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カリモトリブレは理解する

#6

五件目「七賀谷コンビニの怪」

ようこそ、カリモトリブレだ。

今、両小指が切れている。

なんでそうなったのか気になるだろ…?

気にならないって? 冷たいな…

まあ、そんなことはどうでもいい。

今回の話はちょっとだけ心が暖かくなるお話だ

[水平線]

現在、依頼人と話しているところ。

依頼人の名前は、『[漢字]秋沢 唐[/漢字][ふりがな]アキダク トウ[/ふりがな]』

[漢字]七賀谷[/漢字][ふりがな]なながや[/ふりがな]コンビニの店長だそうだ。

「今日は、どんな依頼で?」

「はい…深夜、私のコンビニで怪異が起きるのです…」

「怪異…具体的にどういうことが?」

「商品が勝手に無くなります…」

深夜にしか起きない怪異…面白い…!

「分かりました…承りましょう」

こうして僕は深夜、コンビニに張り込むことにした。

[水平線]
午前0時 七賀谷コンビニ

このコンビニは、店長1人のワンオペでどうにかやってるらしい。

だからこそ、商品が無くなるのはマズいとのことだ。

僕が張り込む場所は、レジ付近。

まだかまだかと、待ち望んでいるときのこと…



『[太字]がさ がさ がさ[/太字]』



何やら漁る音が聞こえる……

僕はその音の方向に向かった。

この音はお菓子売り場だ…

しゃがみ歩きで少しずつ近づいていく。

すまないが、ちょっと思ったことがある…まさか人じゃないよな?

そんな事を考えつつも、僕はお菓子売り場の棚から少しだけ顔を覗かせた。

そこに居たのは……

「……[小文字]嘘だろ[/小文字]……」


「[小文字]子供じゃないか……![/小文字]」



深夜のコンビニに子供が居るとは…

僕は子供に話しかける。

「おい! 今、深夜だぞ…なんでコンビニに来てるんだ?」

だがその子供は答えることもせずに入口から逃げていった。

「随分…治安が悪い子供だな…」

「とにかく、あの子供が原因か…ほっとくことはできない…」

僕も追いかける。

夜道の中、子供を追いかける[漢字]成人男性[/漢字][ふりがな]変人探偵[/ふりがな]、傍から見たら不審者だろうが誰にも見られないことを望もう。

あの子供は公園へ逃げていく。

僕も、公園へと向かっていたが、途中で災難が起きた。

[下線]まさかマンホールが開いている状態[/下線]だなんて…

僕はそのまま落ちてしまい、地上へ上がった頃には子供を見失っていた。

「まさかマンホールに落ちるなんて…人生で始めて味わったよ…」

体が痛いのもあって、今日の調査は終了、明日に持ち越しだ。

[水平線]

今日もコンビニに張り込んでいる。

また、あの子供がいたのだが、追いかけている最中に木が倒れてきて下敷きになってしまった…

[水平線]

何かおかしい…かれこれ10回以上追いかけているのだが、一向に捕まえられない。

僕が遅いということじゃなくて…

[下線]絶対に何かに妨害されるんだ。[/下線]

印象的なのは…6回目の葉っぱが降ってきて両小指が切れた事。

あと9回目の、もう少しで追いつきそうだったけど、コンビニの近くにあった傘立てが向かって来て衝突した事。[小文字]マジで痛かった……[/小文字]

とにかく何かがおかしい…

だが、こんなので僕が諦める訳がない。

何としてでも捕まえてやる…!

そのため、ここに行くだろうと思うところにロープの罠を仕掛けておいた。

足がロープに引っかかると反応して、ロープが足に巻き付くという罠だ。

もう僕も数え切れない程、追いかけてきた。

さあ…最後の張り込みを始めよう…

[水平線]

最後はトイレに隠れておこう。

お菓子を漁る音が聞こえたら、トイレから飛び出した。

あの[漢字]子供[/漢字][ふりがな]ガキ[/ふりがな]はドアから逃げる……だが追いかけなくていい…罠がある。

歩いて罠がある場所へと向かった。

「…おっ!」

思わず声を上げたよ。

罠に引っかかってる。

あとは色々と取り調べをさせてもらおう。

その子供へ近づいた。

「離せ!」

子供が色々と騒いでるが…

無視して、虫眼鏡で子供を覗く。

記憶が見えた…

(ボクは座敷わらし)
(運がいい)


「ウソだろ……座敷わらし!?」

妖怪じゃないか……

一通り調べ終わったところで、座敷わらしの記憶に書き記させてもらった。

(足を怪我したので歩けない)

こうして脳を錯覚させたことによって、逃げることは出来ない…色々と話を聞かせてもらおうか。


だがここでまた怖いことが起きる…


「何ッ!」

どこからともなくハサミが飛んできて、ロープの罠をちょん切ってしまった。

だが、こういうときのための保険だ…残念だが逃げることは出来ない。

「もう逃げれないぞ! 色々と話を聞かせてもらえないか?」

動かない足を見て座敷わらしも観念したようだ。

座敷わらしは口を開く。

「オイラは座敷わらし」

「ここの近くにオイラが住んでるんだけど…動物が居なくて」

「だからここで色々美味いモンを取ってるんだ」

なるほど…妖怪も食料不足に悩んでるのか……

「分かった…ならば僕が色々と買ってやるから取るなよ…」

そうして、コンビニで1万円分のお菓子を買うと、座敷わらしの住処に置く。

「アリガトな〜タンテイさ〜ん!」

座敷わらしに見送られながら、事務所へと帰っていく僕だった。

[水平線]
後日

「まさか…座敷わらしが?」

店長も驚いてる…そりゃそうだ。

「座敷わらしにも色々事情があるんですね…」

とりあえず怪異が解明できて良かった…

理解完了だ。



[水平線]

あの座敷わらし、元気にやってるかな…?

まさか妖怪と会えるなんて思いもしなかった。

奇跡の出会いもあるもんだな…

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

次はとびっきりホラーなの書くぜ〜!

2024/02/01 21:53

ドレミファ・ソラティド ID:≫9pqMoIh9WcBx2
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