二次創作
【参加型】つまりそれって、冒涜的なサークル活動【HQホラー】
ノックを3回。
髪の毛がスゴイと噂のパソコン室の教授の「はーい」という声を聞いてから、結衣と聖はスライド式の扉を開けた。
……なるほど、これは髪の毛がすごい。
例えるなら鶏のトサカ(単冠)。髪の毛の後ろにかけてツンツンとしており、前髪もツンツンしながらも垂れていてありたいに言うなら怪しい。
結衣が思わず「電話越しでは口座番号は教えられません」と言いそうになったぐらい怪しい。
「結衣ちゃん、教授さん詐欺師っぽいね」
まぁ言わなくても聖が言うんだけど。
結衣は思わず笑いを隠すために顔を覆った。学生がいるんだろう、パソコン室の奥から笑いを堪える声がした。
結衣はよそ行きの笑顔を貼り付けて、肩を震わせ笑いを耐えるという無駄に高度なことをしながら聖の肩を叩いた。聖は思ったことが口に出てしまっているのに気付いたのかハッという顔をして「すいませんっ!!」と頭を下げる。
教授__黒尾は「キニシナイデクダサイ」っとなぜかカタコトで返した。
「はじめましてオカルトサークルの調査で来ました。私は雨晴 結衣で、この子は「夜咲 聖!」、です。調査の許可をいただいてもいいですか?」
「オカルトサークル……?ああ、うちに「パソコン室の猫」のことね」
「ご存知でしたか。すいません、色々聞いてもいいですか?」
「ああハイ、それは勿論。なんか、オカルトサークルって言ったらナッちゃんのイメージだから、なんか君たちみたいなお嬢さん居ると新鮮だわ」
「………ありがとう、ございます?」
よく分からなさそうな顔でお礼をしたが、よくよく考えたら黒尾教授がナッちゃんを知っているということはそれだけやらかしたって事では?
……やらかした人とサークル一緒だと自分までもやらかす人だと認識されそうだ。
結衣は七不思議の調査が終わったらオカルトサークルを抜けることを決意した。
「では早速なんですが、「パソコン室の猫」の噂って本当ですか?」
「うーーん、知らない」
「と、いいますと?」
「実際パソコン室には昔から目つきが悪い三毛猫が居たんだよ。でも前の教授が辞めて、俺がやってきてからは猫はめっきりこなくなったんだよねぇ」
「なるほど……猫が来なくなったから、そもそもその猫が不幸を呼ぶとか恋人を連れてきてくれるとかも確かめようがないのか……」
「えっそんな噂もあんの!?」
「はい、ご存知ないんですか?」
「ふっ……フフwwウン、俺はちょっとご存知ないデスね」
なぜか突然笑い出した黒尾教授に困惑したが、思い出し笑いだと誤魔化された。窓からの逆光と胡散臭さも相俟って悪の幹部みたいな仕上がりだ。
「まぁ俺は知らないけど、そこでパソコン弄ってるコヅメくんなら知ってるかも」
「はぁ?ちょっと、勝手に巻き込まないでよ」
コヅメと呼ばれた生徒がディスプレイから顔を出した。
染めた金髪が中途半端に伸びてプリン頭になっていて、目付きも鋭いので不良っぽい。だが、それぐらいで止まる聖ではなかった。
「コヅメくんは「パソコン室の猫」について何か知ってるの?」
「いや、知ってるっていうか……」
「ちょっとだけでもいいから!!お願い!!」
押せ押せの聖と若干引き気味コヅメくん。
これは聖が勝ったな。っと一人確信した結衣はナッちゃん先輩から貰ったプリントを広げてコヅメくんから語られるであろう「パソコンの猫」の正体を書き留める準備をした。
「はぁ……イメージと違ってても文句言わないでね」
「言わないよ!それよりその三毛猫ちゃんってどんなのだったの?」
「………生意気でずる賢いし、愛想が悪くて撫でられるのも嫌うから構う人は前の教授ぐらいだった」
「教授さん猫好きだったんだね!」
「それは知らない。でもその猫、結構長生きしたみたいだよ。もう死んじゃったけど」
「そっかぁ、居たら撫でてみたかったのに」
「不幸になるかもしれないのに?」
「コヅメくんから聞く限り普通の猫じゃん。別に不幸を呼ぶような子じゃないんでしょ?それなら普通に猫ちゃん可愛いし撫でたい。むしろチュールを献上しでたい」
「……ふーん」
聖の推しの強さにやられたコヅメくんは猫について語ってくれた。
聞く限りパソコン室には実際に猫がいたけど、特に不幸を呼ぶ出来事とかはなかった。多分、誰かが作った猫の噂に尾鰭がついて七不思議になったんだろ。っと自分の憶測を話すとコヅメくんは頷いた。
「ねぇねぇ、そに猫ちゃんの名前って何?」
「……知らない」
「そっかぁ」
ちょっと残念そうな顔をした聖は「お話ありがとう!」っと言ってコヅメくんの側を離れた。最後に二人で黒尾教授に挨拶をして、パソコン室を後にした。
二人は知らない。
パソコン室の猫は事実であり、コヅメくんが嘘をついたことを。
二人は気付かない。
茶色と黒の二対の瞳がこちらを見ていることを。
「ゆっちゃんも、のっちも、せいぜい頑張って生き延びてね」
二人は知らない。
狂気と混沌を呼ぶ邪神が笑っていることを。
髪の毛がスゴイと噂のパソコン室の教授の「はーい」という声を聞いてから、結衣と聖はスライド式の扉を開けた。
……なるほど、これは髪の毛がすごい。
例えるなら鶏のトサカ(単冠)。髪の毛の後ろにかけてツンツンとしており、前髪もツンツンしながらも垂れていてありたいに言うなら怪しい。
結衣が思わず「電話越しでは口座番号は教えられません」と言いそうになったぐらい怪しい。
「結衣ちゃん、教授さん詐欺師っぽいね」
まぁ言わなくても聖が言うんだけど。
結衣は思わず笑いを隠すために顔を覆った。学生がいるんだろう、パソコン室の奥から笑いを堪える声がした。
結衣はよそ行きの笑顔を貼り付けて、肩を震わせ笑いを耐えるという無駄に高度なことをしながら聖の肩を叩いた。聖は思ったことが口に出てしまっているのに気付いたのかハッという顔をして「すいませんっ!!」と頭を下げる。
教授__黒尾は「キニシナイデクダサイ」っとなぜかカタコトで返した。
「はじめましてオカルトサークルの調査で来ました。私は雨晴 結衣で、この子は「夜咲 聖!」、です。調査の許可をいただいてもいいですか?」
「オカルトサークル……?ああ、うちに「パソコン室の猫」のことね」
「ご存知でしたか。すいません、色々聞いてもいいですか?」
「ああハイ、それは勿論。なんか、オカルトサークルって言ったらナッちゃんのイメージだから、なんか君たちみたいなお嬢さん居ると新鮮だわ」
「………ありがとう、ございます?」
よく分からなさそうな顔でお礼をしたが、よくよく考えたら黒尾教授がナッちゃんを知っているということはそれだけやらかしたって事では?
……やらかした人とサークル一緒だと自分までもやらかす人だと認識されそうだ。
結衣は七不思議の調査が終わったらオカルトサークルを抜けることを決意した。
「では早速なんですが、「パソコン室の猫」の噂って本当ですか?」
「うーーん、知らない」
「と、いいますと?」
「実際パソコン室には昔から目つきが悪い三毛猫が居たんだよ。でも前の教授が辞めて、俺がやってきてからは猫はめっきりこなくなったんだよねぇ」
「なるほど……猫が来なくなったから、そもそもその猫が不幸を呼ぶとか恋人を連れてきてくれるとかも確かめようがないのか……」
「えっそんな噂もあんの!?」
「はい、ご存知ないんですか?」
「ふっ……フフwwウン、俺はちょっとご存知ないデスね」
なぜか突然笑い出した黒尾教授に困惑したが、思い出し笑いだと誤魔化された。窓からの逆光と胡散臭さも相俟って悪の幹部みたいな仕上がりだ。
「まぁ俺は知らないけど、そこでパソコン弄ってるコヅメくんなら知ってるかも」
「はぁ?ちょっと、勝手に巻き込まないでよ」
コヅメと呼ばれた生徒がディスプレイから顔を出した。
染めた金髪が中途半端に伸びてプリン頭になっていて、目付きも鋭いので不良っぽい。だが、それぐらいで止まる聖ではなかった。
「コヅメくんは「パソコン室の猫」について何か知ってるの?」
「いや、知ってるっていうか……」
「ちょっとだけでもいいから!!お願い!!」
押せ押せの聖と若干引き気味コヅメくん。
これは聖が勝ったな。っと一人確信した結衣はナッちゃん先輩から貰ったプリントを広げてコヅメくんから語られるであろう「パソコンの猫」の正体を書き留める準備をした。
「はぁ……イメージと違ってても文句言わないでね」
「言わないよ!それよりその三毛猫ちゃんってどんなのだったの?」
「………生意気でずる賢いし、愛想が悪くて撫でられるのも嫌うから構う人は前の教授ぐらいだった」
「教授さん猫好きだったんだね!」
「それは知らない。でもその猫、結構長生きしたみたいだよ。もう死んじゃったけど」
「そっかぁ、居たら撫でてみたかったのに」
「不幸になるかもしれないのに?」
「コヅメくんから聞く限り普通の猫じゃん。別に不幸を呼ぶような子じゃないんでしょ?それなら普通に猫ちゃん可愛いし撫でたい。むしろチュールを献上しでたい」
「……ふーん」
聖の推しの強さにやられたコヅメくんは猫について語ってくれた。
聞く限りパソコン室には実際に猫がいたけど、特に不幸を呼ぶ出来事とかはなかった。多分、誰かが作った猫の噂に尾鰭がついて七不思議になったんだろ。っと自分の憶測を話すとコヅメくんは頷いた。
「ねぇねぇ、そに猫ちゃんの名前って何?」
「……知らない」
「そっかぁ」
ちょっと残念そうな顔をした聖は「お話ありがとう!」っと言ってコヅメくんの側を離れた。最後に二人で黒尾教授に挨拶をして、パソコン室を後にした。
二人は知らない。
パソコン室の猫は事実であり、コヅメくんが嘘をついたことを。
二人は気付かない。
茶色と黒の二対の瞳がこちらを見ていることを。
「ゆっちゃんも、のっちも、せいぜい頑張って生き延びてね」
二人は知らない。
狂気と混沌を呼ぶ邪神が笑っていることを。