『記憶』の先に未来があるのなら。
「ッ!」
夢か。
起きたらさびれた廃ビルの中だった。
(そうか、任務の前の仮眠)
モヤモヤと引っかかるような夢を見た、と思う。
(なんかとんでもないぐらいの痛みが走ったような気がするが…)
「どうなされましたの?[漢字]赤龍[/漢字][ふりがな]せきりゅう[/ふりがな]様?」
私が飛び起きたのを見て、相棒である[漢字]青龍[/漢字][ふりがな]せいりゅう[/ふりがな]こと[漢字]幅屋[/漢字][ふりがな]はばや[/ふりがな] [漢字]檸[/漢字][ふりがな]ねい[/ふりがな]が声をかけてくる。
「いや、問題ない。それより任務中ではないのだから赤龍と呼ぶのはやめてくれ、檸」
「そうですわね。申し訳ございません、[漢字]七示[/漢字][ふりがな]ななし[/ふりがな]様」
「様もいらないんだけどな」
「いいえ。そういう訳にはいかないですわ」
首をふる檸をみて、小さくため息をつく。
[漢字]何時鳴[/漢字][ふりがな]いつなき[/ふりがな]家は昔、幅屋家を助けたことがある。
だから檸は何時鳴家の私にとてもかしこまって言葉をかわすのだ。
「ところで、先程は[漢字]魘[/漢字][ふりがな]うな[/ふりがな]されていたようですけれど、どうしたのです?」
「ああ…」
檸に言われたことで、自分が魘されていたことを思い出した。
「何でもない。ただ疲れているだけだろう」
なんでもなくないと思う。だけど、どうしても頭の中に霧がかかって、どんな夢を見ていたのかを思い出せなかった。
「仮眠中でしたので任務への恐怖などでしょうか…?どちらにしろ、心配ですわ」
「恐怖?この[太字][漢字]『龍亭峰』[/漢字][ふりがな]りゅうていほう[/ふりがな][/太字]に属す7大幹部である私はもうとっくの等に捨てた感情だね」
思わず吐き捨てるように呟いた私に、檸はわずかに驚いたような顔をし、そして優しい笑みを作る。
「そうですわね。[漢字]龍亭峰第3幹部赤龍[/漢字][ふりがな]りゅうていほうだいさんかんぶせきりゅう[/ふりがな]こと何時鳴 七示様」
「行こうか。次の任務は敵対組織[漢字]『八目探偵事務所』[/漢字][ふりがな]はちめたんていじむしょ[/ふりがな]の処理だ」
「ええ」
二人の龍が夜の闇に吸い込まれて消えた。
夢か。
起きたらさびれた廃ビルの中だった。
(そうか、任務の前の仮眠)
モヤモヤと引っかかるような夢を見た、と思う。
(なんかとんでもないぐらいの痛みが走ったような気がするが…)
「どうなされましたの?[漢字]赤龍[/漢字][ふりがな]せきりゅう[/ふりがな]様?」
私が飛び起きたのを見て、相棒である[漢字]青龍[/漢字][ふりがな]せいりゅう[/ふりがな]こと[漢字]幅屋[/漢字][ふりがな]はばや[/ふりがな] [漢字]檸[/漢字][ふりがな]ねい[/ふりがな]が声をかけてくる。
「いや、問題ない。それより任務中ではないのだから赤龍と呼ぶのはやめてくれ、檸」
「そうですわね。申し訳ございません、[漢字]七示[/漢字][ふりがな]ななし[/ふりがな]様」
「様もいらないんだけどな」
「いいえ。そういう訳にはいかないですわ」
首をふる檸をみて、小さくため息をつく。
[漢字]何時鳴[/漢字][ふりがな]いつなき[/ふりがな]家は昔、幅屋家を助けたことがある。
だから檸は何時鳴家の私にとてもかしこまって言葉をかわすのだ。
「ところで、先程は[漢字]魘[/漢字][ふりがな]うな[/ふりがな]されていたようですけれど、どうしたのです?」
「ああ…」
檸に言われたことで、自分が魘されていたことを思い出した。
「何でもない。ただ疲れているだけだろう」
なんでもなくないと思う。だけど、どうしても頭の中に霧がかかって、どんな夢を見ていたのかを思い出せなかった。
「仮眠中でしたので任務への恐怖などでしょうか…?どちらにしろ、心配ですわ」
「恐怖?この[太字][漢字]『龍亭峰』[/漢字][ふりがな]りゅうていほう[/ふりがな][/太字]に属す7大幹部である私はもうとっくの等に捨てた感情だね」
思わず吐き捨てるように呟いた私に、檸はわずかに驚いたような顔をし、そして優しい笑みを作る。
「そうですわね。[漢字]龍亭峰第3幹部赤龍[/漢字][ふりがな]りゅうていほうだいさんかんぶせきりゅう[/ふりがな]こと何時鳴 七示様」
「行こうか。次の任務は敵対組織[漢字]『八目探偵事務所』[/漢字][ふりがな]はちめたんていじむしょ[/ふりがな]の処理だ」
「ええ」
二人の龍が夜の闇に吸い込まれて消えた。