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【参加型】巡る酒場にて、冒険者達はかく語りき

#7

宴会

「乾杯!」
かつーん。
次々と、ガラス製のジョッキがぶつかる音が聞こえてくる。
今日の酒場は珍しく貸切だ。ギルド連合の打ち上げが行われるためである。
「いやぁ、今回のレイドも上手くいって良かった」
「あんなトリッキーなやつに対して誰が来てくれるかと思ったが…いやぁ、強い物にはやっぱ唆るものがあるのかね。想像以上に集まってくれた」
「無犠牲だったのも良かったなぁ……人が死んだりするとこの打ち上げがどうしても暗くなる」
いつもの有象無象の冒険者達でごった返している酒場とはまた一味違う喧騒。その中には安堵と『お疲れ様』の意味合いが込められている。
「すみませーん、おかわりお願いしまーす」
「……飲み過ぎるなよ?」
その忠告を聞き流すように皆で思い思いにジョッキを空にしていく中、一人が声を上げた。
「ギルド長、そう言えば貴方は過去冒険者だったんですよね?」
「そりゃそうだろ、そうじゃなきゃあんな荒くれ者どもの需要は分からん」
その台詞に、思わず静かな笑いが空気を揺らす。苦笑とも取れる様な笑い。
「確かに彼等は難しい……いえ、そういう話ではなくてですね」
「ならどういう話だ」
「せっかくなので、その時の冒険譚を聴きたいのです」
酒の席、普段聞かない話を聞きたいので……と若いギルド職員は続ける。
「冒険譚か……一体何を話せば…」
唸るギルド長。職員達はそれを横目に、おもむろにその内容に対しての期待を語る。
「やっぱあれだよな!第30階層への道を見つけた話……!」
「あぁ、あれか!あの階層はワープギミックやら何やで…当初はそこが行き止まりってされるくらいだったんだがなあ」
「って、有識者ぶってるお前はそん時子供だったろうが!」
またその内容をめぐって軽い口喧嘩の様なコミュニケーションが起こり始めた時。
「それじゃぁ、一番印象に残った階について話そうか。これならお前らも知っているまい、何せ駆け出しの頃の話だからな」
「追憶の霧雨と呼ばれているんだったか、あのキミの悪い階層は」

作者メッセージ

長くなります…ということで導入。
またもや「のんびりlemon」さんの案です。彼または彼女のおかげで参加型企画の体を保っていると言っても過言ではない…ありがたや!ありがたや!

2024/12/20 21:24

主宮 ID:≫.pz97kt.lxzao
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