自分で言うのもあれだけど、そこそこいい生活はできていたと思う。
虐待を受けていたわけでも、こきを使われていたわけでもなかった。
なんなら、その真逆だ。
親は私にたくさんの愛をそそいでくれたし、とても優しかった。

学校から帰ってきたとき。
いつもなら笑顔で1番にただいま、と言ってくれる両親がいなくて、少し不安になる気持ちがあった。
そして、自分の部屋へ行くと、置き手紙が置いてあった。なにかと思って見れば...
『●●へ
ごめんね、仕方ないの。』
そんなそっけない文章を残し...両親はどこかへ行ってしまったのだろうか。
両親がいた痕跡は、あとかたもなく消え去っていた。


そして、今。

あぁ、私、これからどうしたらいいのかな...？
親がいない生活なんて、できないよ。
置き手紙をもう一度見る。.......仕方ない、ってどういうこと...？
いろいろ考えていても仕方がない。とにかく、友達に相談しよう。

最善の選択がそうだと私は考え、友人の家を尋ねることにした。

すると＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ピンポーン

インターホンがなった。
.....あれっ。これってもしかして、どっきりかな...？
お母さんたちがいなくなったら私がどんな反応をするのかドッキリ、とか...？
あはは、なぁんだ！

安心して、笑顔がこぼれてしまった。
そして、玄関へ向かい、ドアを開ける。
「はーいっ」

「君が、●●さん....？」

知らない、男の子が、立っていた。

「あ.....え？」

「僕はね.....＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

えっ...？