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淡い恋が飽和する。

#3

また朝が来て,私は教室に入る。

「でさ,ーーーだったんだよww」
「まじ?うけるwww」


うけないよ。

私は興味ないし。



クラスの女子から漂う,甘ったるくて安っぽいにおいが鼻腔をくすぐる。


変なにおいだ。



そう思いながら,のろのろと私はマフラーを解く。


やけに暖房の暖かさが暑く感じられた。



「さてと…」



それよりも,と言い聞かせるかのように私は首を振った。


今はハーゲンダッツのために勉強だ。



参考書を開き,簡単に目を通していく。






前までは,そんなに学力に執着してなかったのに,な。



甘ったるいにおいがとうとう私の嗅覚を破壊した時,私は席を立った。



やっぱり無理だった。


あの匂いには耐えられない。


今まで大丈夫だったはずなのに。


あれがあった所為かな。



「ははっ…」


自虐的な笑いが,かすれた声に乗って消えていった。




「変わって,ないなぁ…」




「何が変わってないんだよ」




また,昨日聞いた声がした。



「またあなたですか?ははっ,ここも変わってないなぁ…」



「お前も昨日のままじゃね?」





…この人なら,なんて答えるんだろ。


「将来の夢は,何ですか?って聞かれたらどうする?」


「え,急だな。…医者」


「奇遇だね,私もだ」




平和のままじゃ,だめなのかな?

2024/12/06 11:29

のんびりlemon ID:≫19QQDeUsMuCCY
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