とあるところに山梨と静岡がいました。彼らは雨が降ってくると「富士山は私等の恵みだ！」と言って譲りませんでした。そして今日は、歴史が動く時でした。富士山を取り合っての戦いが始まったのです。両陣営は激しく争いました。
　なんの偶然か、両陣営にはドッペルゲンガーと言ってもいいぐらいのそっくりさんがいました。彼らは強靭な肉体で戦いを支えました。そんな彼らは娘すらも見分けのつかないぐらいそっくりでした。
　ある日も戦っていると、その娘がやってきて叫びました。
「火事だ！　誰か助けて！」
　人々は焦りましたが、どちらの娘かてんで見当がつきません。仕方がなくみんな自分の家に帰りました。
　それを見ていた東京都民が「今のうちなら富士山を取れるかもしれない！」といい、富士山へ登り始めました。しかし、登山が初めてだったので、すぐ帰ってしまいました。
　そうして火事を収めてきた山梨と静岡は話し合いました。
「富士山はみんなのものだ。合併しよう」
話し合いは落ち着き、みんな幸せに暮らしましたとさ。