二次創作
現代最強の娘に転生したけど、それが何だっていうの?
僕の家は呪詛師の一家だった。
母は他所から攫われてきたせいか、大阪弁とも京都弁ともちゃう、えっと………せや。
[漢字]廓言葉[/漢字][ふりがな]くるわことば[/ふりがな]ちゅう独特な喋り方をする人やった。
本人曰く、呪術師御用達の色を売る店でそこそこな位置におったのに父に攫われたせいで、呪詛師として認定されて最悪だと嘆く暇もなく価値を上げる為に守ってきた純潔を攫った男に散らされ、子を身籠った。
その子なんて関係なく逃げればええもんを、腹におる子は大事にするっちゅう“籠女”の教育に倣って子を産んだ。そら僕の1番上の兄貴やった。
幸か不幸か、最初に男児を産んだ母は父とその一家にいたく気に入られて父の正妻になったねねん。
まぁ、みんな呪詛師で戸籍なんてあれへんので呪術師に突き出していてこますと脅して閉じ込めたようなもんやった。
ほんで母は次々に呪力と術式を持った子を産んだ。
イー、アー、サン、スー、ウー、リウ、チー、バー、ジウ、シィー、シィー イー、シィーアー、シィーサン。
なんやとて思う?
うん、中国の1〜13の言い方。
せやけど、ちょっとちゃうねん。
これは僕ら兄弟の名前やねん。
一郎、二郎とかよりもえげつないやんなぁ。でもほんまやねんで。
母親は望まぬ相手との子供やし名前を付ける気がなかったんやろうな。
だからか、父親がつけてた。
センスどこに置いて来たみらいな名前やけど、父親と親族は呼べたらええって感じやったし。
俺も名前なんか個体番号みたいなもんやと思っとったからどおでもよかった。
それに、名前なんかよりも今日を生き残る方が大事やった。
呪霊が年々力を増すのに比例して、呪術師の質も上がっとったらから呪詛師がドンドン狩られて行いったから、うちの家も没落寸前。
まぁ父親親族はそんなこと許すはずもなかったけど、自分の力の限界を悟っとった。
だから、次の世代の呪詛師を強くしようと子供を作った。
他所を攫ったんは呪詛師の家に嫁ぐ術師が居らんかったからやな。
母親も“籠女”としての教育受けてたしちょうどええとおもったんやろ。
あ?“籠女”について?
そっか、説明しとらんかったな。
“籠女”は術師の女を産む為だけに育てられた女のこと。
一般的には妊婦はんのことやけど、呪術界での“籠女”はそういう人やと思っとき。
話は戻すけど、生まれた子供はみな呪力と術師を持っとった。
それだけでも呪詛師にとっては大収穫やけど、父親は満足せんかった。
より強い呪詛師を、他に負けない呪詛師を作る為に子供を鍛え始めた。
言葉は鍛えるにしてるけど、多分上手くいかん現状を俺らに当たり散らしとったんやろうな。
そやないと、俺の右腕が使いもんにならんように火鉢で殴ることなんてあらへんと思うし。
呪術師の家も地獄やって聞くけど、呪術師の方はまだ呪術師になれるような痛めつけ方せえへん。
でもその分、差別とか精神攻撃がねちねちしてるんやろうと思う。
うちはそこそこの結果を挙げて、殴られるときはサウンドバックになったらそれで終わりやし。
呪詛師は脳筋やねん。
まっ、要約すると虐待も生ぬるいドメスティックでヴァイオレンスな呪詛師一家で俺は十二まで過ごした。
十三になる誕生日には記念に家出して行方くらましたからな。
その途中で呪術師に目ぇ付けられて呪具職人として引っ張り上げられた。
そこまではよかったんやけど、俺に目ぇつけた呪術師は悪い人でな。
ノルマ達成したら戸籍を上げるって言うとるけど、そのノルマ一向に達成させる気がないやつでなぁ。
最初はこんなん無理やって言って逃げ出そうとしたけど、よくよく考えたら戸籍がない僕が生きれる場所なんて限られてんねん。
ここで一生呪術師の奴隷をするか、家に戻って呪詛師として狙われるか。
んなもん選択肢は実質一個や。
まぁ、経歴調べられへんっていう無戸籍のメリットのお陰か、俺は今の今まで宮城で息しとるけどな………。
年齢詐称してた理由?
そりゃ、若いもんは舐められて値切られやすいからなぁ。
嘘でも年齢は盛っといたら生意気言う奴はちょっとは減るねん。まぁ、商売を楽にするもんやと思って欲しい。
はい、これで俺の身の上話終わり!!今度は嬢ちゃんの番やで!!
「ふぅん、苦労してんのね。あっ、カルビもう一皿ください」
「そんな苦労してるひとの財布に容赦ないんのはなんで?」
「アンサー、そこに肉があるからです」
「ていうか、お前何皿食うねん……」
「今ので16皿目かな。流石に20皿で終わりにするわよ」
「はぁ?20っ皿!?おま、ほんと俺の財布考えてないやん………」
「別にちょっとくらいいいじゃない。それにあなた、金回りもいいみたいだし」
そのジャージと眼帯、ブランド物でしょ。結構いい値段するはずよね?
にぃっと、チシャ猫のように目を細めて幼女は笑った。
見たことのない膨大な呪力を感じ取っていざ見てみれば、ランドセルを背負ったただのガキ。
最初はどっかの御三家から逃げ出して来た子供かと思っとったけど、どうやら完全に一般家庭出身の子供らしい。
そんな子供がなんでここに?という疑問はあったが、金はあるが後継が絶望的な呪詛師か呪術師の家に売っ払おうとしていたので特に聞かへんかった。
ざんばらに切られた髪の毛や日本人離れした色素と美貌から見るに訳アリなんやろう。
それで家出ほやほややった過去の自分とその幼女を重ねてしもたのが運の尽き。
やけに口が回るので興味本位で耳を傾けていればいつのまにかこの幼女のペースに飲まれとった。
そいして、「救ってあげる」という言葉に半信半疑で付いていった結果、幼女は術式どころか呪力すらも使っとらん生身の頭脳だけで僕の素性を言い当てるバケモン急の切れ者だと判明した。
とんでもないものを引いてしまったなぁ。っと思いながら今から軽くなるであろう財布を撫でる。
「うーん、牛タンうま」
「そりゃよかったわ」
「この店オリジナルだれってのも美味しい………あ、そうだあなたの戸籍なら1週間後に出来るわよ」
「そりゃよかっt____はぁ!?!?」
「言っとくけど私が直接作ってる訳じゃないから」
「じゃあ誰やねん」
「パトロンよ」
「はぁ?」
「私のパトロンに頼んで作ってもらうの」
[大文字][大文字]「はぁ!?」[/大文字][/大文字]
母は他所から攫われてきたせいか、大阪弁とも京都弁ともちゃう、えっと………せや。
[漢字]廓言葉[/漢字][ふりがな]くるわことば[/ふりがな]ちゅう独特な喋り方をする人やった。
本人曰く、呪術師御用達の色を売る店でそこそこな位置におったのに父に攫われたせいで、呪詛師として認定されて最悪だと嘆く暇もなく価値を上げる為に守ってきた純潔を攫った男に散らされ、子を身籠った。
その子なんて関係なく逃げればええもんを、腹におる子は大事にするっちゅう“籠女”の教育に倣って子を産んだ。そら僕の1番上の兄貴やった。
幸か不幸か、最初に男児を産んだ母は父とその一家にいたく気に入られて父の正妻になったねねん。
まぁ、みんな呪詛師で戸籍なんてあれへんので呪術師に突き出していてこますと脅して閉じ込めたようなもんやった。
ほんで母は次々に呪力と術式を持った子を産んだ。
イー、アー、サン、スー、ウー、リウ、チー、バー、ジウ、シィー、シィー イー、シィーアー、シィーサン。
なんやとて思う?
うん、中国の1〜13の言い方。
せやけど、ちょっとちゃうねん。
これは僕ら兄弟の名前やねん。
一郎、二郎とかよりもえげつないやんなぁ。でもほんまやねんで。
母親は望まぬ相手との子供やし名前を付ける気がなかったんやろうな。
だからか、父親がつけてた。
センスどこに置いて来たみらいな名前やけど、父親と親族は呼べたらええって感じやったし。
俺も名前なんか個体番号みたいなもんやと思っとったからどおでもよかった。
それに、名前なんかよりも今日を生き残る方が大事やった。
呪霊が年々力を増すのに比例して、呪術師の質も上がっとったらから呪詛師がドンドン狩られて行いったから、うちの家も没落寸前。
まぁ父親親族はそんなこと許すはずもなかったけど、自分の力の限界を悟っとった。
だから、次の世代の呪詛師を強くしようと子供を作った。
他所を攫ったんは呪詛師の家に嫁ぐ術師が居らんかったからやな。
母親も“籠女”としての教育受けてたしちょうどええとおもったんやろ。
あ?“籠女”について?
そっか、説明しとらんかったな。
“籠女”は術師の女を産む為だけに育てられた女のこと。
一般的には妊婦はんのことやけど、呪術界での“籠女”はそういう人やと思っとき。
話は戻すけど、生まれた子供はみな呪力と術師を持っとった。
それだけでも呪詛師にとっては大収穫やけど、父親は満足せんかった。
より強い呪詛師を、他に負けない呪詛師を作る為に子供を鍛え始めた。
言葉は鍛えるにしてるけど、多分上手くいかん現状を俺らに当たり散らしとったんやろうな。
そやないと、俺の右腕が使いもんにならんように火鉢で殴ることなんてあらへんと思うし。
呪術師の家も地獄やって聞くけど、呪術師の方はまだ呪術師になれるような痛めつけ方せえへん。
でもその分、差別とか精神攻撃がねちねちしてるんやろうと思う。
うちはそこそこの結果を挙げて、殴られるときはサウンドバックになったらそれで終わりやし。
呪詛師は脳筋やねん。
まっ、要約すると虐待も生ぬるいドメスティックでヴァイオレンスな呪詛師一家で俺は十二まで過ごした。
十三になる誕生日には記念に家出して行方くらましたからな。
その途中で呪術師に目ぇ付けられて呪具職人として引っ張り上げられた。
そこまではよかったんやけど、俺に目ぇつけた呪術師は悪い人でな。
ノルマ達成したら戸籍を上げるって言うとるけど、そのノルマ一向に達成させる気がないやつでなぁ。
最初はこんなん無理やって言って逃げ出そうとしたけど、よくよく考えたら戸籍がない僕が生きれる場所なんて限られてんねん。
ここで一生呪術師の奴隷をするか、家に戻って呪詛師として狙われるか。
んなもん選択肢は実質一個や。
まぁ、経歴調べられへんっていう無戸籍のメリットのお陰か、俺は今の今まで宮城で息しとるけどな………。
年齢詐称してた理由?
そりゃ、若いもんは舐められて値切られやすいからなぁ。
嘘でも年齢は盛っといたら生意気言う奴はちょっとは減るねん。まぁ、商売を楽にするもんやと思って欲しい。
はい、これで俺の身の上話終わり!!今度は嬢ちゃんの番やで!!
「ふぅん、苦労してんのね。あっ、カルビもう一皿ください」
「そんな苦労してるひとの財布に容赦ないんのはなんで?」
「アンサー、そこに肉があるからです」
「ていうか、お前何皿食うねん……」
「今ので16皿目かな。流石に20皿で終わりにするわよ」
「はぁ?20っ皿!?おま、ほんと俺の財布考えてないやん………」
「別にちょっとくらいいいじゃない。それにあなた、金回りもいいみたいだし」
そのジャージと眼帯、ブランド物でしょ。結構いい値段するはずよね?
にぃっと、チシャ猫のように目を細めて幼女は笑った。
見たことのない膨大な呪力を感じ取っていざ見てみれば、ランドセルを背負ったただのガキ。
最初はどっかの御三家から逃げ出して来た子供かと思っとったけど、どうやら完全に一般家庭出身の子供らしい。
そんな子供がなんでここに?という疑問はあったが、金はあるが後継が絶望的な呪詛師か呪術師の家に売っ払おうとしていたので特に聞かへんかった。
ざんばらに切られた髪の毛や日本人離れした色素と美貌から見るに訳アリなんやろう。
それで家出ほやほややった過去の自分とその幼女を重ねてしもたのが運の尽き。
やけに口が回るので興味本位で耳を傾けていればいつのまにかこの幼女のペースに飲まれとった。
そいして、「救ってあげる」という言葉に半信半疑で付いていった結果、幼女は術式どころか呪力すらも使っとらん生身の頭脳だけで僕の素性を言い当てるバケモン急の切れ者だと判明した。
とんでもないものを引いてしまったなぁ。っと思いながら今から軽くなるであろう財布を撫でる。
「うーん、牛タンうま」
「そりゃよかったわ」
「この店オリジナルだれってのも美味しい………あ、そうだあなたの戸籍なら1週間後に出来るわよ」
「そりゃよかっt____はぁ!?!?」
「言っとくけど私が直接作ってる訳じゃないから」
「じゃあ誰やねん」
「パトロンよ」
「はぁ?」
「私のパトロンに頼んで作ってもらうの」
[大文字][大文字]「はぁ!?」[/大文字][/大文字]