「やばい寝過ごした」
つい凛さんを眺めていたら家を出るのが遅くなってしまった。あわてて僕は家を出ておにぎりを食べながら会社に向かった。
僕が通う会社は電車で10分くらいの２つ先の隣町にある。
「はぁはぁ」
数分出勤が遅れたがなんとかついた
「おい柳橋また遅刻したのか」
やばい課長にバレてる。
「すいません、朝ご飯食べるのが少し遅くなってしまって」
「おまえの嫁は朝ご飯もろくに作れないのか」
凛を馬鹿にされて少しイラッとした
この課長の名前は武藤沙羅（ムトウ　サラ）、僕はこの人が苦手である。とても正義感の強い人で会社の中でも結構人気が高いけど怒るととても怖い。
「課長悪いのは僕で凛は何も悪くはないんです」
「そうか、そこまで言うなら今日の帰りにお前の嫁に合わせろ」
「え.....」
「今日家に来るってことですか？」
「まあそうゆうことになるな」
えなんでこうなった、課長が家に来るなんてー！
・会社終わりの頃・
課長が駅前で待っていた。
「あの、課長今からでもうちに来るのやめませんか」
「いや、ここまで来たら行くに決まっているだろう」
僕たちは電車に乗った。一応凛さんには課長が来るって伝えたけど大丈夫かな、そんなことを考えていたら家についていた。
「ただいまー」
「おかえりー」
「おじゃまします」
「凛さん何をしているの？」
「寝っ転がってる」
いや、緊張感なさすぎ、課長が来ているんだよ。それに課長本人もどう対応すればいいか迷ってそうな顔をしている。
「この人が君の嫁さんなの」
課長が戸惑っている。
「凛さん起きて」　
「わかった」
「紹介するね、この人が僕の妻の凛さんです」
「よろしくお願いします」
「私は武藤沙羅といいます」
「ところで柳橋凛さんあなた料理できるの？あまりできる見えないけど」
「一応心得ております」
「なら私たちに手料理を作ってくれないかしら？」
課長は凛さんを疑っているようだけど大丈夫かな、ちなみに僕が心配をしているのは凛さんではない課長の方だ。
「わかりました、少々お待ちください」
・数分後・
「そんな、なんだあの動きは、人の次元を超えた速度で動かないと説明がつかない」
課長はすごく驚いていた。理由は単純で、凛さんがキャベツの千切りを数秒で行い、大根をおろしながらフライパンで肉を焼き、いっぺんの無駄もなく動いていたからである。しかもできた料理はとても美味しく、課長が驚くほどのものであったからだ。
「やばい、美味しすぎる」
課長は夢中で凛さんが出した料理にかぶりついている。
「柳橋くん君はいつもこんなおいしい料理を食べているのかい」
「まあ、本当にいつも凛さんには感謝しています」
その後課長は満足したのか家に帰った。
「今日は本当にありがとう凛さん」
「ぜんぜん、ナサくんのお願いなら何でも聞くよ」
「そういえば凛さん今日は仕事あるの？」
「えーと、今日は確かあると思う」
「じゃあ僕は先に寝てるね、あ休み凛さん仕事頑張ってね」
そして僕はいつものように眠りについた。
・朝・
「イタッ」
僕は痛みとともに気分の悪い朝を迎えた。体を起こすと雪菜が俺の布団の上に乗っていた。
「早く準備して、プールに行って殺し屋ランク検定の練習をするよ」
そういえば今日だった、まだ寝たいけど今日一日頑張りますか。