
(よし、来たら謝ろう。勿論土下座だ)