雨宮詩音の、100楽曲。
私がもうすぐ中学生の、あの日。
私はお母さんと出かけていた。
その頃お母さんは仕事が赤字で、必死で働いてた。
忙しい間を縫って一緒に出かけてくれただけでも感謝するべきなのに。
私はその日虫の居所が悪かった。
「お母さん、なんでそんなに仕事のことばっかなの? 私の気持ちも考えてよ」
私はつい、お母さんにあたってしまったのだ。
三月だというのに吹く風はまだものすごく冷たかった。
「私だって忙しいの、わからないの⁉︎」
珍しく荒げた声だった。
…よっぽど大変だったんだろう。それなのに…。
「はあ、まったく空は…」
ため息をつくお母さんを見て、私は…。
お母さんの手を、振りほどいた。
「空⁉︎」
私は走った。
走って走って走った。
嫌な気持ちを吹き飛ばすように。
そのうち、空が暗くなってきた。
雷が鳴った。
私の気持ちそのものを、空が表してるみたいだった。
ゴロゴロガッシャーン…。
お母さん…怖いよ…。
そう言いかけて、私は固まった。
隣に、いつもこういう時は大丈夫だよって安心させてくれるお母さんがいない。
私、独りだ…。
私はその事実に、今さらながらのように気づいたのだ。
怖い。
雷が襲ってくるようだった。
私はふらふらと歩き続けた。
止まってしまったら、本当に何もかも終わってしまうような気がして…。
目の前に、交番が見えた。
私は駆け込んだ。
警察の人に、「幸鈴空ちゃんか⁉︎」と言われた。私ははい…と頷いただけで、へなへなと床にへたり込んでしまった。
とりあえず良かったと思った。
でも…悲劇はそのあとに…。
お母さんが、倒れて、病院に運ばれた。
それを聞いて、私は心臓が止まるかと思った。
こんな寒い中、私を探したから…。
お母さんは、もともと病弱だった。
それと仕事の疲れが重なって…。
[太字]私の、せいだ。[/太字]
私はお母さんと出かけていた。
その頃お母さんは仕事が赤字で、必死で働いてた。
忙しい間を縫って一緒に出かけてくれただけでも感謝するべきなのに。
私はその日虫の居所が悪かった。
「お母さん、なんでそんなに仕事のことばっかなの? 私の気持ちも考えてよ」
私はつい、お母さんにあたってしまったのだ。
三月だというのに吹く風はまだものすごく冷たかった。
「私だって忙しいの、わからないの⁉︎」
珍しく荒げた声だった。
…よっぽど大変だったんだろう。それなのに…。
「はあ、まったく空は…」
ため息をつくお母さんを見て、私は…。
お母さんの手を、振りほどいた。
「空⁉︎」
私は走った。
走って走って走った。
嫌な気持ちを吹き飛ばすように。
そのうち、空が暗くなってきた。
雷が鳴った。
私の気持ちそのものを、空が表してるみたいだった。
ゴロゴロガッシャーン…。
お母さん…怖いよ…。
そう言いかけて、私は固まった。
隣に、いつもこういう時は大丈夫だよって安心させてくれるお母さんがいない。
私、独りだ…。
私はその事実に、今さらながらのように気づいたのだ。
怖い。
雷が襲ってくるようだった。
私はふらふらと歩き続けた。
止まってしまったら、本当に何もかも終わってしまうような気がして…。
目の前に、交番が見えた。
私は駆け込んだ。
警察の人に、「幸鈴空ちゃんか⁉︎」と言われた。私ははい…と頷いただけで、へなへなと床にへたり込んでしまった。
とりあえず良かったと思った。
でも…悲劇はそのあとに…。
お母さんが、倒れて、病院に運ばれた。
それを聞いて、私は心臓が止まるかと思った。
こんな寒い中、私を探したから…。
お母さんは、もともと病弱だった。
それと仕事の疲れが重なって…。
[太字]私の、せいだ。[/太字]