二次創作
【参加型】つまりそれって、冒涜的なサークル活動【HQホラー】
結衣と聖は七不思議が3番目「図書館最奥の本棚」を確かめるために図書館に来ていた。
そして結衣はちゃっかり読みたかった本を探して借りている。
「えーっとここが図書館最奥の共同スペース?」
「ええ、そうなるわね」
「なんていうか………手に取ったら死ぬ本が出てくる雰囲気じゃないね。ていうか、普通に本棚あるじゃん」
「司書さんに聞いたら最近本棚追加したらしいわよ」
「じゃあデマだった!?」
さっきまでのギャン泣きは嘘のようにケロっとした聖はちょっと残念そうに言った。
逆に結衣は笑顔で「うーん、半分本当で半分デマってところね」と付け加えて共同スペースの椅子に腰掛けた。聖もつられて結衣の目の前の席に座った。
「真っ黒な本棚は別に現れないけど、本で死んだっていうのは本気」
「えぇ!!」
「ちょうど聖ちゃんが座ってる席でね」
オカルトっぽいっとキラキラさせた聖だが、結衣の次言葉で顔を青くして自分の席を飛び退いた。
オカルトは聞いて嘘か本当かを考えるのが楽しいだけであって、自分で体験するのは何か違うらしい。うさぎのようにぴょんっと飛び退いた聖が面白いのか、結衣はくすくす笑いながら続きを説明する。
side 結衣
20年前、ボランティアサークルが大学の要らなくなった本を孤児院に寄付しようっていう話が持ち上がったの。
大学側は奉仕活動として許可したけど、まだボランティアサークルは出来たてだったのもあって、ちょっとガラの悪い生徒に偽善だなんだのって難癖つけられてたらしいの。
で、そのボランティアサークルの子がこの図書館で持っていく本を選別してたところに、ガラの悪い生徒がやってきて喧嘩になったらしいわ。
「本ごときで何が変わるってんだよ。いい加減偽善なんかやめちまえ」
「これは偽善なんかじゃない、本で人生は変わる。現に自分は読んだ本に影響されてこの大学に入ったんだ!」
「それはお前がミーハーなだけだろ、本如きじゃ何も変わらない。現に俺は聖書を読んだが、こうして酒とタバコと女を嗜みながらいきているんだ」
的な言い合いが起きた。
私も聞いた話だから詳しくは知らないわよ。もちろんガラの悪い生徒が聖書を読んだのはフィクションだから。
でも本で人生が変わる変わらないの言い合いがあったのはほんと。更に悪いことにボランティアサークルの子とガラの悪い生徒は元から仲が悪くてねぇ。一方が刃物持ち出して警察沙汰になったって言ってたわ。
そのときも言い合いがヒートアップしたけど、妙にボランティアサークルの子が大人しかったらしいわ。
ガラが悪い方は珍しく反論してこないことを訝しんで早めに切り上げた。そして、捨て台詞を吐いてボランティアサークルの子に背を向けて帰ろうとした時、
「ドカンッと一発、分厚い本の角が脳天を直撃、たまらずガラの悪い生徒は意識を失った。ボランティアサークルの子は倒れたガラ悪生徒を広辞苑で全身をボコスカ死ぬまで殴ったってわけ」
「うわうわうわ……」
「文字通り、ガラの悪い生徒は本で人生が変えられったの」
「七不思議の真相が殺人って、やだなぁ。でも、そんなこと大学調べたときはそんなの全然出てこなかったよ?結衣ちゃんはどこから聞いたの?」
不思議そうな顔の聖に私もこれを知った経緯を伝える。
最初は高校時代にナッちゃん先輩から聞いただけで、時間もあったからスマホで軽く検索してみたの。だけど、それらしい事件はヒットなし。
ガセかな?って一度は思ったけど、事件があったのは20年前だから計算したら2000年代初頭に起きたってことでしょ?
その時代って一般家庭にようやくインターネットが普及し始めたばかっかりだしインターネット上に事件の情報が残っていなくとも不思議ではないかも。
そう思って図書館に行って、時期の新聞を読み漁ってみたら見事に事件の内容と一致する記事を発見。
ちなみにこれがこの大学を進学したきっかけね。
今思えば、ナッちゃん先輩に誘導されているような気もしないでもないわね………いや、あの人昔からああだし、考えるだけ無駄だわ。やめとこっと。
そして結衣はちゃっかり読みたかった本を探して借りている。
「えーっとここが図書館最奥の共同スペース?」
「ええ、そうなるわね」
「なんていうか………手に取ったら死ぬ本が出てくる雰囲気じゃないね。ていうか、普通に本棚あるじゃん」
「司書さんに聞いたら最近本棚追加したらしいわよ」
「じゃあデマだった!?」
さっきまでのギャン泣きは嘘のようにケロっとした聖はちょっと残念そうに言った。
逆に結衣は笑顔で「うーん、半分本当で半分デマってところね」と付け加えて共同スペースの椅子に腰掛けた。聖もつられて結衣の目の前の席に座った。
「真っ黒な本棚は別に現れないけど、本で死んだっていうのは本気」
「えぇ!!」
「ちょうど聖ちゃんが座ってる席でね」
オカルトっぽいっとキラキラさせた聖だが、結衣の次言葉で顔を青くして自分の席を飛び退いた。
オカルトは聞いて嘘か本当かを考えるのが楽しいだけであって、自分で体験するのは何か違うらしい。うさぎのようにぴょんっと飛び退いた聖が面白いのか、結衣はくすくす笑いながら続きを説明する。
side 結衣
20年前、ボランティアサークルが大学の要らなくなった本を孤児院に寄付しようっていう話が持ち上がったの。
大学側は奉仕活動として許可したけど、まだボランティアサークルは出来たてだったのもあって、ちょっとガラの悪い生徒に偽善だなんだのって難癖つけられてたらしいの。
で、そのボランティアサークルの子がこの図書館で持っていく本を選別してたところに、ガラの悪い生徒がやってきて喧嘩になったらしいわ。
「本ごときで何が変わるってんだよ。いい加減偽善なんかやめちまえ」
「これは偽善なんかじゃない、本で人生は変わる。現に自分は読んだ本に影響されてこの大学に入ったんだ!」
「それはお前がミーハーなだけだろ、本如きじゃ何も変わらない。現に俺は聖書を読んだが、こうして酒とタバコと女を嗜みながらいきているんだ」
的な言い合いが起きた。
私も聞いた話だから詳しくは知らないわよ。もちろんガラの悪い生徒が聖書を読んだのはフィクションだから。
でも本で人生が変わる変わらないの言い合いがあったのはほんと。更に悪いことにボランティアサークルの子とガラの悪い生徒は元から仲が悪くてねぇ。一方が刃物持ち出して警察沙汰になったって言ってたわ。
そのときも言い合いがヒートアップしたけど、妙にボランティアサークルの子が大人しかったらしいわ。
ガラが悪い方は珍しく反論してこないことを訝しんで早めに切り上げた。そして、捨て台詞を吐いてボランティアサークルの子に背を向けて帰ろうとした時、
「ドカンッと一発、分厚い本の角が脳天を直撃、たまらずガラの悪い生徒は意識を失った。ボランティアサークルの子は倒れたガラ悪生徒を広辞苑で全身をボコスカ死ぬまで殴ったってわけ」
「うわうわうわ……」
「文字通り、ガラの悪い生徒は本で人生が変えられったの」
「七不思議の真相が殺人って、やだなぁ。でも、そんなこと大学調べたときはそんなの全然出てこなかったよ?結衣ちゃんはどこから聞いたの?」
不思議そうな顔の聖に私もこれを知った経緯を伝える。
最初は高校時代にナッちゃん先輩から聞いただけで、時間もあったからスマホで軽く検索してみたの。だけど、それらしい事件はヒットなし。
ガセかな?って一度は思ったけど、事件があったのは20年前だから計算したら2000年代初頭に起きたってことでしょ?
その時代って一般家庭にようやくインターネットが普及し始めたばかっかりだしインターネット上に事件の情報が残っていなくとも不思議ではないかも。
そう思って図書館に行って、時期の新聞を読み漁ってみたら見事に事件の内容と一致する記事を発見。
ちなみにこれがこの大学を進学したきっかけね。
今思えば、ナッちゃん先輩に誘導されているような気もしないでもないわね………いや、あの人昔からああだし、考えるだけ無駄だわ。やめとこっと。