雨宮詩音の、100楽曲。
「ねえ空! こんなの見つけたんだけど!」
私の隣で、親友の[漢字]歌子[/漢字][ふりがな]うたこ[/ふりがな]が声をあげた。
「…何?」
「雨の日の少年、だって!」
「雨の…?」
ここ、音楽準備室は昔使われてなくて、倉庫みたいになってたらしい。だからだろうか。
誰かが書いたメモ書きみたいな紙が眠っていた。
私達は、今、準備室の片付けをしていたのだ。
「なんかおもしろそうじゃない?」
「歌子…、人の勝手に触っちゃだめ」
はしゃぐ歌子に、私はビシッと言った。
「そうかなぁ…残念」
「そういえばさ」
私は別の話題に振った。
「今度の合唱コンテストの曲、まだ決まんないのかな」
「ほんとそう! あたし達も早く練習したいのに」
私と歌子は合唱部なんだ!
私は[漢字]幸鈴空[/漢字][ふりがな]さなすずそら[/ふりがな]。中二、趣味は合唱!
今度合唱コンクールがあるから、ドキドキしてるんだ。
「そういえばさ、転校生来るって噂だけど」
「マジ?」
「男子らしいよ」
転校生かあ。合唱部に入ってくれたらな。
私の通う美濃中合唱部はそんなに人がいない。
「くっしゅーん」
「歌子、ハウスダスト?」
「ホコリが…ぐしゅ」
歌子がくしゃみをした。
「早く帰ろ」
これが私達の日常──。
そんな毎日が、転校生によって、思いっきり変わってしまうなんて、その時私は思いもしなかったのだ。
私の隣で、親友の[漢字]歌子[/漢字][ふりがな]うたこ[/ふりがな]が声をあげた。
「…何?」
「雨の日の少年、だって!」
「雨の…?」
ここ、音楽準備室は昔使われてなくて、倉庫みたいになってたらしい。だからだろうか。
誰かが書いたメモ書きみたいな紙が眠っていた。
私達は、今、準備室の片付けをしていたのだ。
「なんかおもしろそうじゃない?」
「歌子…、人の勝手に触っちゃだめ」
はしゃぐ歌子に、私はビシッと言った。
「そうかなぁ…残念」
「そういえばさ」
私は別の話題に振った。
「今度の合唱コンテストの曲、まだ決まんないのかな」
「ほんとそう! あたし達も早く練習したいのに」
私と歌子は合唱部なんだ!
私は[漢字]幸鈴空[/漢字][ふりがな]さなすずそら[/ふりがな]。中二、趣味は合唱!
今度合唱コンクールがあるから、ドキドキしてるんだ。
「そういえばさ、転校生来るって噂だけど」
「マジ?」
「男子らしいよ」
転校生かあ。合唱部に入ってくれたらな。
私の通う美濃中合唱部はそんなに人がいない。
「くっしゅーん」
「歌子、ハウスダスト?」
「ホコリが…ぐしゅ」
歌子がくしゃみをした。
「早く帰ろ」
これが私達の日常──。
そんな毎日が、転校生によって、思いっきり変わってしまうなんて、その時私は思いもしなかったのだ。