雨宮詩音の、100楽曲。
「そーらーぁ」
歌子がぶんぶん腕を振って私を呼んでいる。
「何、歌子」
「これ、読んだんだけど、おもしろかったよ」
この前、準備室の片付けで見つけた紙──。
私は歌子にジト目を向ける。
「人のもん勝手に触っちゃダメって言ったよね?」
私、まるで歌子の保護者みたいだ。
「だって…」
「口答えは許しません」
するとなぜか部長に笑われた。
「なんで笑うんですか部長」
「いやだってね、面白いから。ねえ、[漢字]行成[/漢字][ふりがな]ゆきなり[/ふりがな]」
そっちを見ると、なんと超真面目な副部長の[漢字]河原町行成[/漢字][ふりがな]かわらまちゆきなり[/ふりがな]さんまで笑いをこらえてる!
なぜ!
「まーいーや、つーづーきっ。だってこの人、もう卒業してるよ。去年の三年生だもん」
ふーん。それならまだいっか。
私も軽く読ませてもらった。
雨の日彼はやってくる。ピアノが得意。わずかに影がある──。
[太字]雨宮くん?[/太字]
雨宮くんが転校してきた日は、雨の日だった。
雨宮くん、ピアノ得意だし。
たまに、すっごく哀しい顔するんだよね…。
っていや、ただの偶然に決まってる。そんなことあり得ないっ。
最後は、「彼の目的とは──」って終わってる。続き書いてないの?
右上に、名前が書いてあった。
「えーっと?」
[太字][漢字]雨宮奏音[/漢字][ふりがな]あめみやかのん[/ふりがな]。[/太字]
えっ。
雨宮くんの、お姉ちゃんだったり…?
じゃあまさか、雨宮くんに、何か関係あるの…?
「歌子」
「なぁに?」
「これ…もらっていい?」
歌子はびっくりしていた。
「いいけど…人のもん勝手に触っちゃダメって言ったよね?」
「うぐっ。忘れろ」
雨宮奏音か…。今度雨宮くんに聞いてみよう。
歌子がぶんぶん腕を振って私を呼んでいる。
「何、歌子」
「これ、読んだんだけど、おもしろかったよ」
この前、準備室の片付けで見つけた紙──。
私は歌子にジト目を向ける。
「人のもん勝手に触っちゃダメって言ったよね?」
私、まるで歌子の保護者みたいだ。
「だって…」
「口答えは許しません」
するとなぜか部長に笑われた。
「なんで笑うんですか部長」
「いやだってね、面白いから。ねえ、[漢字]行成[/漢字][ふりがな]ゆきなり[/ふりがな]」
そっちを見ると、なんと超真面目な副部長の[漢字]河原町行成[/漢字][ふりがな]かわらまちゆきなり[/ふりがな]さんまで笑いをこらえてる!
なぜ!
「まーいーや、つーづーきっ。だってこの人、もう卒業してるよ。去年の三年生だもん」
ふーん。それならまだいっか。
私も軽く読ませてもらった。
雨の日彼はやってくる。ピアノが得意。わずかに影がある──。
[太字]雨宮くん?[/太字]
雨宮くんが転校してきた日は、雨の日だった。
雨宮くん、ピアノ得意だし。
たまに、すっごく哀しい顔するんだよね…。
っていや、ただの偶然に決まってる。そんなことあり得ないっ。
最後は、「彼の目的とは──」って終わってる。続き書いてないの?
右上に、名前が書いてあった。
「えーっと?」
[太字][漢字]雨宮奏音[/漢字][ふりがな]あめみやかのん[/ふりがな]。[/太字]
えっ。
雨宮くんの、お姉ちゃんだったり…?
じゃあまさか、雨宮くんに、何か関係あるの…?
「歌子」
「なぁに?」
「これ…もらっていい?」
歌子はびっくりしていた。
「いいけど…人のもん勝手に触っちゃダメって言ったよね?」
「うぐっ。忘れろ」
雨宮奏音か…。今度雨宮くんに聞いてみよう。