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【参加型】巡る酒場にて、冒険者達はかく語りき

#8

追憶の霧雨

 あぁ、あれはまだ俺がペーペー……若くって、髪も真っ黒だった頃の話だ。今となっちゃこの階層もちょっとした休憩スポットとなっているがな……その頃は到底そんな場所だとは思えなかった。それとも、あの夢のような場所とその階層は実は別物なのか……まぁいい。何にせよ、こんな前置きばかりじゃつまらんだろう。

 その時、俺は……現在で言う「雲林」と呼ばれる階層の大まかな地図を作る依頼をこなしていた。なんせ、駆け出しだ。最低限の装備では心許ない。お前らだって、昔はやっただろう……もっとも、もう少し下の階層だろうがな。

 あそこはやけに湿っぽくて、視界の悪い階層だ。キノコが光ってくれなきゃ、雲でホワイトアウトしちまう。迷いやすいのも無理はないだろう?だから……あー、笑わないでくれよ?その……案の定壁伝いでも迷子になったんだ。今自分が地図上のどこにいるのかも碌にわからない。そうだよ。完全な迷子だ。いやぁ、あの時は焦った。いや、迷子で焦った訳ではないぞ……本当だからな。こら!そこ笑うな!

 だから、まだ軽々も浅くってしでかしちゃぁいけない「おやくそく」も分からないような俺は……元の方向だと思われる方向に向かって急いで戻り始めた。遭難者は止まっておくのが相場なんだがなぁ?はは、敵対的なヤツがそんなに多いわけでもないのに、何をそんなに焦っていたのか………

しかし、その焦りのせいか俺は見当違いの方向に向かっていたらしくてな。段々雲……いや、ここまで来ると霧だった、霧が立ち込めて何も見えない。真っ白な世界の中をひたすらに進み続けた。何なら途中から走っていたよ……ほんと。よく生きて帰って来れたもんだ。

どれだけ進んだか、どれだけ走ったか。先ほどまでの……体に雲が当たって濡れる様な感覚とは違う冷たさがぽつりぽつりと体に宿り始めた。何だか、冬場に天然のシャワーを浴びるような。湿度を限界突破させたような空間で、堪えきれなくなった雲が霧になるのに飽き足らず、天候は悪転換。まぁ、いわゆる霧雨だったもんで実際はそこまで悪天候ではなかったと思うんだが。

その時俺は完全に察したね。「全然違うところに来てしまったのだ」と。未知の階層とはつまり死の危険を腐るほどに孕んでいる。もはや白骨死体の山を築く程だ……それなのにどうして冒険を続けるんだろうな?つまりそれは死の膝下に枕されに行くようなものだってのに。冗談だよ、あのクソッたれた迷宮以外に誰が俺たちの好奇心を満たしてくれるんだ?

作者メッセージ

1000文字で止める努力。まだまだ続きます。lemonさんありがとう。

2025/03/11 18:19

主宮 ID:≫ 10RvpAySLniQA
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